更新日: 2022.03.28 年収
地方公務員の年収はなぜ違いがある? 賃金はどうやって決まるの?
そんな地方公務員の収入が、実は地域によって違いがあることをご存じでしょうか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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地方公務員の給与の決め方は?
地方公務員の給与は、給与法定主義に基づいて、報酬、給料、手当の額、ならびにその支給方法が条例で定められています。つまり、それぞれの自治体の条例によって金額が定められ支給されるので、自治体によって年収に違いが出るのです。
また条例で定める際に、国や他の地方自治体の職員の給与と比較をしたり、一般の民間企業の給与実態を調査したり、公務員の給与水準を民間の給与水準からかけ離れないように調整されています。ただし、一般行政職の地方公務員は、ほぼ年功序列で昇給されていくので、高年齢の職員の人数の比率が多い場合は、平均年収を算出すると金額が高額になってしまう傾向にあります。
年収の多い地域と少ない地域はいったいどこ?
市区町村別のランキングは、1位は神奈川県厚木市(739万円)、2位は東京都武蔵野市(737万円)、3位は東京都三鷹市(734万円)となっています。
県別のランキングの場合、1位は東京都(733万円)、2位は大阪府(704万円)、3位は神奈川県(701万円)となっており、やはり大都市の地方公務員の年収が高い傾向にあるといえます。ただし、県別ランキング4位は三重県、5位は徳島県と地方で人口の少ない県もランキング上位になっています。
年収の少ない市区町村別のランキングは、ワースト1位(1741位)東京都青ヶ島(392万円)、ワースト2位(1740位)山梨県小菅村(433万円)、ワースト3位(1739位)大分県姫島村(443万円)となっています。
県別のランキングの場合、ワースト1位(47位)は沖縄県(596万円)、ワースト2位(46位)は青森県(597万円)、ワースト3位(45位)は高知県(598万円)となっており、過疎化が進む地方都市がランキングの下位になる傾向があります。
いずれも、2020年の総務省発表の地方公務員(一般行政職員)の年収データより算出された平均年収額の、万円以下を切り捨てした金額となっています。
年収だけで判断してはいけない?地方公務員の年収の内訳と手取り額
地方公務員の年収とは、給料(一般でいう基本給)に職員手当とボーナスを足した額のことです。この職員手当には、扶養手当や住宅手当などの20を超える手当がありますが、その中の地域手当が、地方公務員の年収の違いに大きく影響を与えているといえます。
地域手当とは、勤務している地域によって支給される手当で、物価調整を目的として、生活費の格差を埋めるための手当です。物価の高い首都圏や大都会ほど地域手当は多く支給されているので、その分年収は高くなります。
ただし、地域手当が高いということは、日々の生活にかかるコストが高い地域であるということがいえるので、ほかの地域の地方公務員に比べて、大都市の地方公務員がいい生活をできているかというと、そうではないかもしれません。
そして年収は、税金や保険料が引かれる前の金額です。住民税などの地方税も、地域によって金額が異なりますので、もろもろを年収から差し引かれた金額が、手取り金額として手元に残ります。さらに、それぞれの地域で生活するためには、その地域の生活水準に合わせた生活費が必要となります。
年収は高いほうがいいけれど……
地方公務員の年収の違いを知ってみると、その金額の差に驚くこともありますが、ただ年収が高いというだけで判断するのは難しいかもしれません。年収が高い地域である理由が、地域手当である場合、生活コストの高い地域での生活では出費が多くかかります。逆に、年収の低い地域には地方都市が多くありますが、生活にかかる出費を少なく抑えることができる地域なのかもしれないからです。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部