更新日: 2022.09.16 年収

「刀鍛冶」が一人前になるまでどのくらいの修業が必要?なり方や年収を解説

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「刀鍛冶」が一人前になるまでどのくらいの修業が必要?なり方や年収を解説
映画やドラマ、漫画にゲームなどの影響もあり、「日本刀」の魅力に引かれる人は世代や国籍を問わず増えています。日本刀がなければ、サムライやニンジャが登場するコンテンツ、そこから派生した剣道などのスポーツ、金工技術や装飾技術の発展もなかったといえます。
 
とりわけ刀鍛冶の中でも「日本刀名匠」は、文化庁後援の展覧会での成績などが優秀な職人に与えられる称号です。
 
この記事では、日本の誇る日本刀の職人、刀鍛冶について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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刀鍛冶になるためには4年以上の修業が必要

一般的には、親方の下で修業をして、「一人前」と認められたら刀鍛冶として働けるようになるという徒弟制度のイメージを持たれているようです。
 
しかし、日本刀の古来より伝わる刀剣製作技術の研究開発や、新作刀剣の普及を図っている「全日本刀匠会」では入門志望者を対象とした「美術刀剣作刀技術実地研修会」を定期的に開催し、後進育成に努めています。
 

・刀鍛冶職人になるには

刀鍛冶として働くには、刀鍛冶職人の下で5年間の修業を積み、さらに前出の研修会を受講する必要があります。
 
研修を受ける前にまずは弟子入りですが、美術刀剣作刀技術実地研修会で「体験入門」に参加した上で、入門先の紹介を受けて面接・交渉となります。受け入れは面接した親方次第であるため、弟子入りすること自体が困難です。
 
また、給料がもらえないケースが多く、空き時間にアルバイトなどをして自分の生活基盤も整える必要があります。そのため、修業期間は労働ではなく、「学びの時間」と捉えないと、厳しい生活に臨めないでしょう。火を扱うため危険も伴います。
 
修業4年目以降は「研修会」を受講することができます。研修内容は作刀一般の技術・知識で、基礎的な技量がないと修了は困難で、研修という名ですがほぼ「実地試験」の役割を果たしています。例年、5月と11月に開催されることが多く、開催1ヶ月ほど前にウェブサイトやSNSで告知されます。
 
以上を整理すると、

「研修会(体験入門)」→「弟子入り・修業」→「研修会(実地試験)」→刀鍛冶職人

となります。
 
なお、2022年の研修会は10月21~23日に、岡山県瀬戸内市の備前長船刀剣博物館付属鍛刀場で開かれる予定で、9月29日が申し込み締め切りです。
 

・日本刀名匠への道

「日本刀名匠」は公益財団法人日本刀文化振興協会(刀文協)が主催する「新作日本刀 研磨 外装 刀職技術展覧会」に作品を出品し、優秀な成績を継続的に取得した者のうち、「特に卓越した技量・品格・知識を認められた刀職者」に与えられる称号です。
 
日本刀名匠は現在、作刀・研磨・刀装具・白金・鞘・柄巻の分野に21人いて、作刀分野は7人が認定されています。
 
刀鍛冶の技に磨きをかけたとしても日本刀名匠にまで登り詰めるにはさらなる研さんが必要ですが、こうした称号を獲得することにより、作品の評価も高まるといえるでしょう。
 

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刀鍛冶の年収は有名になれば1000万円前後

刀鍛冶が作る日本刀は1振り作成するのに約50~70万円の費用が必要とされます。そのため、販売する際にも最低でもこの金額以下に値段設定をすることはできません。
 

・刀鍛冶が作ってよい日本刀は年間24振りまで

仮に作成費用が50万円で、販売時に70万円の値段をつけたとします。年間に作ってもよい日本刀の数は上限が24振りです。70万円の刀を年間24振り売ったとすると、年収は単純計算で1680万円になります。ただ、そこから製作コスト1200万円を引くと、年収は480万円です。販売コストがかかれば、年収はさらに少なくなるでしょう。
 
現実として、年間24振りもの日本刀を作成して購入してもらうのは極めて困難です。刀鍛冶職人としての収入のみで生活をするのは、「日本刀名匠」として名をはせ、作品価値が上がらない限りは厳しいといえます。
 

刀鍛冶になるには修業後の試験に合格する必要がある

刀鍛冶になるには職人のもとで5年間の修業が必要で、一般的にその間は無給です。空いた時間はアルバイトなどをして収入を確保し、日中は弟子として最低でも週5日、1日8時間フルで働かなければなりません。
 
試験は年に1回行われますが、合格率は50%前後です。年収は、有名になれば年収1000万円程度を得られます。しかし、日本刀を作りたいという強い覚悟がなければ職人として独り立ちは難しいと考えておきましょう。
 

出典

全日本刀匠会刀鍛冶になりたい方へ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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