更新日: 2022.02.14 年収

年金から引かれるもの。年金収入に対して実際の手取りはどのくらい?

年金から引かれるもの。年金収入に対して実際の手取りはどのくらい?
公的年金収入からも、給与収入などと同じように天引きされるお金があることを、ご存じない人も多いでしょう。公的年金からも税金や社会保険料が引かれるために、手取り額は額面よりも少なくなります。
 
ここでは、公的年金から天引きされるものの内容と天引きされる基準を解説するとともに、手取り額はいくらくらいになるのか試算します。年金の額面と手取りの関係について、具体的にイメージしましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

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中村将士

監修:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

公的年金からは税金や社会保険料が天引きされる

 
公的年金の受給額は加入期間などをもとに算出されますが、計算で出た金額が全額手元に入ってくるわけではありません。手元に入るいわゆる手取りは、受給額などの条件に応じて、次のような税金、社会保険料が天引きされた金額です。

●介護保険料
●国民健康保険料
●後期高齢者医療保険料
●住民税

これらが公的年金から天引きされる理由は、高齢者が金融機関に出向いて納付したり、自治体が個別に納付を呼び掛けたりする負担を減らすためです。
 

公的年金から税金や社会保険料が天引きになる条件

 
公的年金から税金や社会保険料を天引きされるのは、次の条件に当てはまる人です。
 
■介護保険料
65歳以上の人のうち、次の両方に当てはまる人。

●老齢基礎年金(もしくは旧制度の老齢年金・退職年金)、障害年金、死亡を事由とした年金などを受給している
●公的年金の年間支給額が18万円以上

■国民健康保険料
65歳以上75歳未満の人のうち、次のすべてに当てはまる人。

●介護保険料が天引きされている
●老齢基礎年金(もしくは旧制度の老齢年金・退職年金)、障害年金、死亡を事由とした年金などを受給している
●公的年金の年間支給額が18万円以上

■後期高齢者医療保険料
75歳以上の人、または65歳以上75歳未満で後期高齢者医療保険制度に該当する人のうち、次のすべてに当てはまる人。

●介護保険料が天引きされている
●老齢基礎年金(もしくは旧制度の老齢年金・退職年金)、障害年金、死亡を事由とした年金などを受給している
●公的年金の年間支給額が18万円以上

■住民税
65歳以上の人のうち、次のすべてに当てはまる人。

●介護保険料が天引きされている
●老齢基礎年金(もしくは旧制度の老齢年金・退職年金)、障害年金、死亡を事由とした年金などを受給している
●公的年金の年間支給額が18万円以上

上記に該当し、年金から天引きされる税金や社会保険料がある場合は、お住まいの自治体から天引きする旨の通知が届きます。内容をよく確認しましょう。
 

公的年金の手取り額はいくらくらいになる?

 
税金や社会保険料が天引きされた結果、公的年金の手取り額はいくらくらいになるのでしょうか。厚生年金加入者の令和2年度の老齢年金平均受給額約14万6000円=年間受給額175万2000円をもとに、おおよその手取り額を計算してみましょう。
※社会保険料は自治体により異なります。ここでは、東京都北区の金額を参考にしています。また、すべて単身世帯の場合の計算結果です。
 
年金の受給額を175万円とすると、65歳以上の方の場合、税金や社会保険料の計算のベースとなる所得額は、公的年金等控除額110万円を引いた65万円です。
 
■住民税
住民税額は、以下のように計算できます。
 
(所得額65万円-基礎控除43万円-社会保険料控除18万5400円)×住民税率10%+均等割額5000円=9000円
 
■介護保険料
本人が住民税課税で合計所得金額125万円未満の場合、介護保険料は年額8万8000円です。
 
■国民健康保険料
国民健康保険料は、世帯に対して課せられます。世帯主ではない場合、国民健康保険料の天引きはありません。
 
国民健康保険料はおよそ5万6400円です。(世帯員がいる場合は人数などに応じて金額が変わります)
 
■後期高齢者医療保険料
後期高齢者医療保険料は、次のように計算できます。
 
{(所得額65万円-基礎控除43万円)×8.72%}+均等割額4万4100円×50%=約4万1000円
 
以上を公的年金の年間受給額175万円からすべて差し引いた手取り額はおおよそ156万5000円で、受給額の額面から1割ほど少なくなる計算です。
 

年金から引かれるものと金額を把握しよう

 
公的年金からは、税金やさまざまな社会保険料が天引きされるため、シミュレーションやねんきん定期便などで見る受給額がそのまま手取りになるわけではありません。どのくらいの金額が天引きされるかは、もとの年金額や家族構成などにより異なりますが、1割以上少なくなる場合もあることを、頭に置いておきましょう。
 
どのようなものが天引きされるかだけでも把握しておくと、実際に老後に使えるお金についてイメージしやすくなるはずです。
 
出典
厚生労働省「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
個人住民税 | 税金の種類 | 東京都主税局
介護保険料の決め方|東京都北区
保険料の試算と計算方法(国民健康保険)|東京都北区
(令和3年度国民健康保険料簡易試算シート)
後期高齢者医療制度|東京都北区
保険料の算定方法|東京都後期高齢者医療広域連合公式ウェブサイト
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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