今回は、株式会社マイナビが正社員として働く20代~50代の男女の中で2021年に転職した人を対象として調査した「転職動向調査2022年版」をもとに、転職後の年収の変化や転職を決めた理由などを紹介します。
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転職によって年収が増えた人は約35%
株式会社マイナビの「転職動向調査2022年版(2021年実績)」(2022年1月調査)によれば、年収を50万円区切りにすると、前職・現在の職種ともに最も多い年収層は300万円~350万円でした。転職後の年収は、350万円~399万円、450~499万円、600万円~649万円がそれぞれ前職と比べて多くなっている傾向です。
年収が増えた人は35.6%、年収が下がった人は23.5%で、年収が増えた人の割合は過去4年間の中で最も多くなっています。50代男性は前職の収入が1000万円以上だった人が13.7%でしたが、転職後の収入が1000万円以上の人は7.7%にとどまっており、他の年代や性別と比べて際立って少なくなりました。
50代男性で年収が増えた人は27.4%だったのに対し、年収が減った人は36.8%と、他の年代と比べて年収が減った人が多い傾向です。年収が増えた職種はクリエイター・エンジニアが44.4%と最も多く、クリエイター・エンジニアで年収が減った人は12.8%と他の職種より少ない傾向が見られました。
年収が増えた人の中で「仕事の満足度が上がった人」が41.8%、「満足度が下がった人」が29.2%であるのに対し、年収が減った人の中で「仕事の満足度が上がった人」が21.7%、「満足度が下がった人」が31.9%でした。収入の増加は仕事の満足度につながるものの、収入が減っても約5人に1人は満足度が上がっているので、仕事の満足度は収入以外の面も大きく影響しているといえるでしょう。
転職を決めた理由は職場の人間関係と給与の低さが理由のトップ
株式会社マイナビの「転職動向調査2022年版(2021年実績)」(2022年1月調査)によれば、転職活動を始めることを決意した理由を複数回答で尋ねた結果、「仕事内容に不満があった」を選んだ人が最も多く、次いで「給与が低い」「職場の人間関係が悪い」の順となりました。
給与が低いことを理由に転職活動を決意した人は男女ともに50代では他の年代より少なくなっています。職場の人間関係が悪かったことを原因に挙げた人は、20代と40代女性で他の年代より顕著でした。
50代女性では会社倒産やリストラ・ハラスメントなど自発的ではない理由により転職活動を余儀なくされている人が22.9%と他の年代性別と比べて圧倒的に多いことも特徴的です。
転職活動を始めることにした理由を1つだけ選んでもらった結果では、「職場の人間関係が悪かった」が9.9%、「給与が低かった」を選んだ人が9.8%とほぼ同等で最も多い理由でした。給与が低かったことを理由に転職活動を決めた人は、前職と異なる業種・職種を希望する人が多く、給与アップを目指して仕事内容を変えることを希望する人が多いことが見て取れます。
転職の満足度は収入が増えること以外にさまざまな要因も影響する
転職を決意する理由にはさまざまなものがありますが、職場の人間関係の悪さや収入の低さを挙げる人が多く見られました。収入の低さに悩む人は、業種や職種を変えることも視野に入れて転職活動をする人が多い傾向です。転職して収入が増えた人は約35%と割合から見るとそれほど高いわけではありません。
しかし、51.4%の人が転職に満足していることから、転職の満足度は収入以外の面も大きく影響しているといえるでしょう。
出典
株式会社マイナビ 転職動向調査2022年版(2021年実績)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部