就職活動を行う人の中には、アフターコロナの時代に伸びる業界が何か気になる人もいるでしょう。ここでは、国税庁が発表した「民間給与実態統計調査結果」などを交えながら、これからの時代で伸びると考えられる業界を解説します。
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平均年収の高い業界トップ3
2020年の民間企業に勤める人の平均年収は437万円ですが、業種によって平均年収は異なります。平均年収が最も高いのは電気・ガス・熱供給・水道業で715万円です。
前年より100万円以上のダウンとなっていますが、1位となりました。2位が金融業・保険業で630万円でした。2019年から3万円の微増となっています。そして3位が情報通信業で前年比12万円増の611万円です。この3業種についてはコロナ禍前の2019年も順位は変わりません。
一方、新型コロナウイルス感染症の影響を直接受けた医療・福祉業界の平均年収は397万円と、前年よりも4万円低い結果となりました。事業所が従業員に支払った給与の総額は35兆4485億8200万円から27兆8603億4600万円と大幅ダウンになっています。
給与をもらった人の数も855万5142人から836万3153人と2.2%ほど減少しました。これは、国民の受診控えや利用自粛なども背景にあると考えられています。
平均年収トップ3の中で、コロナ禍で最も成長した業種は情報通信業です。業界全体で2020年に支払った給与総額は11兆5542億6300万円で、前年比3821億2000万円の増加となりました。
また、1000人以上や5000人以上と規模の大きい企業で働く人の数が4万人以上も増え、コロナ禍でも強い業種であることが分かりました。コロナの影響で在宅ワークやオンライン学習などの機会が増え、情報通信技術が生活に欠かせないインフラとなったことも関係しているでしょう。
アフターコロナの時代に成長が期待できるのはIT業界
アフターコロナの時代にあっても、IT業界は成長が期待されています。これからのIT業界に期待されているのは、人手不足の分野での活用です。
特に農業分野や医療・福祉など、生きるのに欠かせないけれども人手不足が生じている分野でのIT技術の活用は、人手不足によって生じる問題の解決につながるのではないかと期待されています。
エンターテインメント分野やSNS、インターネット広告などの分野も成長が見込まれます。特に「外出自粛」などの影響を受けて、動画配信や音楽配信などのサブスクリプションサービスは利用者数を順調に伸ばしていて、今後も利用者数が増えていくことが予想されます。
高速通信技術を利用したサービスが拡大すれば、アフターコロナの時代でもサービス利用者数が伸びていくでしょう。
IT業界に注目が集まる
新型コロナウイルス感染症は日本人のライフスタイルを大きく変えました。特に情報通信技術は、私たちの生活に欠かせないインフラとなったと言えるでしょう。IT技術は今後、少子高齢化の進む社会にあっても活用が期待されます。
また動画配信サービスや音楽配信サービスをサブスクリプションで楽しむ人も増え、エンターテインメント分野の伸びも期待されているのです。
出典
国税庁 民間給与実態統計調査結果(令和元年)p22
国税庁 民間給与実態統計調査結果(令和2年)p22
国税庁 民間給与実態統計調査(令和元年) 第2表給与所得者数・給与額・源泉徴収義務者数
国税庁 民間給与実態統計調査(令和2年) 第2表給与所得者数・給与額・源泉徴収義務者数
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部