更新日: 2022.11.28 年収
シングルマザーの平均年収は「243万円」で、預貯金額は「50万円未満」が多数?
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
シングルマザーの平均年収はどれくらい?
厚生労働省が平成28年に実施した「全国ひとり親世帯等調査」によれば、母子世帯の平均年間収入は243万円で、そのうち母親自身の平均年間就労収入は200万円となっています。
ここからシングルマザーの方の平均的な年収は200万円程度と考えられますが、国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」での給与所得者の平均年収443万円と比べると、かなり低い金額です。なお、中央値にすると母子世帯の年間収入は208万円、就労収入では169万円となり、さらに減少します。
収入の差について理由はさまざまですが、シングルマザーの方は非正規雇用で働くケースが多いことや、子育てとの両立で就労のための時間が限られてしまうことなどが想定されます。実際に全国ひとり親世帯等調査の結果では、母子世帯で就業している方のうち、パート・アルバイトなどが43.8%、派遣社員を含むと48.4%と半数近くが非正規雇用です。
シングルマザーの預貯金額はどれくらい?
同じく全国ひとり親世帯等調査によると、母子世帯の預貯金額について最も多いのは50万円未満で全体の39.7%、次いで100万円から200万円未満の10.6%となっています。
母子世帯では収入が十分とはいえない中、子育ての支出がかさむことで貯蓄も思うようにできていない世帯が多くなっていると考えられます。
子どもの教育費にお金がかかる期間は、預貯金に回せる金額が少なくなるケースも珍しくありませんが、現在の預貯金額を不十分と感じている場合は、例えば家計の収支を明確にして少ない負担で節約できる部分を確認し、無理のない範囲で貯蓄する分を増やせるようにしてみてください。
子育てと仕事の両立をどう考えていくか
シングルマザーの方に非正規雇用で働く方が多い理由や、十分な収入と預貯金が確保できていない現状の背景の1つには、子育てと仕事の両立があります。
子育てを優先するために就労時間を調整していたり、あえて正規雇用を選ばなかったりした場合、現在の収入を気にし過ぎる必要はないでしょう。子どもが手を離れるタイミングで、仕事に重きを置いて収入を増やしていくという考え方もあります。
仕事を優先したいが就職先が見つからない、これまでの職歴から希望する条件での仕事に就けないという場合は、ハローワークが実施している職業訓練を受講してみてください。
必ずしも希望の職種に就業できるとは限りませんが、就職や転職に必要なスキルや知識を身に付けるための各種講座を原則無料で受講することができるほか、その過程で求人の紹介など就職サポートを受けられます。
また、収入や資産が一定額以下など要件を満たす場合は、働きながら職業訓練受講給付金(月額10万円)を受けて学ぶこともできるようになっています。詳細については最寄りのハローワークでご確認ください。
まとめ
シングルマザーの方の平均的な収入は決して高いものではなく、預貯金額も少ないケースが多くなっているため、これらの点で悩むこともあるでしょう。
いきなり十分な収入を得ることは難しいかもしれませんが、仕事と子育ての両立についてはタイミングによって優先順位を決め、必要に応じて職業訓練の受講なども検討してみてください。
出典
厚生労働省 平成28年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告
国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-
厚生労働省 東京労働局 ハロートレーニング(職業訓練)について
厚生労働省 就職支援・給付金などについて知る
執筆者:柘植輝
行政書士