地方公務員と国家公務員の月収の違い。平均とボーナスはいくら?
配信日: 2022.02.25 更新日: 2022.02.28
また地方公務員は各自治体によって給与水準が異なり、都道府県によって平均値は異なります。本記事では、地方公務員と国家公務員の給与実態について詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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地方公務員の平均月収
総務省の「平成31年4月1日地方公務員給与実態調査結果」の「第1 調査結果の概要」によると、全地方公共団体に勤める職員の平均月収は以下の通りです。
●一般行政職:31万6993円
●技能労務職:31万3801円
●高等学校教育職:37万2405円(特別支援学校、専修学校及び各種学校を含む)
●小・中学校教育職:35万3398円(幼稚園を含む)
●警察職:32万3548円
おおむね均等な給与水準ですが、技能労働職と高等学校教育職では一月あたり5万8604円の開きがあります。年換算では70万3248円と大きな差です。
なお対象地域に勤務する場合は、ボーナスの他に「寒冷地手当」が11〜3月の5ヶ月間給与に上乗せして支給されます。
●対象地域:北海道・青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島・栃木・群馬・新潟・富山・福井・山梨・長野・岐阜・兵庫・岡山の17地域
地方公務員のボーナス平均値
公務員のボーナスは「期末手当」「勤勉手当」の2種類があり、在籍期間で金額に差が出るのが期末手当、職務成績に応じて金額が増えるのが勤勉手当です。
総務省の「第5表 職種別職員の平均給与額」によると、全地方公共団体に勤める職員のボーナス平均値は以下の通りです。
●一般行政職:期末手当・93万7684円 勤勉手当・ 69万3242円
●技能労務職:期末手当・93万6539円 勤勉手当・ 67万3302円
●高等学校教育職:期末手当・108万2295円 勤勉手当・ 78万6998円(特別支援学校、専修学校及び各種学校を含む)
●小・中学校教育職:期末手当・ 102万8516円 勤勉手当・ 75万5246円 (幼稚園を含む)
●警察職:期末手当:期末手当・ 97万1270円 勤勉手当・ 72万0752円
この結果から、平均月収と同様に高等学校教育職のボーナスも高い水準であると分かります。
国家公務員の平均月収
人事院の「国家公務員給与の実態(3) 適用俸給表別平均俸給額及び平均給与月額」によると、国家公務員の平均月収は俸給額及び平均給与月額の通りです。
【俸給額及び平均給与月額】
俸給表 | 平均俸給額 | 平均給与月額 |
---|---|---|
行政職俸給表(一) (一般行政事務職員など) |
32万5827円 | 40万7153円 |
行政職俸給表(二) (同上) |
28万6947円 | 32万8603円 |
専門行政職俸給表 (航空管制官など) |
34万9641円 | 44万5214円 |
税務職俸給表 (税務署職員など) |
35万6097円 | 43万2622円 |
公安職俸給表(一) (刑務官、海上保安官など) |
32万0029円 | 37万8869円 |
公安職俸給表(二) (同上) |
33万8544円 | 40万8549円 |
研究職俸給表 (研究所の研究員など) |
40万5016円 | 56万0974円 |
医療職俸給表(一) (医師、薬剤師、看護師など) |
50万8818円 | 84万3232円 |
医療職俸給表(二) (同上) |
31万954円 | 35万5410円 |
医療職俸給表(三) (同上) |
31万9112円 | 35万7517円 |
専門スタッフ職俸給表 (情報分生還、国際交渉官など) |
48万5638円 | 59万4502円 |
指定職俸給表 (事務次官、局長など) |
85万7195円 | 102万7906円 |
人事院「国家公務員給与の実態③ 適用俸給表別平均俸給額及び平均給与月額 ③ 適用俸給表別平均俸給額及び平均給与月額」参照
平均俸給額に諸手当を含めると平均給与月額となります。
一口に国家公務員と行っても給与水準は大きく異なり、指定職俸給表と行政職俸給表(二)の平均給与月額は約69万9000円もの差が付きました。
行政職俸給表(二)の場合、地方公務員よりも実際に受け取る月収が少ない可能性もあります。
国家公務員のボーナス平均値
人事院の「令和3年人事院勧告 令和3年 人事院勧告・報告について」によると、令和3年度のボーナスは年間 4.45 月分 から年間4.30月分に引き下げられました。
コロナウイルスの感染拡大で企業の業績が悪化したことに伴い、引き下げを求めた人事院勧告を受け入れた形です。
この数値を元に平均給与月額に4.30月をかけた数値は、以下の通りです。
【国家公務員ボーナス平均値】
行政職俸給表(一) (一般行政事務職員など) |
175万757円 |
行政職俸給表(二) (同上) |
141万2992円 |
専門行政職俸給表 (航空管制官など) |
191万4420円 |
税務職俸給表 (税務署職員など) |
186万274円 |
公安職俸給表(一) (刑務官、海上保安官など) |
162万9136円 |
公安職俸給表(二) (同上) |
175万6760円 |
研究職俸給表 (研究所の研究員など) |
241万2188円 |
医療職俸給表(一) (医師、薬剤師、看護師など) |
362万5897円 |
医療職俸給表(二) (同上) |
152万8263円 |
医療職俸給表(三) (同上) |
153万7323円 |
専門スタッフ職俸給表 (情報分生還、国際交渉官など) |
255万6358円 |
指定職俸給表 (事務次官、局長など) |
441万9995円 |
人事院「国家公務員給与の実態③ 適用俸給表別平均俸給額及び平均給与月額 ③ 適用俸給表別平均俸給額及び平均給与月額」を元に算出
あくまで概算ですが、専門職では地方公務員よりボーナスの金額が2倍以上となりました。
ただし行政職俸給表(二)は概算した年収が535万6228円なので、地方公務員の概算年収536万9000円よりもわずかに下回っています。
このことから、地方公務員でも一部の国家公務員の年収を上回るケースがあると分かります。
居住地次第で地方公務員の月収は高くなる
総務省の「別冊 第3 都道府県別、市区町村別給与等の一覧表」を見てみると、一般行政職で最も月収が高いのは三重県の33万8900円、低いのは千葉県の30万8000円です。
月収を見るだけでも地方によって差があるため、地方公務員でも居住地次第では平均より高い月収をもらえます。
出典
総務省 平成31年4月1日地方公務員給与実態調査結果より「 調査結果の概要」
e-GOV法令検索 昭和二十四年法律第二百号国家公務員の寒冷地手当に関する法律
総務省 第5表 職種別職員の平均給与額
人事院 令和3年人事院勧告 令和3年 人事院勧告・報告について
総務省 別冊 第3 都道府県別、市区町村別給与等の一覧表(PDF)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部