「年間最大377万円」の収入格差!? 産業別の年収「ベスト3」と「ワースト3」はどこ?
配信日: 2022.07.06
人によって年収が異なるのは、個々の能力だけでなく産業ごとの収入の格差が影響しています。
執筆者:北川真大(きたがわ まさひろ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種
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産業ごとの収入の格差は最大年間377万円
厚生労働省の資料によると、毎月の平均賃金が最も低いのは「飲食サービス業等」の12万1000円、最も高いのは「電気・ガス業」の45万9000円です。
「飲食サービス業等」をはじめとしたサービス業と「卸売業・小売業」は、アルバイト勤務の人が多いため極端に低い金額になりますが、一般労働者の平均賃金で比較しても賃金格差は毎月15万円以上あります。ここに賞与(ボーナス)の格差も加わります。
産業ごとに平均年収(平均賃金×12+平均賞与)が高い産業ベスト3とワースト3で比べますと、表1の通りです。なお、極端に平均賃金が低いサービス業は一般労働者の平均賃金から計算します。
最も高い産業と低い産業の年収差は377万円です。
平均収入の低い産業は平均勤続年数も短い
収入格差だけでなく、勤続年数にも差があります。収入の低い3つの産業は、勤続年数も短いです。
・飲食サービス業等:9.8年
・生活関連サービス等:10.4年
・その他のサービス業:9.2年
収入が最も高い電気・ガス業の平均勤続年数は21.2年です。ほかの産業でもおおむね12年~15年前後の平均勤続年数があるため、上記3産業の平均勤続年数は短いといえます。
年功序列や終身雇用が変わっている状況はあるものの、年齢によって収入が高くなる傾向は変わっていません。勤続年数の短さは、一般論として経験が身に付きづらく、将来の収入にも影響する可能性があります。
やりたい仕事がある人も収入格差を考えよう
「職業選択の自由」は皆に等しく存在しますが、生活する以上、これだけの収入格差は注目せざるを得ないでしょう。やりたい仕事がとくにない人はもちろん、やりたい仕事がある人も、自分がやりたい仕事の平均収入を確認して損はありません。
やりたい仕事の平均年収が低い場合は、それを踏まえてもその仕事をやっていきたいか、再考する機会にしてはいかがでしょうか。
出典
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和4年4月分結果速報
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和4年2月分結果速報等
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和3年9月分結果速報等
厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況
執筆者:北川真大
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種