更新日: 2022.11.25 年収

住民税非課税世帯の年収はどれくらい? 非課税となる条件とは?

住民税非課税世帯の年収はどれくらい? 非課税となる条件とは?
住民税が非課税となる条件や年収は、世帯を構成する数によっても要件が変わってきます。そこで本記事では、財務省や東京都の資料などをもとに、住民税非課税世帯となる年収や条件などを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

住民税の仕組み

「個人住民税」は均等割と所得割で加算される地方税で、「市町村税」「道府県民税」を合算した金額を納税する義務があります。
 
均等割は、所得金額に関わりなく金額は一律です。一方で、所得割は所得金額に対して一律で10%が課税されるため、所得金額が高くなるほど納税額も高くなります。個人住民税の概要を図表1にまとめます。
 
【図表1】

均等割 所得割
市町村民税 3500円 6%
道府県民税 1500円 4%
合計 5000円 10%

※均等割の税額は自治体によって異なるが、標準税額として記載
※東日本大震災を教訓として、各地方団体が防災のための施策に要する経費を確保するため、平成26年度~令和5年度までの10年間、都民税・区市町村民税の均等割額にそれぞれ500円が引き上げられている
出典:財務省「身近な税」より筆者作成
 
なお、指定都市に居住する方の所得割は、道府県民税2%、市民税8%となりますが合計10%と課税割合は変わりません。
 

住民税非課税世帯とは

住民税非課税世帯とは、世帯の全員が住民税の所得割・均等割のいずれも非課税となっている世帯のことを指します。世帯とは、生計を一にする家族のことを指し、同居・別居に関わらず生計をともにする家族は一世帯となります。世帯のうち1人でも住民税の課税者がいれば、住民税非課税世帯の対象外となります。
 

住民税非課税世帯になる条件

住民税非課税世帯になる条件は、世帯の全員が所得割・均等割を合算した個人住民税が非課税となることです。
 
個人住民税は地方税のため、自治体によって若干条件が異なる場合もありますが、東京都を例にとった場合、前年中の合計所得金額が図表2の金額を下回れば所得割・均等割ともに非課税となります。
 
【図表2】

同一生計配偶者または扶養親族がいる場合 35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
同一生計配偶者および扶養親族がいない場合 45万円以下

出典:東京都「個人住民税」より筆者作成
 

世帯の構成人数別で住民税非課税になる条件

まず、東京都在住世帯で構成人数(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)ごとに、住民税非課税になる所得金額の条件を図表3にまとめます。
 
【図表3】

世帯の構成人数 所得割・均等割が非課税になる所得金額
独身の1人世帯 45万円以下
2人世帯 101万円以下(35万円×2人+31万円)
3人世帯 136万円以下(35万円×3人+31万円)
4人世帯 171万円以下(35万円×4人+31万円)

筆者作成
 
給与収入がある会社員などの場合、給与所得控除を引いた所得金額が図表3の金額を下回ると住民税が非課税となります。給与所得控除の金額を図表4にまとめます。
 
【図表4】

給与等の収入金額 給与所得控除額
~162万5000円 55万円
162万5001円~180万円 収入金額×40%-10万円
180万1円~360万円 収入金額×30%+8万円
360万1円~660万円 年3.0%~18.0%収入金額×20%+44万円
660万1円~850万円 収入金額×10%+110万円
850万1円以上 195万円(上限)

出典:国税庁「No.1410 給与所得控除」より筆者作成
 
図表3・図表4にもとづくと、世帯の構成人数ごとに住民税が非課税となる年収は図表5の通りです。
 
【図表5】

世帯の構成人数 所得割・均等割が非課税になる所得金額 住民税非課税となる年収
独身の1人世帯 45万円以下 100万円以下(100万円-55万円)
2人世帯 101万円以下 156万円以下(156万円-55万円)
3人世帯 136万円以下 205万7000円以下[205万円-(205×30%+8万円)]
4人世帯 171万円以下 255万7000円以下[255万円-(255×30%+8万円)]

※金額は、住所のある自治体や家族の収入によって変わります。
 
筆者作成
 

その他で個人住民税が非課税になる条件

東京都の場合、以下の状況に当てはまる方も個人住民税が所得割・均等割ともに非課税となります。

●生活保護法による生活扶助を受けている方
● 障がい者・未成年者・寡婦またはひとり親で、前年度の合計所得金額が135万円以下(給与所得者は年収204万4000円未満)の方

 

住民税非課税世帯になる条件は世帯の人数や年収によって異なる

住民税非課税世帯を対象に、公的保険の保険料の優遇や臨時交付金などの救済措置が行われています。
 
住民税非課税世帯とは、世帯の全員が住民税の所得割・均等割がいずれも非課税であることです。住民税が非課税になる年収の条件は世帯を構成する人数や住所を置く自治体によっても異なります。自分が住民税非課税世帯であるかどうかは、自治体の窓口などでも確認が可能です。
 

出典

財務省 身近な税
東京都 個人住民税
国税庁 No.1410 給与所得控除
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集