更新日: 2022.08.31 年収
年収200万円の生活レベルはどのくらい? 家計状況を踏まえて解説
本記事で手取りや固定費を基に可処分所得を確認して、生活の実態を確認していきましょう。
執筆者:川辺拓也(かわべ たくや)
2級ファイナンシャルプランナー
年収200万円の手取りをシミュレーション
年収200万円の手取りは、毎月どのくらいになるのでしょうか。45歳未満の会社員で独身のケースを例に、手取り額を確認しましょう。
年収200万円を月収に換算すると、約16万6000円です。額面の収入から、社会保険料と所得にかかる税金を差し引きます。主な社会保険料は給与所得者の場合、健康保険と厚生年金保険を合わせて約2万4000円です。
図表1
出典:全国健康保険協会 令和4年度保険料額表(令和4年3月分から)被保険者の方の健康保険料額(令和4年3月~) 東京より筆者作成
月収から社会保険料を引くと、税額控除前の所得となります。
月収ー社会保険料=税額控除前所得
16万6000円ー2万4000円=14万2000円
社会保険料を控除した後の所得額が14万2000円の場合、所得税として毎月2740円が源泉徴収されます。住民税は原則、所得から計算される所得割と、居住していると課税される均等割で構成されます。
年収から給与所得控除額と基礎控除額を引いた額の10%が所得割の住民税になります。均等割と合わせると、月単位で住民税は約7800円です。
所得税と住民税で毎月約1万円が必要になるので、年収200万円の手取りは毎月13万2000円ほどで、額面年収の約80%になります。
家賃や光熱費を引くと使える資金は約6万円
年収200万円の手取り月額は約13万円ですが、家賃や光熱費を考慮すると自由に使えるお金はいくらになるのでしょうか。家賃や光熱費を確認した上で自由に使える費用を解説します。
家賃相場は全国平均で約5万円
賃貸住宅の家賃は全国平均で約5万円ですが、地方や大都市によって幅があります。東京都では約7万円であるのに対して、鳥取県では約4万円と3万円以上も差が生じているのが現状です。
図表2
出典:全国賃貸管理ビジネス協会 全国家賃動向 2022年6月調査より筆者作成
約13万円の手取り収入から、約5万円の家賃を除くと手元に残る資金は約8万円になります。
食費や水道光熱費は勤労単身世帯で約5万円
総務省の家計調査によると、食費と水道光熱費の支出は図表3にある通り、約5万円になると発表しています。
図表3
出典:総務省 家計調査 家計収支編 2022年1~3月期 1世帯当たり1か月間の収入と支出より筆者作成
支出の約5万円を手元に残った約8万円から引いた場合は約3万円になります。日単位で使用できる金額は1日当たり約1000円という計算になります。統計通りの支出であれば、レジャーや貯蓄に回せる余裕はないといえるでしょう。
電気料金や食料品が値上がりしている状況から、さらに支出を切り詰めていかないと生活できないといえます。
年収200万円の人に限らず支出の見直しは必ずやっておきましょう
年収200万円の生活レベルは、余裕のある生活ができるとはいえない結果になりました。統計では食費や水道光熱費の合計は約5万円とされていますが、約13万円の手取りでは必要のない支出を抑えないと貯蓄やレジャー費にお金を回せません。
年収200万円の人に限らず、電気代や食料品の値上げが家計に影響を及ぼしています。家計の状況を見直して、必要のない支出を減らすことが重要です。
出典
国税庁 令和2年分 民間給与実態統計調査
全国健康保険協会 令和4年度保険料額表(令和4年3月分から)
国税庁 令和4年分 源泉徴収税額表
全国賃貸管理ビジネス協会 全国家賃動向 2022年6月調査
e-Stat 政府統計の総合窓口 総務省 家計調査
執筆者:川辺拓也
2級ファイナンシャルプランナー