更新日: 2022.02.11 年収

東京のサラリーマンは将来、年金をどれくらい受給できる? 平均年収から計算してみました

東京のサラリーマンは将来、年金をどれくらい受給できる? 平均年収から計算してみました
東京都のサラリーマンは、地方と比べて稼いでいるという印象を持つ人は多いでしょう。それでは、東京都のサラリーマンは将来、どの程度の年金を受給できるのでしょうか。
 
東京都のサラリーマンの平均年収や手取りは、性別や夫婦の働き方などで異なります。ここでは、東京都の性別ごとの平均年収や共働き夫婦の平均年収をもとに、将来の年金受給額を試算しましょう。ぜひ、ご自身の年収とも比較してみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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中村将士

監修:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
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東京都のサラリーマンの平均年収は?

厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」の結果によると、東京都の労働者の平均年収は、約595万円です。また、男女別では男性が約661万円、女性が約468万円となっています。
 
また、東京都総務局統計部「『都民のくらしむき』東京都生計分析調査報告(年報)令和2年」によると、東京都の共働き夫婦の平均年収はおよそ850万円で、内訳は世帯主が約612万円、配偶者が約238万円です。

 

東京都の平均的な年収のサラリーマンが将来もらえる年金額は?

東京都の男性労働者の平均年齢である43.5歳(シミュレーション上は43歳)の時点で平均年収の661万円を稼いでいる人が、将来もらえる年金額を試算すると、図表1のような結果となります。※20歳から60歳まで40年間、厚生年金に加入した場合(以下同)。
 
【図表1】

老齢厚生年金 老齢基礎年金 年金額計
10.7万円 6.4万円 17.1万円

 
また、東京都の女性労働者について、平均年齢である40.4歳時点(シミュレーション上は40歳)で平均年収の468万円を稼いでいる場合の年金額を試算した結果は図表2のとおりです。
 
【図表2】

老齢厚生年金 老齢基礎年金 年金額計
8.3万円 6.4万円 14.7万円

 
女性のほうが平均年収が低いため、将来の年金額は月額2万円以上少ない試算です。
 
続いて、夫婦2人でもらえる年金額を考えてみましょう。夫が東京都の平均年収を稼いでいて妻がずっと専業主婦の場合、図表1の金額に加えて、妻の老齢基礎年金ももらえます。夫婦合わせた年金額は図表3のとおりです。※妻の国民年金保険の未納や免除がなかった場合。
 
【図表3】

老齢厚生年金 老齢基礎年金 年金額計
10.7万円 6.4万円 17.1万円
6.4万円 6.4万円
夫婦計 10.7万円 12.8万円 23.5万円

 
夫婦2人分の年金収入は、23.5万円です。余裕のある金額とはいえませんが、節約すれば年金収入だけで暮らすことも不可能ではない金額でしょう。
 
また、共働き世帯の平均年収(世帯主:612万円、配偶者:238万円)を稼いでいる夫婦の年金額は、図表4のような結果となります。※便宜上、夫を世帯主とし、夫の年齢は世帯主の平均年齢48.1歳、妻も同年齢で計算しています。
 
【図表4】

老齢厚生年金 老齢基礎年金 年金額計
8.9万円 6.4万円 15.3万円
3.7万円 6.4万円 10.1万円
夫婦計 12.6万円 12.8万円 25.4万円

 
こちらは、夫婦2人で年金収入25.4万円です。こちらも年金収入だけで生活費を賄うのは、十分とはいえない金額かもしれません。
 
※金額はすべて、三井住友銀行「年金試算シミュレーション」を用いた概算値です。

 

年金の見込額が少ないときの対処法

東京都の平均年収をもとに試算した年金額を見て「これだけで生活するのは厳しい」と感じた人は多いでしょう。年金の見込額が少ないときは、次のような方法で対処しましょう。
 

・私的年金制度を利用する
・繰下げ受給を選択肢に入れる

 
私的年金制度とは、公的年金に上乗せして給付を受けられる制度です。私的年金のうち「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は、個人で加入する制度です。iDeCoに加入すると、掛け金を運用して得た運用益と掛け金の合計額をもとに決定した金額を受給できます。
 
会社に私的年金制度が導入されている場合でも、会社を通じて制度を利用可能です。
 
また年金受給額を増やすために、繰下げ受給を選択するのもよいでしょう。繰下げ受給とは、年金の受給開始時期を最大70歳まで繰り下げることで、年金受給額が8.4~42%増額される制度です。健康状態や収入、貯蓄の状況などを考慮しながら、無理のない範囲での制度利用を検討しましょう。

 

年金受給額の見通しを立てて将来に備えましょう

東京都の平均年収をもとに年金の受給見込み額を計算すると、単身でも夫婦で受給する場合でも、生活費として十分な金額とはいえない結果となりました。貯蓄やそのほかの方法で備えておかなければ、老後資金が不足するケースが多いと考えられます。
 
ここで試算した年収と比べてご自身の年収はどうかを考え、年金受給額の見通しを立ててみましょう。そのうえで、見込額が少ない場合は、できるだけ早めに対応策を講じるのがおすすめです。

 
出典
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」
都道府県別第1表 都道府県、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
「東京都生計分析調査報告(年報)令和2年」
世帯類型別1世帯当たり年平均1か月間の収入と用途別生計支出-勤労者世帯-
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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