老後に年金を20万円以上受け取れるのは、年収いくらから?
配信日: 2022.03.25
本記事では、老後に年金を月に20万円以上受け取れるのは、年収いくらからなのかを解説します。老後資金はいくらくらい必要なのかも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年金を20万円以上受け取れる年収は?
三井住友銀行の年金試算シミュレーションを使って、年金を月額20万円以上受け取れる年収を見ていきましょう。なお、今回のシミュレーションでは、年収以外の条件は統一しています。
35歳男性就業開始年齢:20歳
就業終了年齢:60歳
現在の年収:400~1000万円(100万円ずつ増やして試算)
老齢基礎年金額は、一律で6万4000円です。老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額は、(表1)のようになりました。
(表1)
年収 | 年金額 |
---|---|
400万円 | 14万4000円 |
500万円 | 16万4000円 |
600万円 | 18万4000円 |
700万円 | 19万8000円 |
800万円 | 19万8000円 |
900万円 | 19万8000円 |
1000万円 | 19万8000円 |
試算結果によると、年収700万円以上は年金額が19万8000円でした。
三井住友銀行の年金試算シミュレーションでは、20万円以上かどうかまで調べられませんでしたが、年収800万円以上の人は、年金20万円以上もらえるのではないかと推測できます。
老後資金はいくらくらい必要?
総務省「家計調査 家計収支編」の「(高齢者のいる世帯)世帯主の就業状態別1世帯当たり1か月間の収入と支出」より、1世帯あたりの1ヶ月の支出を見ていきましょう。
(表2)
世帯 | 消費支出 |
---|---|
2人以上の世帯 | 26万247円 |
2人以上の世帯の場合、1ヶ月あたりの消費支出額は26万247円です。仮に、年収400万円の人の場合、将来受け取れる年金額は14万4000円であり、専業主婦の妻がいれば、妻の分の老齢基礎年金額6万4000円を足して20万8000円になります。
2人の年金額を合計しても、1ヶ月の消費支出を差し引くと5万2247円の赤字となるため、老後資金はしっかりと貯めておく必要があるでしょう。
では、年収700万円で年金額19万8000円の場合だと金額はどれくらい変わるのでしょうか。
同じ条件で、専業主婦の妻がいたと仮定すると、19万8000円に6万4000円を足して26万2000円です。この場合も、赤字となり、生活はギリギリになると考えられます。
年金を受け取れる65歳から80歳までの15年間で、1ヶ月の消費支出が毎月27万7029円だった場合、年収400万円の人は1242万5220円、年収700万円の人は270万5220円がマイナスになります。
「老後2000万円問題」などと言われることもありますが、老後資金を余裕をもって貯めるのであれば、数百万円〜2000万円ほど準備しておくと安心でしょう。
老後資金を貯めるのにおすすめの制度
老後資金は、早くから準備しておくに越したことはありません。老後の生活を少しでも豊かにするためにも、今のうちに使える制度をチェックしておきましょう。
ここでは、財形貯蓄とiDeCoの2種類の制度を紹介します。名前は知っていても、どんな制度かよく分からないという人は、ぜひ参考にしてください。
財形貯蓄
財形貯蓄制度は、大きく分けて一般財形貯蓄・財形年金貯蓄・財形住宅貯蓄の3種類があります。財形貯蓄を始めるには、勤務先で財形貯蓄制度が導入されている必要があるため、職場の人事などに一度確認してみましょう。
財形貯蓄制度は、給与からの控除(天引き)なので、お金の管理が苦手な人でも安心して老後資金が貯められます。
iDeCo
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、月々5000円から始められる、私的年金制度の1つです。会社員の場合、条件によって月額1万2000円~2万3000円まで積み立てられます。
積立金額も運用する商品も、自分で決めることができるので、リスクを抑えながら運用したい人に向いています。
なお、勤務先で「企業型確定拠出年金」に加入している人は、iDeCoの利用はできません。ただし、「個人型同時加入」を認めている場合は加入できますので、一度確認してみるとよいでしょう。
1ヶ月あたり年金を20万円以上受け取れるのは年収800万円以上
会社員の場合、老後に受け取れる年金額は、老齢厚生年金で大きく変わってきます。1ヶ月あたりの年金額を20万円以上にしたい人は、年収800万円以上を目標に頑張ってみましょう。
ただし、総務省の家計調査(2021年11月)によると、1世帯あたりの1ヶ月の消費支出額は27万7029円であることを考えると、1ヶ月の年金額20万円のみだと、老後の生活が苦しくなる恐れがあります。今のうちにしっかりと老後への備えを考えておきましょう。
出典
総務省「家計調査 家計収支編(高齢者のいる世帯)世帯主の就業状態別1世帯当たり1か月間の収入と支出」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部