更新日: 2022.02.28 年収

貯蓄額の最も高い地域はどこ?平均年収もチェック

貯蓄額の最も高い地域はどこ?平均年収もチェック
子どもの教育費・老後への備え・住宅や車の購入など、貯蓄する理由は人によってさまざまです。また貯蓄の手段も人によって変化します。
 
都道府県別に行われた貯蓄額の調査を見ると、資産運用で増やす人が多い地域、お金をコツコツ貯めるのを得意とする地域がありました。
 
本記事では貯蓄額トップに位置する都道府県の平均貯蓄額や特徴について解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

統計で見る貯蓄額が高い地域の特徴

総務省統計局が公表する「3 貯蓄・負債」をみると、貯蓄額が高い地域は関東地方と近畿地方に集中していました。
 
有価証券の保有割合が最も高いのは東京都の17.1%であり、これに神奈川県、兵庫県、京都府、千葉県、大阪府が続きます。一方定期性預貯金の保有割合は秋田県に続いて香川県、和歌山県、大分県、滋賀県、富山県が2位の結果でした。
 
一方生命保険の保有率は九州・東北地方が高く、都市部は低い傾向にあります。東京都の保有率は21.4%と最下位の数値です。
 
このことから貯蓄額上位の地域は、より積極的な資産運用や堅実な貯蓄をしていると推察します。

 

貯蓄額と月のおこづかい額1位は東京都

ソニー生命が2021年12月に公表した「47都道府県別 生活意識調査2021」によると、各都道府県100人(計4700人)に実施したアンケートで貯蓄額とおこづかい額が1位だったのは東京都でした。
 
全国平均337万3000円に対し東京都の平均貯蓄額は560万5000円です。全国平均よりも223万2000円多く貯蓄している世帯が多いようです。
 
また1ヶ月のおこづかい額も全国平均1万9461円に対し、東京都では3万200円との結果でした。全国平均よりも1万739円多く、1年で換算すると12万8868円も多くもらっている計算です。
 
全国的に都市部は平均賃金も高い傾向にあるため、自然に貯蓄額も増えているのだと考えられます。

 

貯蓄上手を自負する滋賀県が2位

ソニー生命の同調査で貯蓄額2位となった滋賀県は、平均貯蓄額が531万6000円で全国平均より194万3000円多い結果となりました。
 
ほかにも「自分は貯蓄上手だと思う都道府県」で1位、「自分はライフプランを作るのが得意だ」で2位となっています。
 
お金への関心がほかの地域より高く、コツコツ貯金するのが得意な県民性といえるでしょう。

 

3位の京都はおこづがい額でも2位

3位の京都府は平均貯蓄額524万9000円という結果になりました。全国平均に比べて187万6000円多く貯金しています。また京都府はおこづかい額も東京に次いで2位の2万6550円でした。
 
しかし興味深いことに「自分は貯蓄上手だと思う都道府県」では9位、「自分はライフプランを作るのが得意だ」では8位と滋賀県に比べて低い結果となっています。
 
では平均年収を見てみましょう。厚生労働省が公表している「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、京都府の平均年収は310万8000円で全国4位の数値です。
 
京都は平均年収も高く、貯蓄もそこそこ上手な人が多いとわかりました。

 

都道府県別の平均年収

都道府県別平均年収の全国平均は307万7000円です。この平均値よりも賃金が高いのは5都府県となっています。
 
最も低いのは青森県で240万5000円、次いで岩手県の245万9000円、秋田県の246万7000円と東北地方に集中しています。
 
反対に平均年収が高い地域は関東地方と関西地方です。都市部に近いほど平均年収も高くなる傾向にあります。

 

都道府県別平均年収トップ3

厚生労働省が公表している「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、都道府県別賃金の平均年収トップ3は図表1のとおりです。
 
図表1

順位 都道府県名 平均年収
1位 東京都 373万6000円
2位 神奈川県 335万2000円
3位 愛知県 314万1000円

 
愛知県の後には京都府、大阪府が続きます。意外にも貯蓄額2位の滋賀県は301万5000円と全国平均より低い結果となっています。
 
平均年収が高い理由の1つに物価水準の高さが関係しています。総務省統計局の「平成19年全国物価統計調査」を参考に、物価水準の高い上位10地域を図表2に示しました。
 
図表2

順位 都道府県名都道府県名
1位 東京都
2位 神奈川県
3位 京都府
4位 大阪府
5位 兵庫県
6位 広島県
7位 千葉県
8位 石川県
9位 北海道
10位 愛知県

 
物価水準が高いと給与も準じて多くなる傾向が見て取れます。年収が高い地域でも生活が楽とは限らないようです。

 

貯蓄額と平均年収は必ずしも比例しない

滋賀県の物価水準は全国20位です。都道府県別平均年収を下回る収入でも、日々の支出が少ない分貯蓄に回せるお金が多いと考えられます。
 
このように、貯蓄額が多い地域は必ずしも年収が高いわけではありません。物価や県民性による影響のほうが大きいと考えられます。
 
1ヶ月の支出を見直す際は地域性も考慮する必要がありそうです。

 
出典
ソニー生命「47都道府県別 生活意識調査2021」
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
総務省統計局「平成19年全国物価統計調査」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集