更新日: 2022.12.12 年収
女性で年収600万円は働く女性全体の何%? 平均年収600万円を超える職種
本記事では、国税庁と厚生労働省の資料を参考に、女性で年収600万円の割合や働く女性全体の平均年収、平均年収が600万円を超える職種、年収600万円の場合の負担税額などについて紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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女性で年収600万円の割合
国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、令和3年分で「年収600万円超700万円以下」の女性は、2209万1000人のうち65万4000人で割合は3.0%でした。また「年収が600万円を超える」女性は155万4000人で7.1%です。
図表1は、平成29年~令和2年の推移です。
【図表1】
年収600万円超700万円以下の割合 | 年収600万円超の割合 | |
---|---|---|
令和3年 | 3.0% | 7.1% |
令和2年 | 2.6% | 6.4% |
令和元年 | 3.0% | 7.1% |
平成30年 | 2.8% | 6.6% |
平成29年 | 2.5% | 5.9% |
国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-」より筆者作成
図表1のとおり、直近5年の推移は「年収600万円超700万円以下の割合」は2.5~3.0%、「年収600万円超の割合」は5.9~7.1%となっています。
なお、令和3年の男性の年収600万円超700万円以下の割合は9.4%で、年収が600万円を超える方の割合は31.2%です。
平均年収
国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者5270 万人の平均年収は443万3000円で、男性(3061 万人)が545万3000円、女性(2209 万人)が302万円でした。
女性の平均年収の推移は、図表2のとおりです。
【図表2】
女性の平均年収 | |
---|---|
令和3年 | 302万円 |
令和2年 | 292万6000円 |
令和元年 | 295万5000円 |
国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-」より筆者作成
図表2のとおり、女性の平均年収は295~302万円程度です。このことから、年収600万円は、平均年収の約2倍の収入を得ることが分かります。
女性で平均年収600万円を超える職種
厚生労働省「令和3年 賃金構造基本統計調査」によると、女性で平均年収が600万円を超える職種は、図表3のとおりです。
【図表3】
職種 | 平均年収 |
---|---|
管理的職業従事者 | 729万6000円 |
研究者 | 604万8000円 |
システムコンサルタント・設計者 | 608万1000円 |
医師 | 1053万7000円 |
法務従事者 | 879万1000円 |
その他の経営・金融・保険専門職業従事者 | 872万3000円 |
小・中学校教員 | 633万3000円 |
高等学校教員 | 618万2000円 |
大学教授(高専含む) | 998万6000円 |
大学准教授(高専含む) | 820万7000円 |
大学講師・助教(高専含む) | 649万3000円 |
※平均年収は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で算出。100円単位は四捨五入
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表番号1」より筆者作成
図表3のとおり、平均年収が600万円を超えている職種は限られます。なお、代表的な職種の平均年収は図表4のとおりです。
【図表4】
職種 | 平均年収 |
---|---|
看護師 | 496万円 |
歯科衛生士 | 386万7000円 |
栄養士 | 364万2000円 |
介護支援専門員(ケアマネージャー) | 390万円 |
幼稚園教員、保育教諭 | 378万5000円 |
受付・案内事務員 | 301万1000円 |
秘書 | 515万9000円 |
※平均年収は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で算出。100円単位は四捨五入
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表番号1」より筆者作成
年収600万円の税負担
・所得税:20万3500円
(計算)
年収600万円-基礎控除48万円-給与所得控除164万円-社会保険料控除87万円=課税所得301万円
課税所得301万円×所得税率10%-控除9万7500円=所得税20万3500円
・住民税:31万1000円
(計算)
年収600万円-基礎控除43万円-給与所得控除164万円-社会保険料控除87万円=課税所得306万円
課税所得306万円×10%=所得割30万6000円
所得割30万6000円+均等割5000円=31万1000円
※30代、独身女性の場合
※社会保険料は87万円と仮定
※賞与なしの場合
※住民税は所得割が税率10%、均等割5000円で試算
※基礎控除、給与所得控除、社会保険料控除(87万円と仮定)のみ考慮
上記のとおり、年収600万円の税負担は所得税と住民税で51万4500円です。
なお、上記は概算となるため、実際とは異なる場合があります。
女性で年収600万円超は7.1%。稼げる職種は11職種
令和3年分で1年を通じて勤務した女性給与所得者のうち、年収が600万円超700万円以下の割合は3.0%、年収が600万円を超える割合は7.1%です。平均年収が600万円を超える職種には、システムコンサルタント、医師、大学講師、管理的職業従事者などの11職種です。
女性の平均年収が300万円に満たない状況や近年の物価高などから、働く女性の賃金環境はまだ厳しいと考えられるでしょう。
出典
国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-
厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表番号1
国税庁 No.1199 基礎控除
国税庁 No.1410 給与所得控除
国税庁 No.2260 所得税の税率
東京都主税局 個人住民税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部