年収ごとの暮らしぶりを調査。1000万円越えでも贅沢できない?
配信日: 2022.03.26
ここでは、年収別に、手取り額や手取り率を比較するとともに、生活費、貯蓄額、負債額のデータもまとめました。数字をもとに年収別の暮らしぶりをイメージしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
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年収別の社会保険料・税金・手取り額の目安
1年間に稼いだ金額のうち、生活費や貯蓄、ローンの返済などに充てられるのは、税金や社会保険料を差し引いた手取りの部分だけです。図表1に、40歳未満の会社員を想定した、年収ごとの社会保険料や税金の金額と手取り額、年収に対する手取りの割合をまとめました。
図表1
年収 | 税金 (住民税+所得税) |
社会保険料 (健康保険+厚生年金保険+雇用保険) |
手取り年収 | 手取りの割合 |
---|---|---|---|---|
300万円 | 17万円 | 45万円 | 238万円 | 79.3% |
400万円 | 26万円 | 59万円 | 315万円 | 78.8% |
500万円 | 39万円 | 71万円 | 390万円 | 78.0% |
600万円 | 52万円 | 86万円 | 462万円 | 77.0% |
700万円 | 69万円 | 102万円 | 529万円 | 75.6% |
800万円 | 93万円 | 114万円 | 593万円 | 74.1% |
900万円 | 120万円 | 118万円 | 662万円 | 73.6% |
1000万円 | 148万円 | 123万円 | 729万円 | 72.9% |
※金額は概算です。実際には賞与、所得控除などの条件により異なります。
手取り額は年収のおおよそ8~7割強です。また、年収が上がるほど手取りの割合は下がる傾向にあります。例えば、年収600万円と1000万円では額面は400万円違いますが、手取り額は270万円ほどの差しかありません。そのため、年収が上がっても、額面でイメージするほどには暮らしぶりに余裕ができないことも考えられます。
年収別の平均生活費
総務省が実施した「2020年家計調査」によると、二人以上世帯の年収別の平均生活費は図表2のとおりです。
図表2
300万円 | 400万円 | 500万円 | 600万円 | 700万円 |
---|---|---|---|---|
257万9172円 (21万4931円) |
296万7276円 (24万7273円) |
315万3624円 (26万2802円) |
340万8480円 (28万4040円) |
366万9300円 (30万5775円) |
800万円 | 900万円 | 1000万円 | 1250万円 | 1500万円以上 |
385万1172円 (32万931円) |
428万1972円 (35万6831円) |
459万7164円 (38万3097円) |
510万1224円 (42万5102円) |
576万132円 (48万11円) |
()内は月額
年収が上がるほど、収入額に対する生活費の割合は下がる傾向です。図表1の手取り年収と比較すると、年収300万円、400万円ではほとんど余裕がなく、年収500万円あたりから徐々に家計にゆとりが生まれると推測されます。(※図表1は単身世帯を想定した数字のため、配偶者や子どもがいる場合、共働きの場合の手取り年収はもう少し高い可能性があります)
ただし、年収1000万円でも平均生活費は手取り額の6割以上にあたるため、手取りの2~3割を貯蓄に充てるとすると、それほど大きな余裕がない場合も多いでしょう。
年収別の平均貯蓄額・負債額
図表3は、「2020年 家計調査」の結果から世帯主が働いている世帯の、世帯年収別の貯蓄額と負債額を抜粋したものです。
図表3
年収 | 300万円 | 400万円 | 500万円 | 600万円 | 700万円 |
---|---|---|---|---|---|
貯蓄額 | 720万円 | 911万円 | 869万円 | 1209万円 | 1298万円 |
負債額 | 392万円 | 555万円 | 683万円 | 930万円 | 1007万円 |
年収 | 800万円 | 900万円 | 1000万円 | 1250万円 | 1500万円 |
貯蓄額 | 1501万円 | 1645万円 | 1945万円 | 2282万円 | 3739万円 |
負債額 | 1053万円 | 1043万円 | 1074万円 | 1064万円 | 1347万円 |
図表3は、「2020年 家計調査」の結果から世帯主が働いている世帯の、世帯年収別の平均貯蓄額と平均負債額を抜粋したものです。
年収が高いほど、貯蓄額が増加する傾向にあり、年収600万円以上ではどの年収帯でも平均貯蓄額が1000万円を超えています。ただし、この数字にはリタイアして退職金を受け取ったのちに再雇用や再就職で働くケースも含まれている可能性があるため、現役世代だけに絞ると、実際の貯蓄額はこれよりも少ないと推測できます。
負債額も同様に、年収にともなって増加する傾向です。どの年収帯でも、負債の大半を住宅ローンなど、住宅・土地のための借り入れが占めています。
年収1000万円でも使えるお金は意外と少ない
年収が上がるほど手取り年収も増え、生活費に充てる金額や、生活費を差し引いて残る金額は大きくなります。年収が高いほど、一般的には生活にゆとりが生まれると考えてよいでしょう。
ただし、年収が上がると、手取り額の割合が下がる傾向がある点には注意が必要です。1000万円を超える年収があっても、額面からイメージするほどの余裕がなく、それほどぜいたくはできないケースも多いでしょう。
出典
統計局ホームページ/家計調査(家計収支編)調査結果
(第2-3表 年間収入階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出)
統計局ホームページ/家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)
(第8-2表 年間収入階級別貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー