更新日: 2022.02.28 年収

看護師の年収の中央値はどのくらい?年収700万円を超えるのは何年目から?

看護師の年収の中央値はどのくらい?年収700万円を超えるのは何年目から?
看護師の仕事は、年収が高いイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。確かに看護師の平均年収は491.8万円で、一般企業の会社員などと比べてかなり高いのがわかります。
 
しかし、年収700万円を超えるためには、少しハードルが上がり、経験年数が短いうちはかなえられる金額ではありません。
 
今回は看護師の年収の中央値をはじめ、年収700万円を超えるのは経験年数何年目以降になるのかを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

看護師の年収の中央値は500万円前後

看護師の年収の中央値は500万円前後と考えるといいでしょう。中央値とは、年収が一番高い人から一番低い人を並べたときに中央となる金額を差します。
 
年収の中央値に近い金額を稼ぐには、看護師としての経験年数を積む、資格を習得する、働くエリアや病院選びを考慮するなどの対応が求められます。
 

看護師の平均年収は491.8万円

厚生労働省が2021年度に発表した「令和2年賃金構造基本統計調査」では、正看護師の平均年収491.8万円(平均年齢41.2歳)としています。男女差などは基本的になく、病院勤務の看護師の多くが500万円前後の給料を得ていると解釈していいでしょう。
 
なお、491.8万円には賞与や夜勤手当、時間外労働手当、通勤手当といった各種手当も含まれています。特に看護師の年収は、夜勤手当が大きな割合を占めるといった特殊な事情があります。夜勤がない病院に勤務する場合、給料が下がるのを避けられません。
 
また、491.8万円が実際に手に入るわけではなく、額面と呼ばれる所得税や社会保険料などが差し引かれる前の金額です。

 

看護師の求人賃金(月額)は24.7万円

ハローワーク求人統計データにおける、令和2年度の看護師の求人賃金は、全国月額24.7万円でした。また、看護師の有効求人倍率は全国2.24倍といった結果も出ていて、1人に対して求人が2.24件ある状態です。
 
令和3年度10月の日本全国の有効求人倍率は1.16倍でした。ほかの職業と比べても看護師の求人倍率は高く、不況に強い職種といえるでしょう。
 

看護師の初任給

看護師は平均年収も高く、不況にも強い職種ですが、初任給は決して高いわけではありません。日本看護協会の「2020年病院看護実態調査」によると、看護師の初任給は学歴によって多少の違いはあるものの基本給でおよそ20~21万円です。
 

平均基本給与額 平均税込給与総額
高卒+3年課程新卒
(回答病院数:2992)
20万2289円 26万2277円
大卒
(回答病院数:2871)
20万8918円 27万292円

 
なお、厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給」によると、の結果が出ています。
 

男女計 大学院修士課程修了 23万8900円
大学卒 21万200円
高専・短大卒 18万3900円
高校卒 16万7400円
男性 大学院修士課程修了 23万9000円
大学卒 21万2800円
高専・短大卒 18万4700円
高校卒 16万8900円
女性 大学院修士課程修了 23万8300円
大学卒 20万6900円
高専・短大卒 18万3400円
高校卒 16万4600円

 

勤続10年・非管理職の看護師の給与

日本看護協会の「2020年病院看護実態調査」では、勤続10年の看護師の給与について図表2のように結果を伝えています。
 
【図表2:勤続年数10 年で年齢31~32 歳、非管理職の看護師の給与(回答病院数2799) 】

平均基本給与額 24万5459円
平均税込給与総額 32万773円

 
高卒+3年課程新卒の初任給と比べた場合、平均基本給与額は4万3170円、平均税込給与総額は5万8496円の差があります。また、大卒と比べると平均基本給与額は3万6541円、平均税込給与総額は5万481円の差です。
 
平均税込給与総額だけで見ると、看護師の経験年数10年間で5~6万円程度、給与月額が増えているのがわかります。

 

年収700万を超えるのは経験年数15年以上が目安

看護師で年収700万円を目指し実現するのは可能です。しかし、令和2年賃金構造基本統計調査の内容を見ても年収700万円を超えるには、15年以上の経験年数がかかる可能性が高いです。ちょうど看護師長や部長などの役職に就いた50代近くのタイミングで年収が上がりやすいといえるでしょう。
 
しかし、看護師長や部長は各病院・各科などに1人の狭き門です。誰でも看護師長や部長になれるわけではないため、日頃からの努力を求められます。

 

スキルや経験を積む・資格取得で年収アップが可能

看護師の平均年収は高い部類に入りますが、夜勤があったり看護師不足を理由に激務が続いたりする可能性があります。また、看護師として勤務開始してから年収700万円を超えるまでには、15年以上の経験年数が必要になるケースも珍しくありません。
 
役職に就くための有利な資格を取得するといった行動も取り入れながら、年収アップを目指してください。

 
出典
賃金構造基本統計調査 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
看護師 – 職業詳細 | 職業情報提供サイト
日本看護協会 2020年病院看護実態調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集