更新日: 2022.02.16 年収
厚生年金の加入期間の年収が600万円なら老後の年金はいくら支給される?
本記事では、厚生年金に加入している期間の年収が600万円の会社員の場合、将来受け取れる年金はいくらになるのかを紹介します。老齢基礎年金と老齢厚生年金の違いも解説しますので、年金制度についての知識を身につけましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年収600万円の会社員の年金受給額はいくら?
年収600万円の会社員の場合、将来もらえる年金額はいくらになるのか、三井住友銀行の年金試算シミュレーションで試算したところ、以下のようになりました。
●30歳男性
●就業開始年齢:20歳
●就業終了年齢:60歳
●年収:600万円
【図表1】
老齢基礎年金 | 6万4000円 |
老齢厚生年金 | 13万4000円 |
合計 | 19万8000円 |
年収600万円の会社員の場合、老齢基礎年金が6万4000円、老齢厚生年金が13万4000円であることから、1ヶ月あたりの年金額は19万8000円であることが分かりました。
なお、今回の試算は独身のケースであり、将来結婚して家庭を持った場合、妻が専業主婦であれば妻の分の老齢基礎年金6万4000円がプラスされ、1ヶ月あたりの世帯の年金額は26万2000円となるでしょう。共働きの場合にはさらに金額が変わります。
年金の目安額は、世帯の状況によって大きく変わるため、今回の試算額も参考として見てください。
老齢基礎年金と老齢厚生年金の違い
年金試算シミュレーションでは、老齢基礎年金と老齢厚生年金の2種類の年金が出てきましたが、それぞれの違いについてよく知らないという人もいるのではないでしょうか。
ここでは、老齢基礎年金と老齢厚生年金の違いについて解説します。どちらも、将来受け取る年金についての知識なので、正しく理解しましょう。
老齢基礎年金
日本に住む20歳~60歳の人はすべて国民年金に加入する義務があります。
老齢基礎年金は、国民年金の加入者だった人の老後の保障として給付されるもので、原則65歳から支給されます。ただし、保険料の納付済期間と免除期間などを合算した資格期間が10年以上なければ支給されません。
万が一資格期間が10年に満たない人も、60歳から任意加入するなどして、資格期間を10年にすれば年金が受け取れます。
令和3年度時点では、20歳から60歳までの40年間、保険料をすべて納めた場合に支給される年金額は年額78万900円であり、月額にすると6万5075円です。
老齢厚生年金
老齢厚生年金は、厚生年金保険に加入していた人の老後の保障として給付される年金で、原則65歳から、老齢基礎年金に上乗せするかたちで支給されます。
ただし、資格期間が10年以上なければ支給されません。また、平成29年7月以前に受給開始年齢を迎える人は、原則として25年以上の資格期間が必要です。
会社員の場合は、厚生年金保険に加入しているため、老齢基礎年金と老齢厚生年金の2種類の年金が支給されます。しかし、自営業者やフリーランスなど、厚生年金保険に加入していない人は、老齢基礎年金のみが支給されます。
年収600万円の人が年金を増やす方法
年収600万円の人が、少しでも年金を増やしたい場合、iDeCoがおすすめです。
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で掛け金を決めて預金や投資信託などを運用し、原則60歳以降に年金や一時金として受け取れる私的年金制度の1つです。
会社員の場合、勤め先の企業で「企業型確定拠出年金」に加入している人は、原則iDeCoに加入できません。ただし、iDeCoに同時加入できる旨を企業型年金規約で定めている場合は加入できるので、一度確認してみましょう。
会社員の場合、掛け金の上限は月額1万2000円~2万3000円で、月々5000円から始められます。
年収600万円の会社員の1ヶ月あたりの年金額は約20万円
年収600万円の会社員の場合、一定の条件を基にしたシミュレーションの結果、将来受け取れる年金額は1ヶ月あたり19万8000円ほどになることが予想されます。結婚した場合には、妻の分の年金額もプラスされるので、世帯としては19万8000円よりも多くの額を受け取れる可能性もあるでしょう。
ただ、年金だけでは老後の生活をまかなうのは難しいかもしれません。正しい年金制度の知識を身につけたら、将来受け取れる年金額にプラスして老後資金の準備を始めることも大切です。
出典
日本年金機構 老齢年金ガイド
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー