厚生年金の「最高額◯◯万」が毎月受給できる人の現役時代の年収は?
配信日: 2022.02.28 更新日: 2022.03.01
そのため「厚生年金の最高額を受給するには年収がどれくらい必要?」など疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、厚生年金の最高額や受給できる人の現役時代の年収について紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
年金の平均受給額
厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和2年度の年金受給額の平均は月額14万6145円でした(国民年金含む)。図表1は、近年の年金受給額の推移です。
図表1
年度 | 年金受給額の平均(月額) |
---|---|
平成28年度 | 14万7927円 |
平成29年度 | 14万7051円 |
平成30年度 | 14万5865円 |
令和元年度 | 14万6162円 |
令和2年度 | 14万6145円 |
※国民年金(老齢基礎年金)含む
上記のとおり、14万6000〜14万8000円程度で推移しています。
また、令和2年度の国民年金受給額の平均は月額5万6358円でした。図表2は国民年金受給額の平均の推移です。
図表2
年度 | 年金受給額の平均(月額) |
---|---|
平成28年度 | 5万5464円 |
平成29年度 | 5万5615円 |
平成30年度 | 5万5809円 |
令和元年度 | 5万6049円 |
令和2年度 | 5万6358円 |
令和2年度の「厚生年金+国民年金」の平均は14万6145円、「国民年金」の平均は5万6358円となりますので、厚生年金のみの平均はおよそ9万円です。
厚生年金の最高額
国民年金の受給額は満額で78万900円です(令和3年度、年額)。40年間、保険料を全額納付(令和3年度は1万6610円)することで受け取れます。
一方、厚生年金の場合は、年収によって保険料が変わります。厚生年金保険料を40年間全額納付済であれば、保険料が高いほど将来の年金受給額は多くなります。つまり、年収が高い方ほど、将来受け取れる厚生年金額が高くなる仕組みです。
標準報酬月額は最高65万円、標準賞与額は最高150万円
厚生年金保険料を計算する際に基礎となる数値が「標準報酬月額」です。標準報酬月額は、令和2年9月分から、上限が32等級65万円(それまでは31等級62万円)になりました。報酬月額が63万5000円以上の場合は、標準報酬月額が32等級65万円に該当します。
また、標準賞与額は、賞与の税引き前の金額から1000円未満の端数を切り捨てた数字です。支給1回につき150万円が上限となります(最大年3回)。
標準報酬月額が65万円、標準賞与額が150万円になる方の年収は最低1212万円(63万5000円×12ヶ月+150万円×3回)です。
厚生年金の最高額
ここでは、標準報酬月額の最高額65万円と標準賞与額の最高額150万円に該当する、年収1212万円以上の方の年金受給額をシミュレーションします。
東邦銀行の「ライフプランシミュレーション」を用います。シミュレーションにおける条件は、次のとおりです。
●30歳会社員(独身)
●年収1250万円
●就業年齢20〜60歳
シミュレーション結果は、次のようになります。
●国民年金:(年額)78万900円 (月額)6万5075円
●厚生年金:(年額)264万4900円 (月額)22万408円
●年金額合計:(年額)342万5800円 (月額)28万5483円
※実際とは異なる場合があります。
家族構成などで世帯の年金受給額は変わりますが、標準報酬月額65万円と標準賞与額150万円に該当する独身の会社員で、年収1250万円の場合の年金受給額は年間で342万5800円(国民年金78万900円、厚生年金264万4900円)です。月額28万5483円の年金を受け取ります。
厚生年金の最高額を受給するには最低でも年収1212万円が必要
厚生年金の最高額を受給するには、標準報酬月額が32等級65万円(報酬月額63万5000円以上)と標準賞与額150万円に該当しなくてはなりません。そのためには、年収は少なくとも1212万円必要です。
30歳独身の会社員で、就業年齢20〜60歳、現役時代の年収が1250万円の場合、年金受給額は年間で342万5800円(国民年金78万900円、厚生年金264万4900円)となります。
現役時代の年収が1212万円以上ある方は、厚生年金の最高額を受給できる可能性があります。
出典
厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
日本年金機構「令和3年4月分からの年金額等について」
日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
日本年金機構「保険料額表(令和2年9月分~)(厚生年金保険と協会けんぽ管掌の健康保険)」
日本年金機構「国民年金保険料」
東邦銀行「ライフプランシミュレーション」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部