更新日: 2022.10.21 年収

社会保険の適用拡大で手取りが減少!? アルバイトやパートの注意点

社会保険の適用拡大で手取りが減少!? アルバイトやパートの注意点
2022年10月から社会保険の適用範囲が拡大し、アルバイトやパートで働く人が社会保険に入りやすくなりました。その一方で、加入後は社会保険料が給与から天引きされるため、手取りが少なくなるというデメリットもあります。
 
そこで本記事では、アルバイトやパートで働く人が社会保険に加入する要件や、メリット・デメリットなどを解説。そのうえで、社会保険加入後に手取りを減らさないための対処法を紹介します。新たに社会保険の対象となりそうな人は、今後の働き方を考える際の参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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10月から社会保険が適用される要件とは?

広い意味での社会保険とは医療保険・年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険の総称で、人々の生活を安定させることを目的とした公的保険です。今回対象が拡大される社会保険は、労働者が加入する厚生年金保険(年金保険)と健康保険・介護保険(医療保険)を指します。
 
これまでアルバイトやパートで社会保険に加入できたのは、従業員数が501人以上の勤務先で働く一定要件を満たした人に限られていました。それが2022年10月からは従業員数101人以上の勤務先で働く人も対象になります。
 
上記に該当する勤務先のアルバイトやパートのうち、以下4つの要件にすべて当てはまる人が社会保険の新たな対象者です。
 
図表1
 
【新たに社会保険の対象者となる要件】

出典:厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト」
 
この要件に当てはまる原則すべての人は、社会保険に入る「義務」があります。そのため、これまで家族の健康保険の扶養(社会保険上の扶養)に入っていた人は、扶養から外れ勤務先の社会保険に加入しなければなりません。
 

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社会保険に入ると手取りは減るが、メリットもある

今回新たに社会保険の適用対象となった人は、社会保険料が毎月の給与から天引きされるようになります。そのため、働く時間や時給などが変わらなければ、手取りは減ってしまう点がデメリットです。年収106万円(月額賃金8万8000円)の人なら、年間15万円程度の社会保険料が給与から差し引かれます。
 
しかし、社会保険に入ることは悪いことだけではありません。年金や医療の保障が手厚くなるため、生活の安定につながるというメリットもあります。例えば、社会保険の適用対象になると厚生年金保険に加入できるので、将来受け取れる年金額(老齢厚生年金)を増やすことができます。
 
また勤務先の健康保険に加入することで、病気やけがで一定期間働けなくなった際にもらえる「傷病手当金」、出産のため会社を休み給与がもらえない場合に支給される「出産手当金」などが受けられるメリットもあります。これは国民健康保険加入者にはもらえないお金です。
 

手取りを減らさないためには収入を増やす必要あり

社会保険に入ることによって手取りが減ると、直近の家計に影響が出て生活が苦しくなってしまう人もいるかもしれません。手取りを減らさないためには、勤務時間を増やすなどして収入を増やす必要があります。
 
例えば、これまで106万円(月額8万8000円の年換算額)で働いていた人が社会保険に入っても手取りを減らさずに済む収入の目安は、年収125万円以上(40歳未満の場合)です。
 
今の勤務先で収入を増やすのが難しければ、アルバイトやパートの掛け持ちで副業収入を得るのも一案です。ただし、掛け持ち先(年末調整を受けないほうの勤務先)の所得が20万円を超える場合は、確定申告が必要なので忘れないようにしましょう。
 

まとめ

社会保険に加入すると手取りが減ってしまうため、家族の健康保険の扶養に入っている人などは勤務時間を減らすべきか迷うこともあるでしょう。しかし将来の年金額を増やせる、病気・けがや出産の際に手当金をもらえる、といったメリットも多くあります。
 
そもそも社会保険とは人々の生活を保障するための制度です。手取りが減ることだけにとらわれず、加入するメリットにも目を向けてこれからの働き方を考えましょう。
 

出典

厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト パート・アルバイトのみなさま
全国健康保険協会 保険給付の種類
国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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