更新日: 2022.01.31 年収

日本の年収の中央値はここ30年でどう変化した?

日本の年収の中央値はここ30年でどう変化した?
一生懸命働いているのに一向に暮らしが楽にならないと感じている方は、少なくないのではないでしょうか。その背景には、ここ30年の間、日本人の年収がほとんど増えていないという事実があります。以下で具体的な年収の中央値の推移を見ていくことにしましょう。
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年収の中央値とは?

中央値というのは、統計学において用いられる用語で、小さい順に並べたデータのちょうど中央にあるものを意味する概念です。例えば、500・700・800・1000・1200という5つの数字がある場合には、順番に並べて下からちょうど3番目に当たる800が中央値になります。
 
一方、中央値と併せて、統計学において平均値という用語もよく使われます。この平均値というのは、すべてのデータを加算したうえで、その合計をデータ数で割って算出される値です。先ほどの例でいうと、5つの数字の合計である4200を5で割った840が平均値になります。
 
この例だけを見ると、中央値と平均値の間にはそれほど大きな差はないように見えますが、それはデータが1000前後に満遍なく散らばっているからです。もし5つの数字のうち、1つだけが飛びぬけて大きいような場合には、中央値と平均値は必ずしも同じような値になりません。
 
例えば、500・700・800・1000・1万という5つの数字の場合だと、中央値は先ほどの場合と同じく800となりますが、平均値は2600にまで跳ね上がります。このように、平均値はデータが満遍なく分散している場合には良いのですが、偏りが見られる場合にはそれに引きずられて大きくなったり、小さくなったりするという特徴があります。
 

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1990年代の年収の中央値

日本人の年収の中央値を知りたい場合には、厚生労働省が公表している「国民生活基礎調査の概況」を見るのがおすすめです。それによると、1995年の1世帯当たりの年収の中央値は545万円となっています。
 
一方、同年における年収の平均値は664万2000円となっており、これは中央値に比べて100万円以上も大きな金額です。いかに高額の収入を得ている一部の世帯が、全体の平均を引き上げているかがよく分かるのではないでしょうか。
 
なお、1990年代はバルブ経済がはじけた直後ではあるものの、年収は増加傾向となっています。
 

足元の年収の中央値

次に、足元の日本人の年収の中央値を見てみましょう。公表されている「国民生活基礎調査の概況」は2019年度のものが最新となっており、それを見ると2018年の一世帯当たりの年収の中央値は437万円です。
 
先ほど見た1995年と比較すると100万円以上減少しており、30年近くの間に日本人の給与水準がいかに低下しているかが分かる結果となっています。この傾向は、平均値の場合も同様です。2018年の年収の平均値は552万3000円と、こちらも1995年から100万円以上減ってしまっているのです。
 

年収減の要因

このように、わずか30年ほどの間に日本人が得ている収入は大きく減少しているのですが、その背景には何があるのでしょうか。まず1つは、バブル崩壊以降の長期的な経済の低迷です30年の間には、経済が上向いた時期もありましたが、長期的に見るとGDP(国内総生産)はほとんど増加していません。
 
そのため、企業としても従業員の給与を簡単に増やすことができず、結果として年収の減少傾向に歯止めがかからないようになっているのです。また、もう1つの要因して挙げられるのは非正規労働の増加です。パートやアルバイトに加え、低所得の派遣社員が増えたことで、全体の所得水準が押し下げられているのです。
 

年収を増やすのが難しくなっている

かつては多くの日本企業が年功序列の給与制度を取り入れていたため、長く働けばその分、多くの給与が得られるのが一般的でした。
 
しかし、バブル崩壊後の30年の間にそういった制度はほとんど姿を消してしまい、年収を増やすのが難しくなっているのです。そのため、所得を増やすには漫然と働くのではなく、場合によっては転職なども考慮に入れる必要があります。
 
厚生労働省 国民生活基礎調査結果の概要平成7(1995)年
厚生労働省 国民生活基礎調査結果の概要令和元(2019)年
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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