【国家公務員】「刑務官」ってどんな仕事? 年収はいくら?
配信日: 2022.06.16
だからこそ、刑務所で働く刑務官がどのような仕事をしているのか、受刑者と関わる責任の重い仕事を担う刑務官は実際にどれくらいの収入をもらっているか、気になる人もいることでしょう。
そこで、この記事では、実態が見えにくい刑務官の仕事の内容や刑務官の年収を紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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刑務官の役割と仕事の内容
そもそも刑務官とは刑事施設で働く国家公務員で、受刑者の社会復帰をサポートし、再犯を防ぐ役割を担っています。刑事施設とは刑務所や少年刑務所、拘置所といった、法務省が管轄する施設です。
刑事裁判で実刑判決が確定すると収容される施設が刑務所や少年刑務所、判決が未確定で身柄を拘束する必要があると判断されると一時的に収容される施設が拘置所です。拘置所に収容されている人も、裁判が終わり、刑罰が確定すると刑務所に収容されます。
刑務官というと受刑者の監督や指導を行う人というイメージを持つ人も少なくありませんが、実際の仕事はさまざまです。刑務所や拘置所でも一般の企業と同じように役割分担が行われていて、所長の下にあらゆる部署や課が置かれています。
例えば、事務関連の仕事を担当するのが、庶務課や会計課などがある総務部です。一方、受刑者の監督や指導、悩みの相談などは処遇部が担当しています。
受刑者のルール違反などへの対応を行う警備担当職員や受刑者の手紙の検査などを行う外部交通担当職員、受刑者が生活する棟の夜間帯の巡回を行う夜勤担当職員なども、処遇部の配属です。
また、受刑者の診療など、医療や保健に関わる業務は准看護師の資格取得者が配属されている医務課が担っています。そのほかにも、教育部や分類審議室、国際対策室などさまざまな部署があり、刑務官の実際の仕事は多彩です。
刑務官の年収
刑務官は国家公務員であるため、給与は人事院による「国家公務員税務職俸給表」に従って決まります。「俸給」が会社でいう「給与」を意味し、基本給を表すものです。
そのため、国家公務員の年収は、俸給にボーナスや各種手当を足した金額となります。また、国家公務員の基本給を決める国家公務員税務職俸給表は職種によって複数に区分されていて、刑務官が該当するのは「公安職俸給表(一)」に記載されている金額です。
刑務官を含む国家公務員は、勤続年数に応じて基本給や役職があがる年功序列制度が採用されています。
ゆえに、仕事に就いた当初は一般企業と比べて収入が比較的安い傾向にありますが、長く働くほど増える仕組みです。ちなみに、人事院が公開する「令和3年国家公務員給与等実態調査」によると、調査年における刑務官を含む公安職俸給表(一)の月平均俸給額は32万29円です。
さらに、生活給としての期末手当と職務成績などに応じて支給される勤勉手当が139万5000円、1年のうちに支給される特別な給与やボーナスは5万8000円で、年収に換算した金額は約589万円となっています(平成30年調査)。
このほか、死刑を執行する作業またはこれを直接補助する作業に対し「死刑執行手当」が1回につき2万円、刑務官等が行う被収容者の刑務作業の監督等に対し「刑務作業監督等手当」が1日(1回)につき600円~1400円支給されます。
刑務官はやりがいや収入の安定が期待できる仕事!
刑務官の仕事は多岐にわたるため、さまざまな活躍の場があります。また、国家公務員であることから収入は安定していて、長く働くほど収入アップが期待できる仕事です。
重大な仕事である分、責任は重くなりますが、その分、やりがいも大きいため、興味がある人は目指してみてはいかがでしょうか。
出典
法務省 刑事施設(刑務所・少年刑務所・拘置所)
法務省 刑務官採用試験
人事院 国家公務員給与の実態
人事院 国家公務員の諸手当の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部