更新日: 2022.04.17 年収
年収額と仕事に対する満足度は比例する?しない? 就業状況と仕事についての本音とは
そのバランスを探るべく、株式会社Agoora(本社:東京都杉並区)が運営する職業仕事のポータルサイト『ジョブ図鑑』が発表した、「就業状況と仕事に対する本音についてのアンケート調査報告」(※)をチェックしてみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
年収と仕事に対する満足度の関係は?
この調査は、2022年1月時点で就業をしている15歳~35歳以下の方300人を対象に行われたもの。まずはざっくりとした年収分布をみてみましょう。
【現在の年収はどれくらいですか?】
1位:201~300万円 22.33%
2位:301~400万円 22.00%
3位:401~500万円 18.33%
TOP3は上記のとおり。6割以上の人が201~500万円の範囲にとどまり、残りの2割弱が200万円以下、2割強が501万円以上という結果でした。では、全体の満足度はどうなっているのでしょうか。
【現在就業中の仕事に満足していますか?】
・満足している 46.33%
・満足していない 53.67%
満足していない人の方が過半数に達する結果に。なにかしら不満がある人の方が多いのですね。この満足度を年収別に分けてみると、以下のようになります。
【<年収別>現在就業中の仕事に対する満足度】
<100万円以下>
・満足している 29.2%
・満足していない 70.8%
<101~200万円>
・満足している 32.1%
・満足していない 67.9%
<201~300万円>
・満足している 38.8%
・満足していない 61.2%
<301~400万円>
・満足している 39.4%
・満足していない 60.6%
<401~500万円>
・満足している 61.8%
・満足していない 38.2%
<501~600万円>
・満足している 63.0%
・満足していない 37.0%
<601~700万円>
・満足している 84.6%
・満足していない 15.4%
<701~800万円>
・満足している 66.7%
・満足していない 33.3%
<801~900万円>
・満足している 50.0%
・満足していない 50.0%
<901~1000万円>
・満足している 20.0%
・満足していない 80.0%
<1001万円以上>
・満足している 50.0%
・満足していない 50.0%
601~700万円までは、年収が上がるにつれて、仕事に対する満足度もグングン上がっていくのが分かります。しかし、そこを境に満足度は下降。特に901~1000万円に関しては、最低の20.0%を記録しています。
ひょっとして年収701万円以上になると、年収に見合わないほど、仕事の内容が肉体的・精神的にハードなケースが増えるということなのでしょうか。この調査結果をみる限り、必ずしも年収が高ければ高いほど仕事に対する満足度が上がる、というわけではないということが分かりますね。
仕事に対する満足・不満の理由とは
では、仕事に対する満足・不満の理由とはどのようなものがあるのでしょうか。
・給与、ライフワークバランスに不満がないから(千葉県 男性 35歳)
・やりがいがあり、残業代がきちんと出るから(京都府 女性 29歳)
・福利厚生が充実しているから(北海道 女性 30歳)
・仕事は大変だが、人間関係がうまくいっているため。(東京都 女性 35歳)
一方で、満足していない理由については以下のとおり。
・やり甲斐があまり感じられない。今後携わるであろう仕事に魅力を感じない(埼玉県 女性 30歳)
・職場の人間関係が悪く、仕事をしていても充実感がない。不安しかない。(沖縄県 男性 32歳)
・仕事量は多いが、賃金がすくない(神奈川県 男性 32歳)
・17年務めているが昇給、ボーナスが2、3回しかない(静岡県 男性 35歳)
やりがいや充実感がなく、仕事と給与のバランスが悪く、昇給・ボーナスも少ない。さらに人間関係がよくないといった理由が並びました。これでは毎日仕事に行くのもおっくうになってしまいそうですね。
ワークライフバランスが整っていて、仕事と給与の兼ね合いもよく、人間関係が良好。そのような働きやすい環境が、仕事の満足度を上げるために重要ということが伝わります。
男女別 就きたい職種・就きたくない職種ランキング
最後に、男女別の就きたい職種・就きたくない職種のTOP5をみてみましょう。
【支持を集めた職種5つ】
<男性>
1位:事務・管理 26人
2位:営業 19人
3位:専門職 18人
3位:その他 18人
5位:医療・福祉・介護 17人
<女性>
1位:事務・管理 63人
2位:医療・福祉・介護 36人
3位:教育・保育・公務員・農林水産 30人
4位:サービス・販売・外食 18人
4位:その他 18人
男女ともに1位は、事務・管理でした。コツコツやる系のデスクワークが人気のようです。特に女性においては圧倒的な人気を誇っています。一方で、就きたくないと思われている職種は以下のとおり。
【敬遠された職種5つ】
<男性>
1位:営業 49人
2位:医療・福祉・介護 43人
3位:建築・土木技術職 30人
4位:サービス・販売・外食 25人
5位:その他 23人
<女性>
1位:営業 80人
2位:ITエンジニア 39人
2位:技能工・設備・交通・運輸 39人
4位:建築・土木技術職 36人
5位:エンジニア(機械・電気など) 35人
男女ともに、就きたい職種よりも回答人数が集中しています。就きたくない職種の方が、同じものを挙げる人が多いということですね。
さて、どちらも1位は営業でした。男性の就きたい職種の2位に入っていた営業ですが、就きたくない職種ではなんと1位に。向き不向きがはっきりしている職種なのでしょうか。
女性人気の高かった医療・福祉・介護やサービス・販売・外食は、男性では敬遠される傾向に。建築・土木技術職などのいわゆる力仕事系は、男女ともに敬遠する人が多いことも分かりました。
ちなみに、「仕事選びにおいて重視することを教えてください(3つまで)」という質問については、1位が「給与・賞与」68.33%、2位が「仕事内容」50.67%、3位が「職場の雰囲気」28.0%でした。
当然といえば当然ですが、やはり仕事選びで大切なのは、「給与」と「仕事内容」のバランスということですね。自分に見合った仕事で妥当な年収を得ることで、仕事に対する満足度を上げていきたいものです。
出典
※株式会社Agoora「就業状況と仕事に対する本音についてのアンケート調査報告」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部