更新日: 2022.03.29 年収
空港職員の年収はどれくらい? 仕事内容によって違う?
この記事では、空港で働いている人の気になる点、特に年収を中心に解説します。どんな仕事内容なのかも解説しているので、空港職員に興味がある人はぜひご覧ください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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空港で働く人は仕事によって公務員と民間企業社員に分かれる
空港職員をどのように定義するかで変わってきますが、空港に常時滞在して仕事をしている人とすれば、仕事によって公務員と民間企業の社員に分けられます。
つまり、航空機のパイロットや客室乗務員は、本来の仕事場所は航空機の中と考えると、空港職員には含まれません。それでは、公務員に該当する空港職員、民間の空港職員にはどのような職員がいるのでしょうか。
公務員の空港職員
空港で働いている公務員には、航空管制官・入国審査官・関税職員がいます。航空管制官は身分としては国家公務員となりますが、一般的な国家公務員試験に合格しても航空管制官にはなれません。
受験資格も特殊で、21歳以上30歳未満であれば学歴に関係なく受験が可能です。ただし、視力、色覚、聴力が一定レベルにないと受験ができない点が特殊です。
入国審査官や関税職員も国家公務員の資格が必要ですが、こちらは一般職試験に合格できれば可能性は高くなります。入国審査官は法務省、関税職員は財務省の管轄となります。
民間企業社員の空港職員
航空管制官、入国審査官、関税職員以外の空港職員は、民間企業の社員です。空港運営会社の社員が多いですが、警備会社やケータリング会社の社員もいます。
中には余り聞き慣れないグランドハンドリング会社もあります。グランドハンドリングは空港で行われている地上サービスの総称です。仕事の内容は航空機の誘導、機内の清掃、手荷物の搬送など多岐にわたります。
これらは航空会社や空港運営会社ではなく、グランドハンドリング会社が行っています。
空港職員の年収
空港職員と言っても公務員から民間企業に勤務する人までさまざまです。空港で働いている人の仕事内容も多岐にわたっているので、年収は職種によって大きく違うことが想定されます。
そのためには仕事別に年収を調べてみる必要がありますが、まずは空港職員の平均年収がどれくらいになるのかを調べてみましょう。その前に、空港職員の定義を今一度、明確にしておきましょう。
空港職員とは
空港職員は基本的には空港で働いている人になりますが、広い意味では航空機のパイロットも空港勤務と言えます。実際に政府統計の航空運輸業の賃金調査統計には、パイロットや客室乗務員も含まれています。
そのため、この記事では空港職員の平均年収としてパイロットや客室乗務員も含めた平均年収を調査しています。
しかし、空港職員としての就職を目指す人は、どちらかと言えば実際に空港で働く人を想定している人が多いためパイロットや客室乗務員などを除いた仕事別の年収を調査しました。
空港職員の平均年収
ここでは入国審査官・関税職員について国家公務員の俸給表から推察してみます。
◆入国審査官の平均年収
行政職俸給表(一)より役職を含めた平均月額は32万5827円、人事院勧告から賞与は年4.3ヶ月とします。
325827×16.3ヶ月=531万円
◆関税職員の平均年収
税務職俸給表より平均月額は35万6097円、賞与は年4.3ヶ月とします。
356097×16.3ヶ月=580万円
◆民間企業の平均年収
厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」より算出します。こちらは1000名以上の民間企業の役職者を含む全従業員の平均年収です。
580.3千円(きまって支給する現金給与額)×12ヶ月+1923.7千円(賞与他)=888万円
大企業かつパイロットの年収も含まれるため、公務員との年収差は大きくなります。
仕事別空港職員の年収
仕事別の空港職員の年収では、実際に空港に常駐して働いている人を対象に年収をご紹介します。今回ご紹介するのは以下の職種の年収です。
・航空管制官
・空港グランドスタッフ
・ディスパッチャー(航空機運航管理者)
・航空整備士
なお、情報元は厚生労働省が提供する職業情報提供サイトです。1000種類以上の職務の情報が提供されているので、空港職員以外にも興味のある方はアクセスをおすすめします。
航空管制官の平均年収は496.8万円
航空管制官の仕事は簡単に言うと、空港に離着陸する航空機の交通整理です。立体的に交差する航空機のコントロールは肉眼ではできないため、レーダーなどを使用するため特殊な技術も必要になります。
身分は国家公務員ですが、一般職ではなく航空管制官だけの採用試験があります。さらに採用後に航空保安大学校で8ヶ月就学する必要もあります。
空港グランドスタッフの平均年収は467.3万円
航空機を利用するときに最も接することが多いのが空港グランドスタッフです。搭乗手続きやゲートでの案内・誘導をしているのでおなじみの人も多いでしょう。
航空会社に勤務してから配属されるケースと、空港業務を行うグランドハンドリング会社から配属される場合もあります。いずれの場合も民間会社ですが、英会話ができると就職には有利です。
ディスパッチャー(航空機運航管理者)の平均年収は467.3万円
航空運航管理者とも呼ばれるディスパッチャーは、いわゆるフライトプランを作成する仕事です。
定期便であっても天候の違いや風向きなどで必要な燃料も毎回違います。それらを計算してパイロットに伝え、安全で効率的なフライトを助けるのがディスパッチャーです。一般的には航空会社に就職して、適性があると認められることでできる仕事です。
航空整備士の平均年収は525万円
航空整備士はその名のとおり航空機を整備する仕事です。航空機が整備不良で故障が発生すると、乗客の生命に関わる可能性が高いので責任のある仕事と言えます。理工系の大卒または専門学校の航空整備コース卒業を経由して航空会社に就職するパターンが多くなります。
必要な資格には航空整備士の国家資格があり、2級は入社前に取得可能です。しかし、1級は4年以上の実務経験が必要なので、入社後に取得する必要があります。他の仕事と比べて専門学校卒業者の比率が高い(約70%)特徴もあります。
空港職員の年収は平均年収より高め
国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査結果」によると、民間給与の平均給与(年収)は433万円でした。空港職員の仕事別年収と比較すると、平均年収よりも高いことがわかります。女性の比率が高いと思われる空港グランドスタッフでも、平均以上と高水準です。
全体的に一般事務職と比べると特殊な仕事が多いので、当然なのかもしれません。年収面では空港職員はおすすめの職業と言えます。
出典
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国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査結果」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部