【こち亀】「両津勘吉」の年収は？巡査長ってどんな仕事をするの？

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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「こち亀（『こちら葛飾区亀有公園前派出所』）」の主人公「両さん」こと両津勘吉の肩書は、警視庁新葛飾署地域課所属の「巡査長」です。

彼は型破りなキャラクターで漫画のストーリーも現実離れしているためか、「こち亀」を読んでいるだけでは警察官の真の姿は伝わってきません。そこで、本記事では警察官になるまでの流れと階級制度の仕組みや、巡査長の仕事内容と年収などを紹介します。

執筆者：FINANCIAL FIELD編集部（ふぁいなんしゃるふぃーるどへんしゅうぶ）

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1 警察官になる方法とは？その流れを紹介
2 警察官の階級制度と巡査長の概要を紹介
3 巡査長になると昇給も期待できる

警察官になる方法とは？その流れを紹介

各都道府県の警察官（地方公務員）になるには、まず各都道府県の採用試験に合格する必要があります。採用後いきなり現場に配属されることはなく、まず新人職員の教養施設である警察学校に入校します。

そこで警察官に必要な知識、技能、体力などを身に付けて卒業した者だけが地域警察官として交番に配属されます。なお、本記事で紹介するのは、両津勘吉が卒業した警視庁管轄の警察学校に関する概要です。

・警察職員の採用試験とは

警視庁警察官職員の採用試験は、大学卒業程度（1類）と高校卒業程度（3類）に分けられています。令和4年度は1類の採用試験が3回、3類は2回行われます。試験は一般教養や論文などの筆記試験と面接や体力測定などで、合計1100人を採用する予定です。

・入校後の生活

警察学校は全寮制で、卒業までの期間は大卒が6ヶ月で高卒が10ヶ月です。授業は平日だけで、土・日・祝日は行われません。また、届け出ることで、休日の外出や外泊が許可されます。

・授業内容

警察学校では、教場というクラスに分かれ、法学、職務倫理などの一般教養、逮捕術や柔道・剣道、鑑識技術、拳銃操作法などの術科を講義や実習で学んでいきます。また、その合間に警察施設や裁判の見学、交番での実習やボランティア活動などが行われます。

警察官の階級制度と巡査長の概要を紹介

警察法第62条では、警察官の階級を巡査・巡査部長・警部補・警部・警視・警視正・警視長・警視監・警視総監の9つを規定しています。

試験と勤務成績や勤務年数によって1級ずつ昇任できますが、警視正より上は地方公務員にありながら「キャリア」と呼ばれる警察庁職員と同様の国家公務員扱いで俸給表が適用されます。

・警察官の階級制度の概要

都道府県の警察学校に入校した時点で全員、巡査からスタートします。その後の昇任には、試験や承認基準に該当する必要があります。

なお、受験資格を得るには大卒者で採用後2年程度、それ以外の人は採用後4年程度の勤務実績が必要です。国家公務員試験を合格して警察庁本庁に採用された職員に対しては警部補からスタートし、警察大学校の初任幹部科において4ヶ月間の基礎的教養が行われます。

・巡査長は正式な階級ではない

警察法第62条にその名称がないように、両さんの肩書である「巡査長」は法律に規定されてはいませんが、警視庁職員任用規程をはじめ各都道府県警の任用規定に巡査の真上の階級として定められています。

そのため、巡査として一定程度の所轄勤務実績があって成績が優良であれば、勤続2年程度で昇任できます。

・巡査長の仕事内容と年収とは

巡査長の仕事内容は巡査とほとんど変わりません。その上で、他の巡査の指導や勤務の調整をする役割が与えられています。

巡査長の給与は、各都道府県の議会が条例で規定します（地方公務員法第24条第5項）。両さんが所属する警視庁は東京都公安委員会（委員人事は都議会同意で都知事が任命）の管理下です。

そのため、警視庁職員の給与は都議会が条例で規定しています。都人事委員会の公安職給料表によると、各種手当を除いた巡査長の年収は、233万6400円〜449万4000円です。金額に開きがあるのは、年齢や実績によって給与の額が異なるためです。