更新日: 2022.04.17 年収

年収額と仕事に対する満足度は比例する?しない? 就業状況と仕事についての本音とは

年収額と仕事に対する満足度は比例する?しない? 就業状況と仕事についての本音とは
年収が高ければ高いほど、仕事に対する満足度が上がる……というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。確かに、得られる報酬が多ければ多いほど、仕事に対する意欲もわくような気がしますよね。
 
そのバランスを探るべく、株式会社Agoora(本社:東京都杉並区)が運営する職業仕事のポータルサイト『ジョブ図鑑』が発表した、「就業状況と仕事に対する本音についてのアンケート調査報告」(※)をチェックしてみましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

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年収と仕事に対する満足度の関係は?

この調査は、2022年1月時点で就業をしている15歳~35歳以下の方300人を対象に行われたもの。まずはざっくりとした年収分布をみてみましょう。

【現在の年収はどれくらいですか?】

1位:201~300万円 22.33%
2位:301~400万円 22.00%
3位:401~500万円 18.33%

TOP3は上記のとおり。6割以上の人が201~500万円の範囲にとどまり、残りの2割弱が200万円以下、2割強が501万円以上という結果でした。では、全体の満足度はどうなっているのでしょうか。

【現在就業中の仕事に満足していますか?】

・満足している 46.33%
・満足していない 53.67%

満足していない人の方が過半数に達する結果に。なにかしら不満がある人の方が多いのですね。この満足度を年収別に分けてみると、以下のようになります。

【<年収別>現在就業中の仕事に対する満足度】
 
<100万円以下>
・満足している 29.2%
・満足していない 70.8%
 
<101~200万円>
・満足している 32.1%
・満足していない 67.9%
 
<201~300万円>
・満足している 38.8%
・満足していない 61.2%
 
<301~400万円>
・満足している 39.4%
・満足していない 60.6%
 
<401~500万円>
・満足している 61.8%
・満足していない 38.2%
 
<501~600万円>
・満足している 63.0%
・満足していない 37.0%
 
<601~700万円>
・満足している 84.6%
・満足していない 15.4%
 
<701~800万円>
・満足している 66.7%
・満足していない 33.3%
 
<801~900万円>
・満足している 50.0%
・満足していない 50.0%
 
<901~1000万円>
・満足している 20.0%
・満足していない 80.0%
 
<1001万円以上>
・満足している 50.0%
・満足していない 50.0%

601~700万円までは、年収が上がるにつれて、仕事に対する満足度もグングン上がっていくのが分かります。しかし、そこを境に満足度は下降。特に901~1000万円に関しては、最低の20.0%を記録しています。
 
ひょっとして年収701万円以上になると、年収に見合わないほど、仕事の内容が肉体的・精神的にハードなケースが増えるということなのでしょうか。この調査結果をみる限り、必ずしも年収が高ければ高いほど仕事に対する満足度が上がる、というわけではないということが分かりますね。
 

仕事に対する満足・不満の理由とは

では、仕事に対する満足・不満の理由とはどのようなものがあるのでしょうか。
 

【仕事に満足している理由】

・給与、ライフワークバランスに不満がないから(千葉県 男性 35歳)
・やりがいがあり、残業代がきちんと出るから(京都府 女性 29歳)
・福利厚生が充実しているから(北海道 女性 30歳)
・仕事は大変だが、人間関係がうまくいっているため。(東京都 女性 35歳)

 
一方で、満足していない理由については以下のとおり。
 

【仕事に満足していない理由】

・やり甲斐があまり感じられない。今後携わるであろう仕事に魅力を感じない(埼玉県 女性 30歳)
・職場の人間関係が悪く、仕事をしていても充実感がない。不安しかない。(沖縄県 男性 32歳)
・仕事量は多いが、賃金がすくない(神奈川県 男性 32歳)
・17年務めているが昇給、ボーナスが2、3回しかない(静岡県 男性 35歳)

 
やりがいや充実感がなく、仕事と給与のバランスが悪く、昇給・ボーナスも少ない。さらに人間関係がよくないといった理由が並びました。これでは毎日仕事に行くのもおっくうになってしまいそうですね。
 
ワークライフバランスが整っていて、仕事と給与の兼ね合いもよく、人間関係が良好。そのような働きやすい環境が、仕事の満足度を上げるために重要ということが伝わります。
 

男女別 就きたい職種・就きたくない職種ランキング

最後に、男女別の就きたい職種・就きたくない職種のTOP5をみてみましょう。

【支持を集めた職種5つ】

 
<男性>
1位:事務・管理 26人
2位:営業 19人
3位:専門職 18人
3位:その他 18人
5位:医療・福祉・介護 17人
 
<女性>
1位:事務・管理 63人
2位:医療・福祉・介護 36人
3位:教育・保育・公務員・農林水産 30人
4位:サービス・販売・外食 18人
4位:その他 18人

男女ともに1位は、事務・管理でした。コツコツやる系のデスクワークが人気のようです。特に女性においては圧倒的な人気を誇っています。一方で、就きたくないと思われている職種は以下のとおり。

【敬遠された職種5つ】

 
<男性>
1位:営業 49人
2位:医療・福祉・介護 43人
3位:建築・土木技術職 30人
4位:サービス・販売・外食 25人
5位:その他 23人
 
<女性>
1位:営業 80人
2位:ITエンジニア 39人
2位:技能工・設備・交通・運輸 39人
4位:建築・土木技術職 36人
5位:エンジニア(機械・電気など) 35人

男女ともに、就きたい職種よりも回答人数が集中しています。就きたくない職種の方が、同じものを挙げる人が多いということですね。
 
さて、どちらも1位は営業でした。男性の就きたい職種の2位に入っていた営業ですが、就きたくない職種ではなんと1位に。向き不向きがはっきりしている職種なのでしょうか。
 
女性人気の高かった医療・福祉・介護やサービス・販売・外食は、男性では敬遠される傾向に。建築・土木技術職などのいわゆる力仕事系は、男女ともに敬遠する人が多いことも分かりました。
 
ちなみに、「仕事選びにおいて重視することを教えてください(3つまで)」という質問については、1位が「給与・賞与」68.33%、2位が「仕事内容」50.67%、3位が「職場の雰囲気」28.0%でした。
 
当然といえば当然ですが、やはり仕事選びで大切なのは、「給与」と「仕事内容」のバランスということですね。自分に見合った仕事で妥当な年収を得ることで、仕事に対する満足度を上げていきたいものです。
 
出典
※株式会社Agoora「就業状況と仕事に対する本音についてのアンケート調査報告」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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