更新日: 2022.03.31 年収
日本国政府の法制を支える内閣法制局長官の年収はどのくらい?
ここでは内閣法制局長官を始めとした幹部職員の仕事や年収をご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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日本国政府の法制を支える内閣法制局の仕事
内閣法制局は内閣を直接補佐し、政府全体の法解釈を行う機関です。政府全体で法制度の整合性を取らなければ、制度の運用が省庁によってばらばらになってしまいます。
内閣法制局の業務は2つです。
●意見事務
●審査事務
〇意見事務
意見事務とは法令の解釈を行うことです。実際に制度が制定された後は各省庁が執行するため、法令上の運用も各省庁で行うことになります。しかし制度を執行する際に法令上の問題がある場合、各省庁の求めによって内閣法制局が問題についての意見を述べます。
法令上の問題がなければ新たな解釈として運用することになり、もし法令上の問題が生じているのであれば、法令改正が必要になります。また国会答弁の際に内閣法制局の職員が出て法令解釈の答弁をしている場面があります。これも意見事務に基づいて行われています。
〇審査事務
審査事務とは、各省庁によって作られた法律案すべてを審査することです。内閣が国会に提出する法律案は内閣の閣議決定によって提出され、その前段階として内閣法制局で審査を行っています。
内閣法制局幹部の年収
内閣法制局の幹部は、内閣法制局長官と次長、第1部長、第2部長、第3部長、第4部長、総務主幹、参事官です。国家公務員の月額給与は役職によって決まっています。
・内閣法制局幹部の月額給与
内閣法制局幹部の月額給与は次のとおりです。
役職 | 俸給表 | 俸給月額 |
---|---|---|
内閣法制局長官 | 特別職俸給 | 140万6000円 |
内閣法制局次長 | 指定職俸給第8号 | 117万5000円 |
内閣法制局第1部長 | 指定職俸給第6号 | 103万5000円 |
内閣法制局第2・3部長 | 指定職俸給第5号 | 96万5000円 |
内閣法制局第4部長 | 指定職俸給第4号 | 89万5000円 |
内閣法制局長官総務主幹 | 指定職俸給第3号 | 81万8000円 |
内閣法制局参事官 | 行政職(一)10級8号俸 | 54万1100円 |
・内閣法制局幹部の年収
内閣法制局長官を始めとして各幹部の年収をご紹介します。
●内閣法制局長官
内閣法制局長官は国家公務員の特別職に該当し内閣法制局全体を統括するとともに、内閣に対して法令の疑義がないかを助言をしたり、国会答弁の際にも政府の法令解釈を答弁したりするなどしています。同等の官職でいうと各省副大臣や内閣官房副長官、宮内庁長官がいます。
内閣法制局長官の年収を算出するために俸給月額と地域手当、期末手当に絞って算出します。俸給月額は140万6000円で、12ヶ月分が1687万2000円
地域手当はその地域の物価に応じた手当のことで、東京の場合俸給月額の20%分が支給されます。地域手当月額は28万1200円で、12ヶ月分が337万4400円
期末手当はいわゆるボーナスのことで、特別職の場合俸給月額の3.35ヶ月分が支給されます。ちなみに一般職の場合は4.3ヶ月分です。期末手当は471万100円で、夏と冬の2回として942万200円
合計が2966万6600円です。
●内閣法制局次長
内閣法制局次長は内閣法制局長官を補佐する役割です。
俸給月額:1410万円
地域手当:282万円
期末手当:1010万5000円
合計:2702万5000円
●内閣法制局第1部長
内閣法制局第1部は意見事務を担当しています。
俸給月額:1242万円
地域手当:248万4000円
期末手当:890万1000円
合計:2380万5000円
●内閣法制局第2・3部長
内閣法制局第2・3部は審査事務を担当しており、それぞれ担当する省庁が異なります。
俸給月額:1158万円
地域手当:231万6000円
期末手当:829万9000円
合計:2219万5000円
●内閣法制局第4部長
内閣法制局第4部は審査事務を担当しており、第2・3が担当している省庁と異なります。
俸給月額:1074万円
地域手当:214万8000円
期末手当:769万7000円
合計:2058万5000円
●内閣法制局長官総務主幹
内閣法制局長官総務室は内閣法制局内部の連絡調整や管理などを行います。
俸給月額:981万6000円
地域手当:196万3200円
期末手当:703万4800円
合計:1881万4000円
●内閣法制局参事官
参事官は内閣法制局の第1から4部の事務を担当します。
俸給月額:649万3200円
地域手当:129万8640円
期末手当:465万3460円
合計:1244万5300円
まとめ
内閣法制局長官は副大臣と同等の官職で年収が約3000万円でした。今回ご紹介した手当は一部で他にもさまざまあります。
日本人の平均年収が約400万円代なので、その7倍以上となるため多いと感じられるかもしれません。しかし国の法制を支える責任や誰でもなれる役職ではないことからこれくらいは必要なのかもしれません。
出典
特別職の職員の給与に関する法律
一般職の職員の給与に関する法律
国家公務員の給与(令和3年版)
令和3年人事院勧告・報告について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部