年金を月5千円増やすには、現役時代の年収はいくら上げればいいの?

配信日: 2022.02.24 更新日: 2022.02.25

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年金を月5千円増やすには、現役時代の年収はいくら上げればいいの?
将来もらえる年金受給額について「年金を5千円増やすには年収はいくら上げる必要がある?」「国民年金と厚生年金の受給額の違いは?」など疑問をもっている方は多いのではないでしょうか。
 
現役時代の年収がいくら上がると年金がどれくらい増えるのか、知っておくことは大切です。
 
ここでは、年金を月5千円増やすために年収をいくら上げたらいいのか、解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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将来もらえる年金額とは

 
将来もらえる年金には、国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)の2種類あります。年金保険料を全期間納付している場合、国民年金は満額時の受給額が誰でも同じです。一方、厚生年金は現役時代の年収によって受給額が異なります。
 
ここでは、国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)の年金額や計算方法について見ていきましょう。
 

国民年金(老齢基礎年金)の満額時の受給額は同じ

 
国民年金(老齢基礎年金)は、20歳以上の方が全員加入する年金です。20歳〜60歳までの40年間の全期間、国民年金保険料(令和3年度:1万6610円)を納めた場合は、年金を満額受給できます。令和3年4月分からの満額時の年金額は78万900円(月6万5075円)です。
 
国民年金受給額の計算方法は「年金額(満額)×(保険料納付済月数÷480)」となるため、職業や年収などに関係なく、国民年金保険料を40年間(480ヶ月)納付している場合の受給額(満額)は、誰でも同じになります。
 

厚生年金(老齢厚生年金)の受給額は年収(保険料)によって異なる

 
厚生年金(老齢厚生年金)は、会社員や公務員が加入する年金制度で、受給額は年収(支払った保険料)によって異なります。厚生年金の受給額は「報酬比例部分の年金額+経過的加算+加給年金額」で計算され、受給額の大部分は「報酬比例部分の年金額」が占めるからです。
 
基本的には年収が多いほど厚生年金保険料は高くなり、年金受給額は増えます(上限あり)。
 
「報酬比例部分の年金額」は、以下のA+Bで求めることができます。
 
A:平成15年3月以前の厚生年金加入期間
・平均標準報酬月額×(9.5/1000〜7.125/1000 ※生年月日に応じて変わる)×平成15年3月以前の加入期間の月数
※平均標準報酬月額…平成15年3月以前の加入期間中の標準報酬月額の総額を平成15年3月以前の加入期間で割った額。
 
B:平成15年4月以降の厚生年金加入期間
・平均標準報酬額×(7.31/1000〜5.481/1000 ※生年月日に応じて変わる)×平成15年4月以後の加入期間の月数
※平均標準報酬額…平成15年4月以降の加入期間中の標準報酬月額と標準賞与額の総額を平成15年4月以降の加入期間で割った額。
 
「経過的加算」を求める方法は、以下のとおりです。
・定額部分相当の金額-78万900円×(昭和36年4月以降で20歳以上60歳未満の厚生年金保険の被保険者月数÷加入可能年数×12)
※定額部分は「1628円×生年月日に応じた率×被保険者期間の月数」
 
「加給年金額」は、65歳時点で厚生年金の被保険者期間が20年以上あり、所定の要件を満たす配偶者や子どもがいる場合は、加給年金額が加算されます。加算額は配偶者が22万4700円、1人〜2人目の子どもは各22万4700円、3人目以降の子どもは各7万4900円です。
 

年金受給額が月5千円増える年収シミュレーション

 
ここでは、三井住友銀行「年金試算シミュレーション」を用いて、年収別の年金額を試算します。
 
シミュレーションの条件は次のとおりです。

●35歳、男性
●会社員、独身
●就業年齢23歳〜60歳
●年収は常に一定と仮定
●年金保険料を全期間納付済の場合

年収別の年金受給額は、図表1のとおりです。
 
図表1

年収 年金額合計 厚生年金受給額 国民年金受給額
300万円 12万2000円 5万8000円 6万4000円
305万円 12万3000円 5万9000円 6万4000円
310万円 12万4000円 6万円 6万4000円
315万円 12万5000円 6万1000円 6万4000円
320万円 12万6000円 6万2000円 6万4000円
325万円 12万7000円 6万3000円 6万4000円
330万円 12万8000円 6万4000円 6万4000円
335万円 12万9000円 6万5000円 6万4000円
340万円 13万円 6万6000円 6万4000円
345万円 13万1000円 6万7000円 6万4000円
350万円 13万2000円 6万8000円 6万4000円

※年金額は月額
※概算となりますので実際とは異なる場合があります。
 
上記のとおり、年収が5万円多くなると、厚生年金受給額が約1000円増えます。国民年金受給額は満額であれば一定です。そのため、年収が25万円多くなると、年金受給額が約5000円増えます。
 

現役時代の年収が25万円上がれば年金が月5千円増える

 
三井住友銀行「年金試算シミュレーション」によると、年収が25万円上がると、年金受給額が月5千円増えます。国民年金は満額時の受給額が誰でも一緒です。年収によって年金額が変わるのは厚生年金になります。
 
将来受け取る年金額が増えるように、年収アップを目指しましょう。
日本年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法
日本年金機構 老齢厚生年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)
三井住友銀行 年金試算シミュレーション
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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