【残業でヘトヘト…】実際「年収の多さ」と「残業時間の多さ」は比例する?
配信日: 2022.08.29
基本的に残業時間が多くなればその分だけ残業代が支給され、年収も高くなることが想定されます。
しかし、実際のところはどうなのでしょうか。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
年収と残業時間の関係性は?
オープンワーク株式会社が実施した上場企業を対象とした「上場企業の時給ランキング2022」によると、時給の高い企業上位30社における年収は972万円から2688万円、残業時間は10.3時間から94.3時間と、会社によって年収と残業時間にばらつきがありました。
【図表1】
出典:オープンワーク株式会社 「上場企業の時給ランキング2022」を発表しました(働きがい研究所 調査レポート Vol.98)
今回の調査内で、年収が2688万円と1番高いM&Aキャピタルパートナーズ株式会社においては、残業時間も94.3時間と最も多くなっていました。しかし、年収が1708万円と2番目に高いヒューリック株式会社においては、残業時間はわずか20時間と2番目に少なくなっています。
その他の企業を見ても、年収が高い企業においては残業時間も多いかといえば、必ずしもそうではありません。残業時間が40時間超と多めであるものの、20時間台や30時間前半の会社より年収が少ない企業も多くあります。
もちろん業種や職種による違いはあるかと思われますが、単に年収と残業時間という大きなくくりで見た場合、一概に年収が多いほど残業時間も多いとは限らないようです。
給与形態などによっては、年収と残業時間が比例することもある
勤務先の給与形態や職種などによっては、年収と残業時間が比例することもあり得ます。
例えば、中小企業の事務職で、役職給やインセンティブがない場合などです。この場合は残業をすれば残業代が支給され、残業をしなければ基本給のみというように、年収の多さと残業時間の多さが比例することもあります。
残業で疲れたときはどうすればいい?
年収は上げたい、だけど毎日残業続きでヘトヘト、というような場合、残業代に頼らず年収を上げるためには正しい選択をすることが必要です。残業時間が多いわりに年収と釣り合っていない状態では、何かしらの娯楽などでストレスを解消しても、それは一過性であり根本的な解決にはなり得ません。
残業時間と年収のバランスが取れていて多少なりとも満足できている状況であればともかく、年収に比して残業時間が多く働き方に疑問を感じている場合、状況に応じた解決策を模索し実行する必要があります。
転職する
先に見たとおり、年収と残業時間は必ずしも比例しません。大手や効率化の図られている会社では、高い年収にもかかわらず残業時間が少ない場合もあります。
また、成果さえ出せば大きく昇給したりインセンティブが支給されたりするなど年収が大きく上がる会社もあります(そもそもですが、年収と残業時間が比例する会社においては、残業代ありきの給与形態となっていることも少なくありません)。
転職が可能であれば、年収は高く残業時間は少ない企業を選びたいものです。
残業を断る、業務効率化を図る
転職は難しいが残業時間を減らしたいという場合、収入の減少覚悟で残業を断ることや業務効率化を図ることなども有効です。
特に業務効率化は、職場環境にもよりますが、昇給への期待や転職時のスキルとしてアピールできるなどのメリットがあり、残業時間が少なくなることで一時的には収入が減っても、長期的に見ると年収が高くなる可能性もあります。
独立する
思い切って独立してしまうというのも手です。今現在のスキルなどによっては、収入は据え置きで労働時間を減らすことや、うまくいけば収入を高めつつ労働時間を減らすこともできるかもしれません。
年収の多さと残業時間の多さは必ずしも比例しない
会社の規模や業種、職種などにより事情は異なるものの、年収が多ければ残業時間も多いというわけではありません。おそらく、今回見た企業よりはるかに多くの残業をこなしているにもかかわらず、年収はずっと低いという方もいらっしゃることでしょう。
年収と残業時間は必ずしも比例しません。もし、残業でヘトヘトに疲れているのに年収と残業時間のバランスには満足していないのであれば、だまだまし働き続けるより、転職や独立、今の職場で業務効率化を図るなど、根本的な解決策を講じてみてはいかがでしょうか。
出典
オープンワーク株式会社 上場企業の時給ランキング2022
オープンワーク株式会社 「上場企業の時給ランキング2022」を発表しました(働きがい研究所 調査レポート Vol.98)
執筆者:柘植輝
行政書士