更新日: 2022.02.26 年収

税金や社会保険料がかかるのはそれぞれ月収いくらから?

税金や社会保険料がかかるのはそれぞれ月収いくらから?
税金や社会保険料などは毎月かかってくるものなので、家計への負担が重たく感じられるものです。パートで働く方の中には、税金の扶養控除を受けられる範囲や、社会保険の扶養内で働きたい人も多いのではないでしょうか。
 
税金や社会保険料は、所得や扶養人数、勤務時間など複雑な要素で決まるものですが、月収によって目安がつけられます。
 
ここでは、税金や社会保険料の仕組みや、月収いくらから発生するのか解説します。扶養控除を受けられる範囲や、社会保険の扶養内で働きたい人は、ぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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給与にかかる税金は「所得税」と「住民税」

給与にかかる税金は、「所得税」と「住民税」の2種類です。


・所得税:個人の1年間の所得(給料や商売の利益など)に対してかかる税金。毎月の給与やボーナスから徴収される税額は「給与所得の源泉徴収税額表」で計算する

・住民税:地方税の1つで、住所のある自治体に納める税金。「市区町村民税」と「都道府県税」の2つを合わせた総称

それぞれ、月収いくらからかかるのかみていきましょう。
 

所得税がかかる目安は月8万8000円

・月8万8000円を超えると給与から所得税が控除される
(扶養控除等(異動)申告書を提出した勤務先を想定。源泉徴収税額表の乙欄の場合)
 
所得税は、毎月の給与から会社がざっくりとした金額を「源泉徴収」として差し引き、毎年12月の「年末調整」によって帳尻合わせを行います。
 
扶養控除等(異動)申告書を提出した職場の場合、源泉徴収税額表の「甲欄」が適用されるため、月の給与が8万8000円未満であれば扶養親族の人数に関係なく所得税はかかりません。
 
給与が8万8000円以上8万9000円未満で扶養親族が0人の場合は、所得税が130円控除されます。
 

住民税控除の目安は年収100万円


・住民税控除の目安は年収100万円(月8万円が目安)
・非課税限度額は所得45万円

住民税については、非課税限度額が所得45万円であるため、収入100万円以下でほかに所得がない場合、住民税はかかりません。
 
・給与所得=収入金額-給与所得控除額(収入が162万5千円までは最低55万円)
※収入が100万円の場合、給与所得控除額55万円を引くと45万円となる。
 
ただし国税である所得税と違い、住民税は都道府県や市町村が徴収する税金なので、収入が100万円以下であっても、市区町村によっては住民税がかかる場合もあります。
 

給与にかかる社会保険料(健康保険・厚生年金)

社会保険とは、加入者が安心して生活できることを目的とした保険です。種類は「健康保険料」「厚生年金保険料」「介護保険料」「雇用保険料」「労災保険料」の5種類。介護保険料は40歳を超えると発生し、労災保険は会社が全額負担しています。
 
ここでは、社会保険料の中でも負担の割合の大きい「健康保険」と「厚生年金」について解説していきます。
 

健康保険と厚生年金加入の1つの目安は月収8万8000円

被保険者の総数が501人以上の事業所で働いている場合、以下の条件を満たすと、健康保険・厚生年金保険に加入することになります。


・労働時間が週20時間以上
・雇用期間が1年以上見込まれる
・月収が8万8000円以上
・学生ではない

上記から、月収8万8000円が健康保険・厚生年金加入の1つの目安だといえるでしょう。2022年10月には「従業員数101~500人の企業」が追加され、2024年10月からは「従業員51名以上の企業」と条件が変更されることが決定しています。
 

健康保険と厚生年金には、年収106万円と130万円の壁がある


・年収106万円(月収8万8000円)で勤務先への社会保険への加入義務が発生

・年収130万円以上になると、配偶者の社会保険の扶養から抜ける

月収8万8000円、年収106万円で社会保険の加入義務が発生しますが、この条件に該当しなかった人でも、年収が130万円を超えると、配偶者の社会保険の扶養から抜けなくてはなりません。
 
つまり、年収130万円を超えると全ての人が社会保険への加入義務が発生することになります。
 
※60歳以上の方、障害厚生年金を受給できる程度の障害者の場合は180万円未満。
 

税金や社会保険料控除の基準はそれぞれ異なるが、1つの目安は月収8万8000円

税金や社会保険料がかかる条件は、それぞれ異なりますが、所得税控除の目安と健康保険・厚生年金加入の条件の1つが月収8万8000円です。
 
このことから月収8万8000円が、税金や社会保険料かかる1つの目安だといえるでしょう。税金の扶養控除を受けられる範囲や、社会保険の扶養内で働きたい方は、「月収8万8000円」を目安に今後の働き方について考えてみてはいかがでしょうか。
 
出典
国税庁 令和3年分 源泉徴収税額表より 給与所得の源泉徴収税額表(月額表)(1から7ページ)
国税庁 所得税のしくみ
日本年金機構 社会保険料控除とは何ですか
日本年金機構 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
厚生労働省 事業主の行う雇用保険の手続き
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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