年収300万円の独身男性が高級家電を買いそろえた理由とは？

流行り病の影響もあり、自宅で過ごす時間は長くなった。在宅勤務も一般的になりつつあり、ほとんど家から出ない生活になっている人もいるだろう。
 
そうした中、自宅での生活の質を向上させるため、性能が良い高級家電を利用する人も増えている。
 
しかし、高級家電は販売価格も高く、中々手が出ないという人もいる。ここでは年収が300万円程度でありながら、高級家電を買いそろえたOさんの話を見ていこう。

無理をしてでも、時間を捻出したかった

Oさんは地方都市に営業職として勤務する20代の男性。年収は300万円程度であり、同世代の友人たちと比べるとやや低い給与だった。
 
そうした中で、Oさんはドラム式洗濯機や自動掃除機、空気清浄機を買いそろえた。また、性能にもこだわった結果、総額は50万円を超えてしまったそうだ。
 
「とにかく家事に時間をかけたくありませんでした。というのも、当時の年収に満足できていなくて、転職を考えていたんですよ。転職に当たって資格の勉強をする必要があったんです。」
 
年収300万円程度であれば、高級家電を買いそろえようとは思わないだろう。しかし、Oさんは自己投資に時間をかけたいと考えており、無理をしてでも家事を自動化したかったようだ。
 
また、空気清浄機を購入した理由も以下のように語った。

「あと僕自身アレルギー気味で…花粉症とかハウスダストとかで、体調が悪くなります。資格の勉強は自宅ですることも多いので、自分に適した環境にしたかったんです。」
 
こうした理由で高級家電を購入したOさん。とはいえ、全ての支払いを一括で完了させるのは難しかったようだ。結局クレジットカードで分割払いを組んで購入し、支払い回数は24回にも及んだと語る。
 
「あの時は本当にカツカツでしたね…当時の月収は手取りで20万円くらい？そこから生活費で10～14万円程度を支払った後、ローンの支払いも上乗せされます。」
 
数年の分割払いで高級家電を購入したため、やはり生活は苦しかったようだ。
 

ローンを組んで高級家電を購入…そのメリットは?

そうして高級家電を活用するようになって、大きなメリットを感じ取ったようだ。
 
「やっぱり高級家電は全然性能が違いますね。特にドラム式洗濯機です。洗濯から乾燥まで全部自動でやってくれるんですけど、とにかく楽だしクオリティも高い。普段の家事が減って時間を捻出できました。」
 
また、思わぬメリットもあったと語る。
 
「先に大金をかけて家電を揃えてしまったので、勉強をサボらなくなりました。毎月のカード支払いを見るたびに『これは自己投資のためだ…』と自分に言い聞かせてましたね。」
 
資格勉強や筋トレなど、自己投資をはじめる人は決して少なくない。しかし、多くの人にとって「続けること」は特に難しいだろう。
 
Oさんの場合、生活が苦しい中での分割払いが、自己投資を続ける理由になったようだ。思う存分高級家電を活用したOさんは、その効果を実感し「費用対効果で考えても悪くなかった」と振り返った。
 

決して無視できないデメリットと反省点…

一方で、高級家電を買いそろえたことによるデメリットもあったようだ。
 
「当時は貧乏生活になってましたから、あまり遊びには行けませんでしたね…学生の頃からの友人や職場の同僚から飲みに誘われることもあったんですけど、お金が無くて断ることも多かったです。断ってばっかりだと、段々と誘われなくなっちゃうんですよね。当時は寂しい気持ちもありました。」
 
やはり年収にそぐわない無理をした買い物によって、娯楽に使えるお金はほとんど無くなっており、遊びに行くのも難しくなったようだ。
 
また、高級家電を購入したことについて反省点もあったと語った。
 
「正直オーバースペックだったかもと感じます。もちろん性能は良いし、それだけの満足感はありました。でも今振り返っても『他にもお金の使い道はあったよな』と考えることがあります。」
 

誰にでもオススメできる方法ではない?

Oさんは高級家電によって、自宅での生活を最適化し、その分自己投資に時間をかけていたようだ。その結果、資格の取得や転職にも成功し、現在では年収もアップした。しかし、Oさんの当時の生活やデメリットを見ると、誰にでもオススメできる方法とは言い難いだろう。
 
Oさんのように無理をしてでも成し遂げたいことがあるのであれば、自分の生活に優先順位をつけて、お金を投資するのも良いかもしれない。
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部