更新日: 2022.10.31 年収

2022年10月の最低賃金引き上げ。最低賃金が上がったら生活はラクになる?

2022年10月の最低賃金引き上げ。最低賃金が上がったら生活はラクになる?
2022年10月より、都道府県別に決まっている最低賃金が引き上げられました。今回の引き上げは過去最大で、働く人にとっても経営者にとっても大きな影響があります。
 
一方で、引き続き物価が大幅な上昇傾向になっています。本当にこの引き上げで十分なのか、また中小企業の経営は大丈夫なのかなど、社会全体に与える影響について説明していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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2022年は過去最大の引き上げ

2022年10月の最低賃金の引き上げは、過去最大となりました。全都道府県の平均で時給961円と、昨年度の平均より時給で31円のアップとなっています。
 
最低賃金は都道府県ごとに決定されるため、地域間で差があります。全国1位は東京都で1072円、2位は神奈川県の1071円です。3位は大阪府の1023円で、今回初めて1000円を超えました。
 
一方で、最低賃金が最も低い853円の県は10県あります。東北地方では青森県と秋田県、四国地方では愛媛県と高知県、九州地方は最も多く、福岡県と大分県以外の5県すべて、そして沖縄県です。これらの県と、最低賃金が最も高い東京都とは、219円もの差がある状況です。
 

最低賃金で働く人の生活は

最低賃金は全国平均で31円、率にして3.3%増えました。しかし、2022年はロシアのウクライナ侵攻や、急激な円安などの影響で物価が上昇し、賃金の上昇が追いついていない状況です。
 
そもそも最低賃金で働く人の年収は200万円に満たない場合が多く、最低賃金が多少アップしても、生活が大幅に楽になるわけではありません。
 
また、最低賃金が上昇することによって、これまで最低賃金以上で働いていた人の賃金が最低賃金に近づく、あるいは追い抜かれるということも起こる可能性があります。
 
そうならないように、現状よりも高い賃金を得られる人が増えるように社会全体を底上げしていくことが大切です。
 

最低賃金の引き上げで経営側はどうする

最低賃金というのは、雇用主が払わなければならない賃金額の最低ラインであり、これを守って賃金を支給しなければ罰則もあります。
 
したがって、最低賃金で雇っていた人がいる場合は、今回の引き上げに伴って賃金も上げなければなりません。会社にとっての経費は増えますが、本来であればその分を商品の価格に上乗せできれば、会社は利益を減らしたり赤字になったりしなくて済みます。
 
しかし、中小零細の下請け企業などは、元請けが値上げを認めてくれないことが多く、人件費の上昇を価格転嫁できない場合があるのです。
 
こうなると、最低賃金を守りながら会社も守るために、人員の数を一定以下に抑え、少ない人員で多くの仕事をまわそうという方向に動いていく傾向が強まります。そうなってしまえば、現場の労働者は過酷な労働を強いられる可能性も高くなります。
 
多くの下請け、孫請け会社を抱えているような大企業が、納入製品の価格に対する態度を変えるなどしない限り、結局下請け企業が苦しむだけという構図になりかねないのです。
 

最低賃金の引き上げは社会全体で支えるべき

最低賃金の引き上げは働く人にとって重要です。特に2022年10月の引き上げは大きなものとなり、物価高が進行する中で朗報となりました。
 
しかし、最低賃金はあくまで最低ラインであって、少しでも高い賃金が得られるような社会に変えていかなければなりません。
 
そのためには、最低賃金で働く人が多い企業の努力だけでなく、取引先の大企業などの協力によって、製品への価格転嫁なども進めていく必要があります。賃金の引き上げは社会全体で支えていくことが求められるのです。
 

出典

厚生労働省 令和4年度地域別最低賃金改定状況

厚生労働省 全ての都道府県で地域別最低賃金の答申がなされました

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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