更新日: 2022.08.26 年収

年収と手取りはどのくらい違う?いまさら聞けない給与天引きについて解説

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

年収と手取りはどのくらい違う?いまさら聞けない給与天引きについて解説
突然ですが、もしも年収600万円だとしても、年収を12で割った額として毎月50万円が振り込まれるわけではありません。
 
年収と手取り額が違うのはなぜでしょうか。また、年収による手取り額との差はどのくらいあるものなのでしょうか。
 
今回は、いまさら聞けない年収と手取り額の違いや、給与天引きの種類について解説します。
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年収とは会社が支払った給与額

年収とは、勤務先の会社が会社員に対して支払った1年分の給与のことをいいます。
 
年収は、毎年年末にもらう源泉徴収票の「支払金額」の欄に記載されている金額で確認することができます。この支払金額は基本給のことだけを指しているのではなく、家族手当、資格手当などの各種手当やボーナスなど、会社から支払われたすべてのお金を足した金額です。
 
【図表1】

図表1

 
出典 国税庁 [手続名]給与所得の源泉徴収票(同合計表)(一部を引用)
 

個人事業主の年収は利益のこと

ちなみに個人事業主の年収とは、売り上げから仕入や経費を差し引いた利益部分のことをいいます。
 
会社員の年収は、会社から支払われる給与のことを指しているため、個人事業主の場合には売り上げが年収に当たるのかと思いがちです。
 
しかし、個人事業主の売り上げには仕入や経費なども含まれていることから、会社員の年収とは意味合いが異なるため注意しましょう。
 

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給与から天引きされる金額

初任給をもらった時、「手取りって意外と少ないんだな」と思った人も多いのではないでしょうか。
 
年収と手取り額に差がある理由は、次の金額が天引きされているからです。会社によっては、財形貯蓄や社宅費なども天引きされる場合がありますが、イレギュラーなケースになるため今回の解説では省きます。
 
社会保険料は労使折半となっているため、天引きされている金額は半額です。残りの半額は会社が負担しています。強制的に徴収される金額ですが、自身の生活や将来のために使われるお金であることを知っておきましょう。
 

厚生年金保険料

将来の年金を給与天引きによって支払っています。2022年8月現在の保険料率は9.15%となっており、給与天引き額の中で最も大きな金額となっています。
 

健康保険料

健康保険料を支払うことで、医療費の負担が抑えられる仕組みになっています。保険料率は都道府県や保険組合によって異なりますが約5%です。
 

介護保険料

40歳以上64歳以下の人は、健康保険料に合わせて介護保険料を支払わなければなりません。保険料率は約1%です。
 

雇用保険料

雇用保険は、失業時に受け取ることができる失業保険が代表的な制度です。保険料率は低く、一般の事業であれば労働者負担分は0.3%(令和4年10月から0.5%)となっています。
 

源泉所得税・住民税

上記の社会保険料の他には、源泉所得税と住民税があります。「源泉所得税」はその年の所得税を概算で天引きされ、「年末調整」で精算されます。これに対して住民税は前年分を翌年に支払う形となっています。所得税はその年分、住民税は前年分が天引きされているということです。
 

手取りは年収の75~85%

給与天引き額は、給与額や家族構成などによって変動するため、一概に年収○○○万円の手取りは△△△万円と決まっていません。目安としては年収の75~85%になるといわれていることから、年収に75~85%を乗じることで、ざっくりとした手取り額を知ることができます。
 
【図表2】

年収 手取り
200万円 150~170万円
300万円 225~255万円
400万円 300~340万円
500万円 375~425万円
600万円 450~510万円
700万円 525~595万円
800万円 600~680万円
900万円 675~765万円
1000万円 750~850万円
2000万円 1500~1700万円
3000万円 2250~2550万円

筆者作成
 

社会人1年目は手取りが多いのはどうして?

「社会人1年目は手取りが多い」という話を聞いたことがあるでしょうか。それは住民税が関係しています。
 
上で解説した通り、住民税は前年分が翌年の給与から天引きされます。よって、1年目には前年分の住民税の天引きがないため、手取りが多くなるのです。住民税の金額はその人の状況や市区町村によって異なりますが、年収400万円で月1万5000円程度です。手取り1万5000円の差は大きな違いです。
 
なお、2年目は1年目より手取りが下がる可能性が高いため覚悟しておきましょう。新年度を迎えて昇給に喜んだのもつかの間、5月か6月には昇給額を上回る住民税が届く可能性が高いからです。「1年目の手取り+昇給-住民税」となるため、2年目の方が手取りが少なくなってしまいます。
 

まとめ

年収から給与天引き額を差し引いた残額が手取りになります。年収1000万円と聞くと毎月約80万円と、多くの金額が入ってくるように感じますが、手取りは60万程であることが分かりました。月20万円近い税金と社会保険料を支払っているのですね。
 
「手取りしか興味がない」、「給与明細を見たことがない」という人は、まずは自身の年収と給与天引き額を見てみましょう。給与の仕組みを正しく理解することは、計画的な人生を進めるためのスタートになります。
 

出典

国税庁 [手続名]給与所得の源泉徴収票(同合計表)
全国健康保険協会 令和4年度保険料額表(令和4年3月分から)
厚生労働省 雇用保険料率について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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