更新日: 2022.11.19 年収

「年収1000万円」を稼ぐのは損? 働く人が知っておきたい、最もお得な年収って?

「年収1000万円」を稼ぐのは損? 働く人が知っておきたい、最もお得な年収って?
「年収が多ければ多いほど暮らしが楽になる」と考えている人も多いでしょう。しかし、その一方で見逃してはならないことがあります。それは、年収が多ければ多いほど負担しなければならない税額も増えるということです。このことから、年収が1000万円を超えると逆に損になる、といわれることもあります。
 
そこで今回は、年収1000万円だとなぜ損になるのか、コスパ的に最もお得な年収はいくらなのかについて詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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年収1000万円だと損になる理由

年収1000万円だと損をするいわれる理由はいくつかありますが、主なものとして3つ紹介しましょう。まずは、所得税の税率です。所得税率は課税所得に応じて高くなります。課税所得が194万9000円以内の人の場合、所得税率は5%です。
 
しかし、329万9000円以内になると10%、694万9000円以内になると20%になります。そして課税所得が900万円以上になると、所得税率は33%になります。つまり、収入のおよそ3割が税金になってしまうのです。
 
また、給与所得控除も大幅に少なくなります。給与所得控除とは、所得税を計算する際、必要経費として給与による収入額からあらかじめ差し引かれる金額です。
 
給与所得控除額は給与収入が162万5000円までであれば55万円、180万円以内であれば収入×40%-10万円、360万円以内であれば収入金額×30%+8万円、660万円以内であれば収入金額×20%+44万円、850万円以内であれば収入金額×10%+110万円、850万1円以上の人は195万円です。
 
つまり、年収1000万円の人の場合、控除されるのはわずかに5分の1でしかありません。一方、年収が660万円の人は176万円が控除されるので、4分の1以上が控除されることになります。
 
さらに、配偶者控除や配偶者特別控除が使えなくなります。結婚している人の多くが、所得税の申告の際に配偶者控除や配偶者特別控除を受けているでしょう。この控除があると課税所得が減るため、より安い所得税ですむことになります。
 
しかし、この控除額は年間所得が900万円になるあたりから徐々に減り始め、1000万円を超えると控除が受けられなくなってしまいます。そのほか、住宅ローン控除や児童手当なども1000万円あたりをめどに利用できなくなります。
 
つまり、年収が1000万円であっても実際に手元に残るのは700万円程度であり、しかもさまざまな控除や手当が受けられなくなったり、金額が大幅に少なくなったりしてしまう、というわけです。
 

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現実的に最もお得なのは年収700万円程度

それでは、逆に最もお得なのは年収いくらくらいなのでしょうか。年収における手取り額を増やすためには、所得税をいかに抑えるかがポイントです。前述したように所得税率は年収が低ければ低いほど少なく設定されています。
 
そのため、所得税をできるだけ少なくしたいのであれば、課税所得額を194万9000円以内にするのがよい、ということになります。その場合、所得税額は最大で9万7450円です。とはいうものの、それでは年収が少なすぎると感じる人もいるでしょう。
 
そこで、所得税率はどのように上昇するかを見てみましょう。所得税率は課税所得が195万円以上になったときに5%、330万円以上になったときに10%、695万円以上になったときに3%、900万円以上になったときに10%上がります。ということは、課税所得が330万円以上になったときと900万円以上になったときに最も負担を感じるということです。
 
その一方、課税所得が695万円以上になる際の上昇はわずか3%しかありません。つまり、課税所得330万円から900万円までは所得税率はほぼ同じなので、その条件だと課税所得900万円の人が最もお得だといえます。ただし、先述したように給与所得控除は課税所得が850万円以上になったときに減額されます。そうすると年収700万~800万円あたりが最もお得な年収の価格帯だといえるでしょう。
 

年収が多くなればなるほど手取り額は減る!


 
重要なポイントは、年収が多くなればなるほど税負担も増えるため手取り額の割合は減るということです。数万円の年収アップの結果、上がった額以上の税負担が発生してしまうこともあります。もちろん、納税は国民の義務ですが、その一方で節税や控除の活用は権利でもあります。将来の生活のためにも、現役時代に税率や控除についてしっかりと把握しておきましょう。
 

出典

国税庁 No.2260 所得税の税率

国税庁 No.1410 給与所得控除

国税庁 No.1191 配偶者控除

国税庁 No.1195 配偶者特別控除

国税庁 No.1212 一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)

内閣府 児童手当制度のご案内

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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