中小企業に勤める23歳新卒。大手企業に就職した友人と「年収の差」にびっくり! 一体いくら違う?

配信日: 2023.04.06

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中小企業に勤める23歳新卒。大手企業に就職した友人と「年収の差」にびっくり! 一体いくら違う?
同じ学校・学部出身でも、その後の就職先によって収入に大きく差が出るのが社会です。
 
その差を生じさせる要因の一つに、就職先の企業規模があります。大手企業と中小企業とでは驚くほどの年収差が生じることも珍しくなく、友人間で年収の話をしたときにびっくりすることもあるようです。
 
そこで、23歳の新卒社会人では、どれくらいの年収差が生じるのか、シミュレーションしてみます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

大手企業と中小企業では、賃金差はどれくらいある?

まずは厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査の結果を基に、大企業(常用労働者1000人以上の企業)と中小企業の平均賃金について比較していきましょう。
 
令和4年6月分の男女計の賃金で比較すると大企業の平均賃金は34万8300円でした。それに対して中企業(常用労働者100人から999人の企業)は30万3000円となっています。その差はおよそ4万5000円で、実に中企業の平均賃金は大企業の87%の水準にとどまります。
 
さらに、小企業(常用労働者10人から99人の企業)の平均賃金は28万4500円となっています。その差は6万4000円ほどで、これは大企業の81.7%の水準になります。同じ時間を働いても、中小企業では、大企業の9割未満の賃金水準となるのが一般的なようです。
 

年収の差はどれくらいつくの?

では、年収の差についてみていきましょう。単純に計算すると、大企業と中企業の差は年間で54万円ほどになります。そして、大企業と小企業の差はなんと77万円ほどです。
 
さらに、忘れてはいけないのは賞与です。仮に賞与が年間で4ヶ月分出るとすると、賞与による差が大企業と中企業で18万円、小企業との差は26万円ほどになると想定されます。
 
また、大企業であれば年間5ヶ月分以上の賞与が出たり、中小企業では年間で2ヶ月分未満の賞与であったり、そもそも賞与が出ずに寸志のみといったこともあります。
 
極端な例ではありますが、年間で5ヶ月分出る大企業と、賞与が出ないか出ても寸志で数万円という中小企業の場合、年収ベースで100万円以上の差が出ることもあります。
 

 

23歳の新卒社会人での賃金差はどれくらいに?

一般的な社員の賃金差や年収差をざっとみたところで、23歳の新卒社会人の場合で比較してみましょう。20歳から24歳における大企業の新卒社会人の平均賃金は、22万7200円となっています。
 
それに対して中企業は21万6700円と、賃金差が1万500円で、大企業の95.4%の水準にとどまっています。年に換算すると、12万6000円もの差になります。
 
小企業においては20万9700円と、大企業との賃金差は1万7500円で、大企業の92.3%の水準にとどまっています。年に換算すると、21万円もの差がついています。
 
23歳の新卒社会人時点ですでに、同じように働いても年間21万円もの差がつくとあっては、友人と年収の話でその差に驚くのもうなずけます。
 

賞与も含めたら、どれくらいの差が出る?

では、賞与も含めると、年収差はどれくらいになるのでしょうか。
 
この点、23歳の新卒社会人においては、夏の賞与は不支給ないし10万円以下の寸志で、冬の賞与は1ヶ月から2ヶ月分といった支給形態が一般的でしょう。仮に大企業であれば、夏の賞与で寸志10万円、冬の賞与で2ヶ月分支給と考えてみると、年間の賞与額として55万4400円ほどを受け取れる可能性があるでしょう。
 
それに対して中企業では、夏が寸志7万円、冬が賞与1ヶ月分と考えてみると28万6700円となり、大企業との差は26万7700円ほどになるでしょう。小企業の場合なら、夏は不支給、冬でも0.5ヶ月分程度とすると10万4850円となり、大企業との差は44万9550円となります。
 
平均賃金と合わせると、予想される一般的な新卒社会人の年収は、大企業では328万円ほど、中企業では289万円ほど、小企業なら262万円ほどとなるでしょう。大企業と中企業の年収差は39万円ほど、小企業と比較すると66万円ほども差がつくと想定されます。
 

新卒でも大企業とでは70万円近く年収差がつくこともある

同じ23歳の新卒社会人であっても、勤務先の規模によっては、70万円近い年収差が生じることもあるようです。必ずしも、これほどの驚くべき年収差がつくとは限りませんが、基本的には大企業の方が、1年目から高年収を期待できます。
 
賃金テーブルが異なる以上、会社の規模から生じる賃金の差を埋めるのは容易ではありません。
 
たとえ、大企業に勤める友人との年収差に驚いてしまっても、これからの自分のがんばり次第の部分も大きいですし、仕事の価値は収入だけで決まるものではありません。そのことを念頭において、これからのことを考えていきましょう。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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