更新日: 2022.02.28 年収
月収50万円の手取りはいくらになる? 理想の貯蓄額もチェック
しかし月収50万円を受け取れる時点で賃金階級は高く、手取り額も十分な金額であるといえるでしょう。本記事では独身と扶養家族ありのケースを取り上げ、平均的な手取りと理想的な貯蓄額について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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月収50万円の手取り
月収50万円の手取りは約41万円(年収600万円)です。各種控除を受けていても40万円以上受け取れます。給与所得者が40歳を迎えると65歳になるまで介護保険料の負担が発生しますが、それを差し引いても手取りが多いことに変わりありません。
それでは具体的な所得金額について、独身と3人世帯を例に解説していきます。
月収50万円の手取り・独身の場合
20代男性(独身・東京都渋谷区在住)を例に各種控除を試算した結果は、図表1のとおりです。
【図表1:月収50万円:独身男性の手取り額】 | |
総支給額 | 50万円 |
健康保険 | 2万4600円 |
厚生年金 | 4万5750円 |
雇用保険 | 1500円 |
所得税 | 1万2574円 |
住民税 | 2973円 |
手取り額 | 41万2603円 |
独身20代男性の手取りと考えると、かなりの金額を受け取っている計算になります。
厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況」を見てみると、労働者割合の中で年収600万円を超える20代男性は0.5%、女性は0.2%となっています。同年代の労働者と比べて相当高い報酬を受け取っているようです。
よほどのことがない限り、非常に安定した生活レベルが期待できるでしょう。
月収50万円の手取り・3人世帯の場合
30代男性(東京都渋谷区在住・扶養家族2名・妻は専業主婦)を例に各種控除を試算した結果は、図表2とおりです。
【図表2:月収50万円:既婚男性の手取り額】 | |
総支給額 | 50万円 |
健康保険 | 2万4600円 |
厚生年金 | 4万5750円 |
雇用保険 | 1500円 |
所得税 | 1万1199円(所得控除) |
住民税 | 2973円(扶養家族は非課税) |
手取り額 | 41万3978円 |
総務省統計局の「年間収入五分位階級別1世帯当たり1か月間の支出(二人以上の世帯)」によると二人以上の世帯の1ヶ月の消費支出は28万2839円なので、手元に残る金額は13万1139円です。
扶養家族が少ない家庭であれば、この13万1139円を十分貯蓄と投資に回す余裕が生まれます。具体的に貯めておきたい金額は理想の貯蓄額の項目でご紹介します。
月収50万円・理想の貯蓄額
理想の貯蓄額は扶養家族の人数で異なりますが、3人世帯であれば無理のない貯蓄が可能でしょう。特に子供が私立に通わない場合は、老後資金もゆとりを持って貯蓄できます。
ここからは独身世帯と3人世帯が最低限貯蓄しておきたい金額をお伝えします。一つの目安として参考にしてください。
独身の理想貯蓄額
月収50万円の独身世帯が貯蓄しておきたい金額は、1年間で約75万6000円です。総務省が公表している「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)」によると、65歳以上の単身者世帯が1ヶ月にかかる消費支出は13万3146円となります。
仮に支出が85歳まで続くと、65歳からの20年間で3195万5040円の支出がある計算です。この金額を22歳から65歳までの43年間貯蓄する場合、1年間で約75万6000円(毎月約6万3000円)が理想の貯蓄額となります。
独身世帯の手取り額41万2603円から1ヶ月の支出13万3146円を引いた残りは27万9457円なので、毎月の貯蓄も問題なくできるでしょう。ただし老後は公的年金を受給できるので、必ず上記の額を貯蓄に回さなくても問題ありません。支出が多い月があっても調整可能でしょう。
3人世帯の理想貯蓄額
月収50万円の3人世帯が貯蓄しておきたい金額は、最低でも子供の学費と老後の貯蓄をする必要があるでしょう。ただし、子供の教育費がどれだけかかるかによって理想貯蓄額は変わってきます。
子供にかかる教育費の概算を確認してみましょう。まずは文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査の結果について」に記載された公立と私立の小中高で必要な教育費の平均値を見ていきます。
公立 | 私立 | |
---|---|---|
小学校 | 32万1281円 | 159万8691円 |
中学校 | 48万8397円 | 140万6433円 |
高等学校 | 45万7380円 | 96万9901円 |
次に大学の教育費を見ていきます。公立・国立大学は文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」、私立大学は文部科学省の「私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」に掲載された教育費平均値を参照しました。
公立 | 国立 | 私立 | |
---|---|---|---|
入学金 | 39万4225円 | 28万2000円 | 24万5951円 |
1年間の授業料 | 53万8294円 | 53万5800円 | 93万943円 |
施設設備費 | ー | ー | 18万186円 |
合計 | 254万7401円 | 242万5200円 | 414万9909円 |
※公立大の入学金は地域外からの入学者平均
入学直前までに教育費平均値と同等の学費を用意する必要があります。節目ごとにまとまった金額を受け取れる学資保険の利用や、私立の場合は資産運用も併用しながら準備をすると良いでしょう。
公立校は学資保険、私立校は学資保険と資産運用を併用し、入学前に平均値と同程度の貯蓄ができるように準備しましょう。
次に、夫婦の老後資金の理想貯蓄額ですが、1年間で約125万8610円必要になる計算です。内訳を見ていきましょう。総務省が公表している「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)」によると、65歳以上の夫婦のみの世帯における1ヶ月の消費支出は22万5501円です。
支出が85歳まで続くと20年間で5412万240円の支出がある計算になります。22歳から65歳までの43年間でこの金額を貯蓄する場合、1年間で約125万8610円必要になります。
月で換算すると約10万5000円の貯蓄が必要です。手取りから消費支出を差し引いた額が18万8477円なので、教育費と並行して貯蓄が可能です。
しかし老後は公的年金を受給できるので、全て貯蓄で準備する必要はありません。家計の負担にならない金額をつみたてNISAなどでコツコツ運用し、長期的な資産形成を目指すのがよいでしょう。
月収50万なら余裕のある生活が可能
独身世帯と扶養家族ありの世帯のどちらも、月収50万円あれば余裕のある生活が可能だと分かりました。若い頃から資産運用にも取り組むことでかなりの金額を貯められるでしょう。
ただし余裕のある生活では気が緩むこともあります。日頃からお財布の紐をしっかり締め、大きな金額が必要になるタイミングで困らないよう気をつけましょう。
出典
総務省「家計調査 / 家計収支編 単身世帯 詳細結果表」
総務省統計局「年間収入五分位階級別1世帯当たり1か月間の支出(二人以上の世帯)」
令和3年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
国税庁「所得税のしくみ」
東京都主税局「個人住民税」
国税庁「所得税の税率」
国税庁「基礎控除」
国税庁「給与所得控除」
国税庁「家族と税」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部