更新日: 2022.01.31 年収
農家の平均年収はどれくらい? 作物別の収益を調査
ここでは、農家の平均収入や、収益が大きく農家に人気の作物について紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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農家の平均年収は?
・農家の平均年収
農家には、個人で行う「個人農家」と、農業法人の下で行う「法人農家」があります。個人農家の平均年収は、114.7万円で、法人農家の平均年収は、327.5万円です。法人農家の年収が個人農家を大きく上回っています。
・他職業の収入との比較
日本の平均年収は、430万円~470万円です。個人農家、法人農家共に、日本の平均年収を下回っています。飲食店の正社員の平均年収は、320万円です。法人農家の平均年収と比較すると、どちらも320万円代で近い値となっています。
・農業方式別の平均年収
農業方式によっても平均年収は、大きく左右されます。米作…560万円、畑作…286万円、露地栽培…245万円、施設栽培…508万円、果樹栽培…254万円、花卉栽培…(露地)266万(施設)443万円、となっています。農業方式によっては、日本の平均年収を超えているものもあります。
収益が大きい作物
栽培作物の中には、収益が大きいものがあります。ここでは、露地栽培や施設栽培での「収益が大きい作物」「1時間当たりの収益が大きい作物」をランキング形式で紹介します。※下記の収益は、面積10aの畑で行った場合です。
・収益が大きい作物のランキング
露地栽培
1位…シシトウ143万円 2位…ナス123万円 3位…キュウリ119万円 4位…ピーマン90万円 5位…トマト85万円
シシトウ、ナス、キュウリは、100万円を超えた収益となっています。
施設栽培
1位…イチゴ190万円 2位…ナス169万円 3位…トマト163万円 4位…シシトウ146万円 5位…キュウリ134万円
全体的に露地栽培よりも高い収益となっています。
・1時間当たりの収益が大きい作物
露地栽培
1位…キャベツ1時間2000円 2位…レタス1時間1730円 3位…サトイモ1時間1350円 4位…ハクサイ1時間1290円 5位…ニンジン1時間1270円
キャベツ、レタスが1時間1500円を超えた収益となっています。
施設栽培
1位…トマト1時間1310円 2位…スイカ1時間1260円 3位…キュウリ1時間1220円 4位…メロン1時間1160円 5位…ピーマン1時間980円
1時間当たりの収益は、露地栽培よりも小さいです。
農家に人気の作物
紹介した「収益が大きい作物」は、長い栽培時間を要するものが多いです。そのため、多人数で栽培ができる法人農家に人気です。また、「1時間当たりの収益が大きい作物」は、短い時間で栽培できます。少人数の個人農家や、農業初心者の方に人気です。
農業形式と栽培作物の組み合わせは重要です。規模が小さく1時間当たりの収益が大きな作物は、露地栽培に適しています。規模が大きく、総合的な収益が大きい作物は、施設栽培に適しています。
地域によっても農家に人気がある作物には大きな違いがあります。九州地方南部では、サツマイモの大規模な畑作や、キュウリ、ピーマンの促成栽培が有名です。中国地方では、ブドウなどの果樹栽培の人気が高いです。また、四国地方は、九州南部と同じく促成栽培が行われています。
中央高地などの寒冷地域では、キャベツ、レタスなどの抑制栽培が行われています。他にも、平野部での稲作や扇状地での果樹栽培など特色ある農業が数多く存在します。このような気候風土に合わせた作物の栽培を行うことで、収益の増加につながります。
農家の年収は、栽培の内容によって大きく左右される
農家の年収は、個人農家で114.7万円、法人農家で327.5万円で、全体的に日本の年収を下回っています。しかしこれらは、農業方式や、栽培作物によって大きく左右されます。人数や、栽培の規模、栽培時間などを考慮して計画を立ててみましょう。また、地域の気候風土によっても栽培作物の収益は変化します。地域に合った作物栽培にも気を付けてみるとよいでしょう。
出典
農林水産省農業経営統計調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部