年収2000万は「4割を税金で引かれる」!?年収2000万の「手取り」について解説

配信日: 2022.12.31

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年収2000万は「4割を税金で引かれる」!?年収2000万の「手取り」について解説
国税庁が発表した令和3年分の「民間給与実態統計調査」によると、日本全体の平均年収は約443.3万円でした。働き方や家族構成などにもよりますが、年収が500万円以上あれば、高収入の部類に入るといえるでしょう。
 
また、年収1000万円超えの人はわずか4.9%、年収2000万円以上になると全体の0.6%のみです。「年収2000万円は4割を税金で引かれる」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。そこで、今回は年収2000万円に注目し、手取りについて解説します。

FINANCIAL FIELD編集部

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

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サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

年収2000万超えの人は全国で30万2000人

令和3年の民間給与実態統計調査を見ると、総給与所得者数5270万人のうち、年収2000万円以上2500万円以下の人が0.3%で13万6000人(男性が12万2000人、女性が1万4000人)でした。また、年収2500万円以上の人も0.3%ですが、こちらは16万6000人(男性14万8000人、女性1万8000人)です。
 
・10人以上29人以下の小規模企業で最も多い
同調査の「事業所規模別の給与階級別構成割合」を見ると、年収2000万円以上2500万円以下の人が最も多いのは0.4%(男性が0.7%、女性が0.1%)で、従業員数が10人以上29人以下の会社でした。大企業になるほど高収入のチャンスというイメージがある人もいるかもしれません。
 
しかし、年収2000万円以上となると、必ずしも大企業勤務の人とは限らないといえるでしょう。30人以上の会社(5000人以上の会社を含む)で年収2000万円以上2500万円以下の人は平均0.2~0.3%でした。また、個人事業主では年収2000万円以上2500万円以下の人は0%ですが、年収2500万円以上では0.1%います。
 

年収2000万円の人の手取りは約1300万円

「年収2000万円の人は4割を税金で差し引かれる」は事実なのでしょうか。手取りを出すためには「年収-控除額」で計算します。年収から控除されるものは主に所得税・住民税、社会保険料です。
 
こちらでは、手取り目安の金額をウェブサイトのシミュレーションで出してみました。人物像は20~40歳の正社員(社会保険加入者)、独身、賞与は年400万円、生命保険料控除はなしと仮定します。
 
・年収2000万円の税金は約3割
上記の条件の場合、所得税が354万9600円、住民税が155万1100円で、合計510万700円です。日本では所得税が累進課税となっており、高収入になるほど多く支払わなければなりません。そのため、所得税だけでも高額になってしまいます。
 
社会保険料は、厚生年金が約107万9700円、健康保険料が約97万9038円、雇用保険料が約10万円で合計215万8738円です。年収2000万円の4割は800万円ですが、税金のみで見ると年収の約25.5%となっています。大きく見ても約3割であり、「年収2000万円の人は4割を税金で引かれる」は事実ではないといえるでしょう。
 
ただ、社会保険料も含めれば年収から引かれるのは725万9437円となるため、年収の約4割(約36.3%)です。つまり、「年収2000万円の人は約4割を税金と社会保険料で引かれる」が正しいといえるでしょう。
 
・年収2000万円の手取りは約1274万円
年収から税金、社会保険料を差し引くと、「2000万円-725万9437円」となり、手取りは1274万563円となります。年収2000万円を超える場合、たとえ、会社勤めであっても自分で確定申告をしなければなりません。忘れずに期限内に行いましょう。
 

「年収2000万円は税金で4割引かれる」は事実

年収2000万円の手取りは約1300万円です。税金は約3割引かれることになるため、税金のみで考えれば「年収2000万円は税金で4割引かれる」は事実ではないといえます。所得税は累進課税であるため、年収2000万円という高収入の場合、非常に大きな金額を支払わなければなりません。
 
ただ、たとえ高額な税金を支払ったとしても、年間で約1300万円の収入があり、平均的な消費行動をとる分には、十分余裕のある生活ができるといえるでしょう。
 

出典

国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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