更新日: 2022.03.25 年収

年収1000万円の片働き家族と年収1000万円の共働き家族。手取りが大きく違うって本当?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

年収1000万円の片働き家族と年収1000万円の共働き家族。手取りが大きく違うって本当?
「世帯年収1000万円」と聞くと、漠然と家計に余裕がありそうなイメージを抱く人が多いでしょう。しかし実は、同じ世帯年収1000万円の家庭でも、夫婦の働き方などによって手取り額が大きく異なる場合があります。
 
ここでは、片働き家庭と共働き家庭に分けて、世帯年収1000万円に対する手取り年収を比較します。世帯年収1000万円を目指す際に、夫婦でどのように働くのが最も手取りが多くなるのか、チェックしてみましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

年収1000万円の片働き家庭の手取り年収

夫のみが働いていて、世帯年収1000万円の家庭の手取り年収を試算してみましょう。条件を次のように設定します。
 

《条件》

・夫婦と16歳の子ども1人の家庭
・夫は40代の会社員
・賞与、社会保険料控除・基礎控除・配偶者控除・特定扶養控除以外の所得控除は考慮しない

 
このケースの税金や社会保険料の金額と、手取り年収は、おおよそ図表1のとおりです。
 
図表1

健康保険料+介護保険料 58万円
厚生年金保険料 71万円
雇用保険料 3万円
住民税 57万円
所得税 67万円
手取り年収 744万円

※金額は概算です
 
独身の場合や子どもがいない場合には、配偶者控除や特定扶養控除が適用されません。また、16歳以上23歳未満の子どもの数が多いほど、特定扶養控除の金額が大きくなります。

 

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年収1000万円の共働き家庭の手取り年収

共働きで世帯年収が1000万円の場合は、世帯の手取り年収はどのように変わるのでしょうか。次の3つのパターンについて試算してみましょう。
 

・妻が夫の扶養内(年収100万円)で働く場合
・夫婦がそれぞれ800万円と200万円稼ぐ場合
・夫婦がそれぞれ500万円ずつ稼ぐ場合

 
なお、条件は次のように設定します。
 

《条件》

・夫婦と16歳の子ども1人の家庭
・夫、妻ともに40代の会社員
・賞与、社会保険料控除・基礎控除・配偶者控除・特定扶養控除以外の所得控除は考慮しない

 

配偶者が世帯主の扶養内で働く場合

夫が年収900万円、妻が年収100万円を稼ぐ場合、夫の税金や社会保険料の金額と手取り年収は、おおよそ図表2のようになります。
 
図表2

健康保険料+介護保険料 52万円
厚生年金保険料 71万円
雇用保険料 3万円
住民税 48万円
所得税 48万円
手取り年収 678万円

※金額は概算です。
 
妻は扶養内かつ非課税の年収なので、100万円がそのまま手取りになります。(※住民税が非課税になる年収は、自治体によって異なる場合があります。また、実際には雇用保険料が発生しますが、少額のためここでは考慮しません。)
 
夫の678万円と妻の100万円を合計すると、この家庭の手取り年収は778万円です。片働き家庭の744万円と比べると、30万円も多いことになります。

 

世帯主:年収800万円・配偶者:年収200万円の場合

夫が800万円、妻が200万円稼ぐ世帯の、夫婦それぞれのおおよその税金、社会保険料、手取り年収は、図表3のとおりです。
 
図表3

健康保険料+介護保険料 47万円 12万円
厚生年金保険料 71万円 19万円
雇用保険料 2万円 1万円
住民税 42万円 6万円
所得税 37万円 3万円
手取り年収 601万円 159万円

※金額は概算です。
 
夫婦の手取り額を合計すると、世帯の手取り年収は760万円となります。これは、片働き世帯よりは16万円高いものの、妻が扶養内のケースを18万円下回る数字です。
 
このような結果になる理由として、配偶者控除が配偶者特別控除に変わって控除額が下がったこと、妻の収入から社会保険料と税金が引かれるようになったことなどが挙げられます。

 

夫婦がそれぞれ年収500万円の場合

夫婦が500万円ずつ稼ぐ場合、それぞれの手取り額は図表4のようになります。
 
図表4

健康保険料+介護保険料 29万円 29万円
厚生年金保険料 57万円 57万円
雇用保険料 2万円 2万円
住民税 20万円 23万円
所得税 9万円 12万円
手取り年収 383万円 377万円

※金額は概算です。
 
このケースでも、世帯の手取り年収は760万円となります。夫婦同じ年収なのに税額がそれぞれ異なるのは、子どもを扶養するほう(ここでは夫)に特定扶養控除が適用されるためです。

 

世帯年収が同じでも夫婦それぞれの年収によって手取り額は変わる

世帯年収が同じでも、夫婦それぞれの年収や子どもの数、適用できる所得控除の種類や金額などによって、手取り額が大きく異なる場合があります。
 
世帯年収から手取り額を試算するときには、家族一人ひとりの年収や家族構成、該当する所得控除などの条件を整理したうえで行いましょう。そうすることで、より実情により近い数字を導き出せます。

 
出典
国税庁 No.1191 配偶者控除
国税庁 No.1195 配偶者特別控除
国税庁 No.1800 パート収入はいくらまで所得税がかからないか
東京都主税局 税金の種類 個人住民税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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