公務員の最高年収はどれくらい? 職種は?
配信日: 2022.03.29
しかしながら、そのようなイメージは職種によっては必ずしも正しくありません。公務員でも職種によっては一般企業以上に高給を得られるケースがあるのです。
ここでは、公務員の最高年収とそれが得られる職種について見ていくことにします。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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公務員とは?
まず、はじめに公務員というのは、国や地方自治体といった公的団体における業務に従事する労働者のことです。
通常は、官公庁や役所などで働いている人を公務員と呼ぶことが多いですが、国会議員や地方議会議員といった政治家も公務員に該当しますので、この点を頭に入れておくようにしましょう。
公務員には国家公務員と地方公務員の2種類があり、それぞれ一般職と特別職に分類されています。国家公務員が官公庁などに勤めて国の公務に従事するのに対し、地方公務員は都道府県や市区町村の役所などでその自治体の仕事に携わります。
通常の職員は一般職として処遇されるケースがほとんどですが、国家公務員の場合は国会議員や大臣、裁判官、防衛省職員などが、地方公務員の場合は知事や市町村長、助役などが、それぞれ特別職として扱われています。
公務員の給与はどのように決まるのか?
このように、一言で公務員といってもさまざまな職種があるわけですが、それらの給与はどのようにして決められているのでしょうか。実は給与の決まり方については地方公務員と国家公務員とで異なっています。
まず、地方公務員の場合は地方公務員法にのっとって各地方自治体が決定する仕組みになっています。職種や学歴、職務のグレードや職責といった、いくつかの項目を基に、他の自治体や民間企業の給与水準なども踏まえつつ算出されるのです。
なお、人事委員会が設けられている都道府県の場合には、委員会の勧告に基づく国の閣議決定を受けて給与が改定されます。これに対し、人事委員会がない市区町村などでは、国や都道府県の勧告を踏まえて給与改定が行われます。
一方、国家公務員の給与は国家公務員法にのっとって決められています。具体的には、人事院が毎年国家公務員や民間の給与についての調査を行い、官民の水準を比較したうえで勧告を行います。政府はその勧告を受けて方針を策定し、国会において最終的に法制化することで国家公務員の給与テーブルが決まるようになっているのです。
なお、特別職については、一般職とは異なり、「特別職の職員の給与に関する法律」に基づいて給与が決められるようになっています。
最も年収の高い公務員とは?
総務省や人事院が公表している各種資料を見れば、地方公務員や国家公務員の職種ごとの年収水準が分かります。
まず、地方公務員の一般職のなかで、最も年収が高いのは医療職であり、2019年時点における平均年収は約690万円となっています。この金額は賞与を除いたものですので、実際の年収はさらに高いはずです。
一方、国家公務員の一般職で最も多くの年収を得ているのは、官僚のトップといわれる事務次官や官房長などで、その平均年収は2021年時点で約1233万とされています。こちらも賞与を除いた金額ですので、実際の年収は民間の大手企業の管理職クラスと比較しても決して見劣りする水準ではありません。
次に、地方自治体の特別職で最も高い年収となっているのは、横浜市長が受け取っている約2699万円です。
これに対し、国家公務員の特別職の最高年収は、内閣総理大臣の4320万円となっています(いずれも2021年時点のもの)。確かに高給ではありますが、激務であることを考えるとそこまで多くもらっているとはいえないのではないでしょうか。
公務員でも職種によっては高額の年収を受け取れる
以上で見てきたように、公務員であっても職務や地位によっては1000万円を超えるような高給を得ることは可能です。特に、特別職のなかには、民間企業でもなかなか得られないような年収を得られる職種も存在しています。
もっとも、それらはいずれも簡単にはなれないものばかりであり、しかも激務であるケースがほとんどであるという点に注意する必要があります。
出典
総務省 平成31年地方公務員給与実態調査結果等の概要
人事院 令和3年国家公務員給与等実態調査の結果
内閣官房 給与・退職手当
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部