更新日: 2023.03.13 年収
「猫」をお迎えするなら年収はいくら必要? お金がないなら飼ってはいけない?
しかし、猫を飼い続けるにはお金が必要です。猫を飼うには、どのぐらいの年収が必要なのでしょうか。また、お金がない状態で猫を飼ってはいけない理由についても解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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生涯にかかる費用は120~150万円
ペットフード協会が公表している「令和4年(2022年)全国犬猫飼育実態調査の結果」をみると、猫の平均寿命は15.62歳で一生涯にかかる必要経費の平均は131万6467円でした。生涯必要経費は、年によってバラツキがあり、2020年は123万5071円、2021年は153万5678円でした。
医療費などを含む支出総額の平均は、猫を1頭飼っている人で1ヶ月あたり7286円、中央値は5000円でした。このうち、主食用キャットフードにかかる費用は、1ヶ月あたり2877円で、中央値が2000円でした。
また、東京都福祉局が2017年に調査した結果によると、猫にかかる年間のエサ代が1~3万円未満という人が28%、3~6万円未満という人が31.3%で、6万円未満という人が全体の6割に上りました。
1年間にかかる医療費についてみると、1~3万円未満という人が32.7%、3~6万円未満という人が17.5%で、過半数が6万円未満でした。このほか、医療費・エサ代以外にかかる費用は、54%が1年間に3万円未満で、このうち1万円未満という人も8.5%いました。
猫は年齢によっても1年間あたりにかかる費用が異なりますが、1年あたり6~10万円程度の出費があるとみてよいでしょう。特に、費用がかかるのは飼い始めと猫が高齢になってからです。
飼い始めのときはエサやグッズなどのほか、不妊・去勢のための費用がかかります。不妊・去勢手術は義務ではありませんが、望まない妊娠を避けるために、ほとんどの飼い主が受けています。この不妊・去勢手術はペット保険を使えず、1~3万円程度の手術費用が必要です。
また、猫が高齢になるとペット保険や医療費がかかるようになります。飼い主の中には、高齢や病気などにそなえてペット保険に加入するだけでなく、いざというときにそなえてお金をためる人もいます。
猫を飼うと住居費や光熱費も上がる
猫を飼うために必要な年収は、世帯構成や持ち家かどうかによっても異なります。総務省が2023年2月に公表した家計調査の結果をみると、消費支出の平均は1世帯あたり1ヶ月24万4231円で、2人以上の世帯だと29万865円でした。
物価上昇の影響で、名目増減率は総世帯で3.9%増、2人以上の世帯だと4.2%増となりました。2022年10~12月における、単身者世帯の平均的な消費支出の額は、1ヶ月あたり17万672円でした。新しく猫を飼う場合、ここに猫の飼育費用がかかります。また、猫を飼育するとなると、日中仕事などで外出している間も、季節によっては冷暖房をつけっぱなしにして温度を管理しなければなりません。
賃貸物件に住む場合には、ペットの飼育ができる物件を選ばなければなりませんし、退去時に余分の費用がかかるようになる可能性があります。ペットを飼っていない世帯と比べると、住居費や光熱費が高くなることに注意しなければなりません。ほかにも、帰省や旅行で家を留守にする場合は、ペットホテルに預けるなどの費用がかかることもあります。
1人暮らしをしている場合、生活費とペットの飼育費用で少なくとも1ヶ月あたり20万円は必要になると考えておきましょう。手取り収入が20万円の場合、税引き前の年収はおよそ300万円です(手取り収入が給与総額の80%の場合)。
最低でも年収300万円は必要! お金がないのに猫を飼ってはいけない理由
お金がない状態で猫を飼うと、必要な医療を受けさせられない、猫にとって適切な環境で飼育できなくなるなどのリスクが上がります。中には、途中で飼育を諦める人もいます。
環境省によると2020年4月から2021年3月までの1年間で飼い主から引き取った猫は1万479頭で、殺処分された猫は1万9705頭でした。このような悲劇を防ぐためにも、自分に猫を飼う余裕があるのかどうかを考え、無理をして飼わないように注意しなければなりません。
出典
東京都福祉局 東京都における犬及び猫の飼育実態調査の概要(平成29年度)
一般社団法人 ペットフード協会 令和4年全国犬猫飼育実態調査 猫 飼育・給餌実態と支出
一般社団法人 ペットフード協会 2021年(令和3年)全国犬猫飼育実態調査 結果
統計局ホームページ 家計調査報告 ―月・四半期・年―
環境省_統計資料 「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」動物の愛護と適切な管理
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部