更新日: 2023.02.27 年収

行政書士として働けば、年収1000万円を実現できますか?【行政書士のリアル】

執筆者 : 柘植輝

行政書士として働けば、年収1000万円を実現できますか?【行政書士のリアル】
「行政書士になれば年収1000万円くらいの高収入になれますか?」行政書士として活動する筆者がお客さまから知人までさまざまな方に聞かれた質問です。
 
20代から行政書士の資格を生かして働いてきた筆者の経験を基に行政書士の年収のリアルを解説していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

行政書士の働き方はいろいろ

行政書士に合格した後、その資格を生かした働き方はいろいろあります。主な働き方としては次の3つの中から選ぶことになるかと思います。


・独立して行政書士事務所を開業する
・行政書士として行政書士事務所に勤務する
・行政書士の資格を生かして企業に勤める

どの働き方を選ぶかによって年収は大きく変わってきますし、年収1000万円を目指す難易度も異なるため、下記で詳しく説明します。
 

独立して行政書士事務所を開業する

独立して行政書士事務所を開業する場合、運の要素も絡みますが、頑張り次第で年収1000万円を超えて大きく稼ぐことができる可能性があります。
 
特に外国人の在留資格の取り扱いや、建設業の許認可、補助金の申請サポートなど単価と専門性が高く、申請後も資格の更新や実績報告が必要であるなど継続性の高い分野ですと1件当たりの単価を高めながらリピーターも獲得でき、年収1000万円を目指しやすくなります。
 
一方で、営業がうまくいかず顧客をつかめなかったり、古物商許可や内容証明郵便作成など単発で単価の低い業務ばかりだったりすると薄給激務や十分な収入が得られない状況になりがちです。
 
明確な統計があるわけではありませんが、筆者が行政書士として活動を開始してからも多くの先生が周りで開業され、そして廃業に至っています。10年間継続して営業されている先生は、他士業との兼業や副業である方を除いて10人中2から3人くらいの感覚です。
 
その中で年収1000万円を稼げているであろう方はせいぜい1人いればよい方です。残りの方も年収400万円あればいい方でしょう。
 
年収1000万円も不可能ではないのですが、人脈や前職での高単価な分野で経験を生かせる場合でもなければ、そこにたどり着くまで10年単位で時間がかかるどころか一生かかってもたどり着けない可能性も高いです。
 
筆者の場合は実務を知らないまま開業した新人時代に、運よく他士業の方に仕事を回してもらったり、知人のツテで仕事を確保したりすることができていました。そうでなければ生活していけるだけの収入は確保できていなかったと思います。
 

行政書士として行政書士事務所に勤務する

行政書士として行政書士事務所に勤務していてもまず年収1000万円を稼ぐことは不可能でしょう。地域や経験年数、勤務先の事務所の専門分野にもよりますが、賞与含めて年収300万円から400万円あれば御の字だといえます。
 
実際、2023年2月6日時点での行政書士として正社員で募集されている求人の平均年収は402万円です。ボリュームゾーンとしては357万円から420万円ほど となっており、1000万円は厳しいと言わざるをえません。
 
一般的な会社員の年収は400万円前後といわれることがありますが、それとほぼ変わらない年収です。
 
それどころか、行政書士事務所は基本個人事業主です。個人事業主に雇われているということで健康保険や厚生年金に加入できなかったり、賞与もほとんど出なかったりなど、一般的な正社員の強みともいえるメリットが少ない事務所も少なくありません。
 
開業までの下積みとして、あるいは独立できないけどどうしても行政書士として働きたい、という強い理由がない限り行政書士として行政書士事務所に勤務することはあまりおすすめしません。
 

行政書士の資格を生かして企業に勤める

行政書士の資格を取得してもあえて行政書士にならず、企業に勤めるという選択肢を取る方もいらっしゃいます。自身で開業するような自由さと収入の青天井さはありませんし、行政書士事務所で働くような専門性の高い仕事のみに従事することはできないかもしれません。
 
しかし、一般企業の法務部や総務部にて法律や行政関係の業務に従事したり、外国人を支援したり、補助金や助成金、融資申請の申請サポートをしたりしている会社など行政書士の専門分野に近い職種や事業を行っている会社で働くことで、専門性の高い仕事に従事できる可能性が高まります。
 
収入については業界や会社の業績などによっても異なるため一概には言えませんが、少なくとも一般的な水準の収入を継続して得るという観点でいえば、独立開業の場合に比べて安定していますし、行政書士として行政書士事務所に勤務するよりも収入が高くなることも予想されます。
 
個人的に独立開業したいと相当強く思わない限りはこの働き方を一番おすすめします。
 

 

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行政書士として働いても年収1000万円は相当困難

行政書士として働くことで年収1000万円稼ぐこと自体は不可能ではありませんが、それは相当困難です。行政書士の仕事は専門性とやりがいのある仕事であるものの、世間が思うほど簡単に高収入の得られる仕事ではありません。
 
人気の資格として名前の挙がる機会の多い資格ですが、現実は過酷です。これから行政書士として働き年収1000万円を稼ぎたいと希望する方は、あらためて現実と向き合った上で働き方について考えてみてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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