更新日: 2022.03.26 年収

児童扶養手当を満額もらうには年収いくらまでが条件?

児童扶養手当を満額もらうには年収いくらまでが条件?
児童扶養手当の受給を検討している人のなかには、満額もらうには所得制限をクリアする必要があることを、不安に思う人もいるでしょう。
 
児童扶養手当を満額受給できるかどうかは、年収だけでは判断できません。子どもの人数や年収から控除できる金額などの詳細な条件を当てはめて計算した金額が、所得制限上限額を下回る必要があります。
 
そこで今回は、児童扶養手当の概要や所得制限上限額の考え方、判定に用いる所得の計算方法、年収ベースで考える際の目安額などをまとめました。ご自身の年収をもとに、満額受給できるかどうか試算してみましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

児童扶養手当とは

 
児童扶養手当は、ひとり親家庭、もしくは父母のいずれかに一定程度の障害がある家庭を対象とする給付金です。当該家庭の生活の安定と自立の促進、児童の育成支援を主な目的としています。

児童扶養手当を受給できるのは、主な要件は以下の通りです。

●児童の年齢が18歳になって最初の3月31日までである(一定程度の障害がある児童は20歳未満である)
●離婚・婚姻外の妊娠、父母いずれかの死亡・生死不明によりひとり親の状態にある、もしくは父母のいずれかが監護義務放棄・障害・裁判所からのDV保護命令の状態にある
●児童を監護する父または母(養育者)または養育者と同一生計の扶養義務者の所得が限度額未満である
●父または母から引き続き1年以上遺棄されている児童
●父または母が法令により引き続き1年以上拘禁されている児童
●婚姻によらないで生まれた児童
など

また、次の場合には受給資格を失います。

●児童や受給者の住所が日本国内にない
●児童が児童福祉施設等に入所または里親に委託されている
●児童が父または母の配偶者(事実婚を含む)に養育されている、または父および母と生計を同じくしている
ただし、父または母が障害による受給を除く

 

児童扶養手当の所得制限限度額

 
児童扶養手当は、養育者や養育者と同一生計の扶養義務者の収入が所得制限限度額を超えていると、受給できなかったり金額がカットされたりします。児童の父または母が受給者の場合の扶養義務者等の前年の所得の限度額は、図表1のとおりです。
 
図表1

扶養親族等 全部支給 一部支給 請求者本人、配偶者
および扶養義務者
0人 49万円 192万円 236万円
1人 87万円 230万円 274万円
2人 125万円 268万円 312万円
3人 163万円 306万円 350万円
4人 201万円 344万円 388万円
5人 239万円 382万円 426万円

 
注意したいのは、表の金額は所得であって、年収ではない点です。所得とは年収から必要経費を差し引いた額を言います。
 
給与所得者の場合は源泉徴収票の給与所得控除後の金額欄、確定申告をしている人は確定申告書の所得金額の合計欄が、所得の金額です。ただし、養育費を受け取っている場合は、受取額の8割を所得に加算する必要があります。
 
また、所得額からは次のような項目を控除できます。

●定額の控除:全員一律8万円
●給与所得控除の引き下げ分:給与所得者のみ一律10万円(公的年金等所得がある場合も)
●特別障害控除:40万円
●障害者控除:27万円
●勤労学生控除:27万円
●配偶者特別控除:控除相当額
雑損・医療費・小規模企業掛金控除:控除相当額
申請者が養育者(児童の母または父を除き、児童を養育する者)の場合
●寡婦控除 27万円
●ひとり親控除 35万円

 

児童扶養手当の支給額

 
収入額が全部支給に該当する場合の、児童の人数ごとの支給月額は、次のとおりです(令和3年4月から)。

●1人目:4万3160円
●2人目:1万190円
●3人目以降:1人につき6110円

一部支給の場合は、次の式で算出した金額が支給されます。

■1人目

4万3150円-{(受給資格者の所得額-全部支給所得制限限度額)×0.0230559}

■2人目

1人目の支給月額+1万180円-{(受給資格者の所得額-全部支給所得制限限度額)×0.0035524}

■3人目以降

2人目までの支給月額+6100円-{(受給資格者の所得額-全部支給所得制限限度額)×0.0021259}

※金額および計算式は令和4年1月時点のものです。
 

児童扶養手当を満額もらえる年収は控除される内容などによって変わる

 
厚生労働省のWEBサイトを見ると、児童扶養手当を満額受給できる年収の目安は、160万円と記載されています。しかし、実際に年収いくらまで満額受給できるかは、子どもの人数や収入の種類、養育費の有無や金額、適用できる控除の項目など、さまざまな条件により異なります。
 
自分が受給対象なのか、また、満額受給できるかどうかを知りたいときは、市町村の窓口に問い合わせるとよいでしょう。
 
出典
厚生労働省 児童扶養手当について
新潟県ホームページ 児童扶養手当(母子家庭・父子家庭)
岡山市 児童扶養手当の所得制限と一部支給手当額の計算について
大津市 児童扶養手当額の算出方法について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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