更新日: 2023.04.13 年収
4月から「手取りが減る」って本当?「雇用保険料率」の引き上げで月の手取りはどう変わる?
そこで、本記事では2023年4月から開始の雇用保険料の引き上げについてわかりやすく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
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ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
そもそも雇用保険料とは?
雇用保険料とは労働保険の1つである雇用保険の保険料です。日本では労働保険制度により原則、労働者を1人でも雇用していれば、業種・規模の如何を問わず労働保険の適用事業となり、事業主は成立(加入)手続を行い、労働保険料を納めることが義務付けられています。
労働保険には労災保険と雇用保険の2種類があります。労災保険とは、労働者が業務中や通勤の途中にあった出来事を原因としてけがをしたり亡くなったりした場合に保険の給付を受けられる制度をいいます。
雇用保険は、失業したり仕事を続けられなくなったりした労働者の再就職を促進するために設けられている保険制度です。失業手当と呼ばれている基本手当や再就職手当などがその一例として挙げられます。
ただし、労災保険と雇用保険は同じ労働保険制度のもとに定められている保険ですが、保険料の負担者は異なっています。労災保険料は雇用主が全額負担しますが、雇用保険料を負担するのは雇用主と労働者の両方です。労働者が負担する雇用保険料は労働者の賃金総額に保険料率を乗じて計算し、保険料率は業種によって異なります。
また、具体的な保険料率は毎年見直しが行われているため変わる場合があることもポイントです。2022年10月の保険料率引き上げにつづき、2023年4月にも雇用保険料率が改定されます。
2023年4月からの雇用保険料率は? これまでと比べてどれくらい変わる?
2023年4月の改定で、雇用保険料率は2022年10月のときと比べて0.2%引き上げられる予定です。雇用保険料は雇用主と労働者の双方が支払いますが、今回の改定では労働者が負担する雇用保険の保険料率は0.2%の半分である0.1%の引き上げとなります。
具体的に雇用保険料率の変化を紹介すると、まず、2022年10月の改定以降に労働者が負担してきた雇用保険料率は、一般の事業が0.5%、農林水産・清酒製造の事業が0.6%、建設の事業が0.6%です。
対して、2023年4月から労働者が負担する予定となっている雇用保険料率は、一般の事業が0.6%、農林水産・清酒製造の事業は0.7%、建設の事業は0.7%となっています。
そのため、例えば、一般の事業を行う会社で働き賃金35万円を受け取っている人であれば、2023年4月から納める雇用保険料は、改定前と比べて毎月350円増えることになります。2023年4月の改定前の雇用保険料は35万円×0.5%=1750円ですが、改定後の雇用保険料は35万円×0.6%=2100円に変わるからです。
雇用保険料の引き上げでますます厳しい家計! 工夫しながら頑張って乗り切ろう
2023年4月から雇用保険料率が引き上げられ、給与から差し引かれる雇用保険料が高くなります。いざというときの助けとなる雇用保険とはいえ、さまざまなものが値上がりするなか、毎月定期的に給与から引かれる雇用保険料が高くなることは家計にとって厳しいことでしょう。
しかし、雇用保険は一定の条件を満たしている労働者であれば加入し保険料を納めなければなりません。そのため、必要な出費と考え、日々の生活に工夫をしながらほかの生活コストを抑えて乗り切りましょう。
出典
厚生労働省 労働保険の年度更新とは
厚生労働省 労働保険制度
厚生労働省 雇用保険制度
厚生労働省 雇用保険料率について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー