更新日: 2022.05.06 年収

財務事務次官はどんなことをやっているのか? 仕事内容や年収を解説

執筆者 : 古田靖昭

財務事務次官はどんなことをやっているのか? 仕事内容や年収を解説
財務省は、「われら富士山、他は並びの山」といわれることがあります。
 
各省庁の中で、予算編成を行う役割を持つため、その影響力はほかの各省庁に及ぼすことが可能です。その財務省の中のトップは、財務事務次官です。
 
本記事では、財務事務次官の仕事や、役割、年収を紹介していきます。
古田靖昭

執筆者:古田靖昭(ふるた やすあき)

二級ファイナンシャルプランニング技能士

財務事務次官の仕事

財務省は、健全財政の確保や、適正で公平な課税の実現、国庫の管理、税関業務の適正な運営、通貨に対する信頼の維持、外国為替の安定を図ることが仕事です。
 
かつては大蔵省と呼ばれていたものの、2001年の中央省庁改編時に、大蔵省から財務省に改称されました。
 
大蔵省は、明治維新のさなかの1869年に創設され、所管する仕事や、組織体系などは変わってきたものの、現在まで一貫して存続しています。
 
ちなみ「大蔵」という名称は、律令制で設置された二官八省のうちの1つに「大蔵省」、さらにさかのぼるとヤマト王権時代に保有していた三蔵(みつくら)のうちの1つに「大蔵」とあることから、その名称の歴史は古くから存在していました。
 
財務省のトップは財務大臣になるものの、官僚の中のトップは財務事務次官です。
 
財務事務次官は、主計局長経験があることから予算編成などを掌握しており、業界の利益代表の側面を持つ政治家との調整を行うことがあります。
 
また健全財政を実現させるために、政治家に対して予算規模の縮小や、消費税などの増税の提言を行って影響力を行使します。
 
政策の実現は、政治家と財務事務次官などの官僚との力関係によって左右されることが多く、特に強い政治家の場合、その後の財務省人事や予算編成に影響力を与えられることがあります。
 
逆に強い財務事務次官の場合、時の政権にとって行いたくない政策の場合でも実現させてしまうこともあります。
 

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財務事務次官の年収

財務事務次官は国家公務員の指定職に該当し、各省の事務次官や警察庁長官、統合幕僚長などが同列の俸給です。
 
年収を算出するために俸給月額と地域手当、期末手当に絞って図表1で算出していきます。
 
図表1

月額 年額
指定職俸給第8号 117万5000円 1410万円
地域手当 ※1 23万5000円 282万円
期末手当 ※2 505万2500円
(半年に1回分で計算)
1010万5000円
(年に2回分で計算)

※2 期末手当はいわゆるボーナスのことで、一般職の場合俸給月額の4.3ヶ月分が支給されます。
 
財務事務次官の年収を計算すると、2702万5000円になります。
 

財務事務次官になる方法

財務事務次官は、就任の10年前の段階でほぼ決まっているといわれることがあります。その理由は、財務事務次官になるにあたって、経験すべき役職が大きく2つあるからです。
 
1つ目は、財務省主計局です。財務省の内部部局には、主計局のほか、主税局、理財局、国際局、関税局そして大臣官房があります。
 
例えば主税局に長くいる方であれば「主税畑」といわれたりします。つまり入省して、主計局の役職を長年やっている方がなりやすいといえます。
 
2つ目は、次のような役職です。

財務省主計局主計官(厚生労働第1係・第2係担当)
財務省大臣官房文書課長、総合政策課長、秘書課長
財務省主計局次長(末席、次席、主席)
財務省大臣官房総括審議官
財務省大臣官房長
財務省主計局長

まれに財務省大臣官房長からほかの局長を経由することや、経由せずそのまま財務事務次官になることもあります。
 
しかし、財務省の今までの歴史からいえば、主計局長に就任すれば、財務事務次官になれる確率は高くなります。
 
例外としては4例あるものの、政治家による直接的な介入は1例のみです。その4例を除けば、主計局長まで務めた方で財務事務次官になれなかった方がいないため、ほぼ確実に就任が可能です。
 
もしこれから財務事務次官を目指すのであれば、これまでの就任歴から、東京大学法学部を卒業することが望ましいでしょう。
 
さらに在学中か卒業後に、国家公務員総合職試験に合格した上で、財務省に入省する必要があります。
 
国家公務員総合職試験合格者で大卒者の場合の初任給は、月額23万2840円です。
 
財務省に入省して仕事をこなし、上記の役職などを経験していくことで、財務事務次官になれる可能性があるでしょう。
 

出典

e-Gov法令検索 一般職の職員の給与に関する法律
人事院 内閣官房内閣人事局 国家公務員の給与(令和3年版)
人事院 令和3年人事院勧告・報告について
 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士

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