更新日: 2022.03.28 年収
転職で気になる年収の変化。上がった人はどのくらい?
近年、入職者数と離職者数がどのように推移しているのかも確認しながら、転職者の年収の変化や増加した人の割合を紹介していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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令和2年の入職者と離職者の推移
令和2年分「雇用動向調査結果の概要」から、転職の影響で収入がどう変化していくのかを見ていきます。
まず、令和2年1年間の入職者と離職者の推移を見ていくと、常用労働者数 5109万5800人に対し、入職者数は 710万3400人、離職者数は 727万2100人で、離職者の方が 16万8700人上回っています。
就業形態別にみると、一般労働者は、入職者数 391万4400人、離職者数 392万8400人で離職者が増加、離職者が 1万4000人上回っています。パートタイム労働者は、入職者数 318万9000人、離職者数 334万3700人で、離職者が入職者を 15万4700人上回っていて、いずれの就業形態も労働者が減少している結果となりました。
年初の常用労働者数に対する割合である入職率、離職率をみると、令和2年の入職率は13.9%、離職率は14.2%です。実際に離職者の人数が多い結果となっているように、入職超過率は-0.3 ポイント、離職超過となりました。
前年と比べると、令和元年の入職率は16.7%、離職率は15.6%なので入職率が 2.8 ポイント減、離職率が 1.4 ポイント減となっていますので、令和2年は転職する人の流れが比較的穏やかな傾向となっています。
入職率が15.0%を割ったのは平成24年以来のことで、令和2年の13.9%は平成18年以降のデータでは最低の数値となりました。一方で離職率は入職率ほどの増減幅はありませんが、平成18年以降のデータを見ると令和2年の14.2%も、最も低い数値となっています。
性別にみると、男性の入職率が 12.2%、離職率が 12.8%となっていて離職超過しています。女性の入職率と離職率はともに 15.9%なので女性全体の労働者数としては大きな変動はありません。
女性の割合の方が大きいのは例年通りの傾向ですが、令和2年の15.9%は平成18年以降のデータでは過去最低、2番目に低い平成22年と平成23年の17.1%と比較しても差が大きく、前年、令和元年の20.0%からみると4.1%も低下しています。
就業形態別にみると、一般労働者の入職率は10.7%、毎年大きな変動は無いものの、平成18年以降のデータでは平成22年の10.9%を下回る過去最低の割合を記録、離職率も 10.7%と過去最低の割合となっています。入職率、離職率ともに10.7%なので一般労働者全体の人数には大きな変化はありません。
パートタイム労働者は入職率が 22.2%、離職率が 23.3%で離職超過となっています。パートタイム労働者の割合で離職者が入職者を上回るのは平成18年以降のデータでは初めてのことです。令和元年の入職率、離職率と比べてみると、どちらも減少しています。入職率は令和元年の29.2%から7.0%の減少、離職率は令和元年の26.4%から3.1%減少しています。
転職で収入金額が増加する人の割合
「付属統計表」から転職による収入金額の変動の傾向を見ていきます。
前職と同じ就業形態への転職した条件で、収入が変動した人の割合を見ていきます。『付属統計表4 転職入職者の賃金変動状況』の令和2年のデータによると、一般労働者の場合、増加した人が32.4%、減少した人が35.6%、変わらなかった人が30.9%でした。減少した人が若干多い傾向です。ちなみに増加した32.4%のうち、1割以上賃金増加した人は21.9%、1割未満だけど増加した人は10.5%でした。
パートタイム労働者の場合、増加した人が36.5%、減少した人が27.0%、変わらなかった人が36.4%でした。一般労働者の比率とは反対に、増加した人が多い傾向です。増加した36.5%のうち、1割以上賃金増加した人は23.8%、1割未満だけど増加した人は12.7%でした。
令和元年のデータでは、一般労働者で収入が増加した人は33.5%、パートタイム労働者で収入が増加した人の割合は33.6%でした。
転職したことで収入が増加する人は約3割
令和2年は離職者が入職者を上回り、労働者数は減少傾向でした。転職したことにより収入が増加した人は一般労働者、パートタイム労働者ともにおよそ3割強という結果でした。一般労働者では、収入が減少した人の割合の方がわずかですが上回っています。仕事に何を求めるかにも寄りますが、転職が必ずしも状況を好転させるとは限らないようです。今後の参考にお役立てください。
出典
厚生労働省「令和2年雇用動向調査結果の概要」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部