想定年収に残業は含まれる? 想定年収の意味を解説

配信日: 2022.09.06

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想定年収に残業は含まれる? 想定年収の意味を解説
転職経験がある人であれば、求人サイトで「想定年収」という用語を見たことがあるかもしれません。想定年収とは文字通り、入社後に想定される年収を指します。
 
誰でも、より高い給与を受け取れる会社で働きたいと考えることは当然であり、転職活動において給与は重要な比較項目となっています。
 
しかし、想定年収が実際の年収を反映したものなのか、不安に思う人もいるでしょう。例えば、残業代は個人の残業時間によって異なりますが、想定年収に含まれているのでしょうか?
 
想定年収と残業代の関係は、受け取れる給与に直接関係するので、転職活動をするときに必ず知っておきたいポイントです。

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想定年収に残業は含まれない

結論からいえば、想定年収に残業代は含まれていません。
 
想定年収とは、転職者向けに求人サイトに掲載する年収の一例で、「通勤交通費と残業代を除くすべての手当を含む月額給与12ヶ月分とボーナスの合計金額」です。
 
想定年収に含まれているものと含まれていないものは以下のとおりです。
 

■想定年収に含まれていないもの

●通勤交通費
●残業代

 

■想定年収に含まれている

●月額給与
●ボーナス
●各種手当(住宅手当、家族手当など)

 
交通費や残業代は個人によって水準が異なるので、一概にモデルケースを示すことができません。
 
一方で、月額給与は契約時に決まっており、ボーナスは、同じ入社年次では大きく乖離(かいり)しないことが多いでしょう。
 
しかし、想定年収の掲載方法に規則はなく、転職者にアピールするために、求人サイトでは残業代を含んだ年収を掲載することもあります。
 

例外:想定年収に残業が含まれる場合

原則として、想定年収に残業代は含まれていません。しかし、以下の場合には想定年収に残業代が含まれることもあります。
 

●想定年収を高く見せたい
●残業代がみなし残業代

 
人手不足に悩む会社であれば、「少しでも想定年収を高くみせたい」と思うでしょう。
 
求人サイトで転職者が最も重視するポイントの一つが年収であり、競合他社よりも想定年収が低いと、魅力が薄くなってしまいます。残業代を想定年収に含めることで、想定年収を高くみせることができます。
 
「違法なのでは?」と思われるかもしれませんが、想定年収に明確な定義はありません。求人情報を記載する会社側に裁量が許されており、少しでも想定年収を高くみせるために、残業代を想定年収に含めることは問題ありません。
 
また、みなし残業代の場合、残業代が想定年収に含まれていることがほとんどです。原則として残業代が想定年収に含まれないのは、残業代が変動するため、モデルとなる年収の計算が難しいからです。
 
みなし残業代とは、社員の正確な残業時間を把握できないときに、合計の労働時間に関係なく、月額給与に残業代を含める制度。営業職などに適用されることがあります。
 
みなし残業代であれば、月額給与と同じく想定することができるので、想定年収に含まれていることが多いです。
 
なお、みなし残業代を採用している会社の場合、残業時間が月20時間なのか、50時間なのかによって時給が変動します。
 
ちなみに、みなし残業代を採用している会社では、みなし制度に依存し、社員の実際の労働時間を管理できていないことがあります。このような場合、想定される残業時間と実際の残業時間に大きな差が生まれ、未払い残業代が発生することもあるようです。
 

想定年収は実際の年収を反映している?

原則として、想定年収に残業代が含まれていないことを説明しました。一方で、みなし残業代は想定年収に含まれています。
 
それでは、想定年収は実際の年収を反映しているのでしょうか? 求人サイトに掲載されている想定年収を実際に受け取ることができるのでしょうか?
 

想定年収と実際の年収は異なることが多い

想定年収と実際に受け取る年収は、異なることが多いようです。想定年収はあくまでもモデルケースであり、すべての社員に当てはまる年収ではありません。
 
想定年収と実際の年収が異なる理由は以下のとおりです。
 

●成績がよくボーナス支給額の大きい一部の社員の年収を提示している
●会社の業績がよくボーナス支給額が大きかった年の年収を提示している
●ボーナスの割合が大きく、年収の変動幅が大きい
●会社の採用条件を満たしていないが、一部の能力や熱意が評価されて採用された場合に、会社が提示した想定年収にふさわしい能力や経験年数を満たしていない

 
これらの理由によって、「想定年収500万円」と求人サイトに掲載されていても、実際に提示された年収が400万円になることもあるのです。
 

手取りはさらに少なくなる

想定年収は文字通り、想定される「年収」を示しています。「年収」とは、所得税や住民性、社会保険料などが差し引かれる前の総支給額です。実際に受け取る手取りは年収より少なくなります。
 
したがって、想定年収 > 実際の年収 > 手取り、となるため、求人サイトに掲載されている想定年収が支給されると思わない方がいいでしょう。
 

転職のときには何と答える?

原則として、想定年収に残業代は含みません。それでは、転職の面接で希望年収について質問されたら、何と答えるのがいいのでしょうか?
 
面接では、残業代を含めた希望年収を答えるべきです。多くの会社では、転職面接で労働者に支給する総額を知りたいと思って聞いています。
 

まとめ

この記事では、想定年収に残業代は含まれるのかという質問に回答しました。基本的に想定年収に残業代は含まれません。想定年収とは、すべての手当を含む月額給与12ヶ月分とボーナスの合計金額を指すからです。
 
実際の年収は残業代などを含んだ金額になりますが、それでも、実際に受け取る年収と想定年収に乖離が生じることに注意しましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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