「生涯年収3億円」を目指すには、平均して年収はいくら必要? 高収入でないと達成できない?
配信日: 2023.04.19
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
生涯年収3億円の達成に必要な平均年収は?
生涯年収3億円を達成するには大学卒業後、23歳から65歳まで働いたとしてもその間の平均年収が714万円から715万円以上必要です。40歳や50歳とキャリアを重ねている年齢ならともかく、23歳から平均して毎年714万円以上稼ぐのは相当に困難です。
仮に40代や50代で年収714万円程度にまで達したとしても、そこまでの平均年収が300万円や400万円であっては生涯年収3億円を達成するのは難しくなるでしょう。
また、男性の平均給与は545万円、女性の平均給与は302万円となっており、714万円という金額とはかなり乖離(かいり)があります。男女含めた平均では443万円です。さらに、男性で最も年収が高くなる年齢の55歳から59歳でも平均年収が687万円と、714万円には届きません。
ここから、生涯年収3億円を達成するのは相当に困難であり、高収入でないと達成は難しいことが分かります。
生涯年収3億円を目指すなら大企業勤めが有利
生涯年収3億円を目指すのであれば、平均給与が高く、年齢や勤続年数、実績に応じた昇給の見込める会社に勤める方が有利です。となると、必然的に大企業の方が中小企業よりも有利と考えられます。
資本金10億円以上の企業の平均的な給与と賞与を100とすると、資本金2000万円未満の企業の平均的な給与は73で賞与は23と、大きな差が付きます。
しかし、大企業勤務の方よりも多くの給与をもらっている中小企業勤務の方もいらっしゃいますし、大企業よりも高い給与がもらえる給与形態の中小企業もあります。この点を見極め大企業が有利だと意識しながらも「この会社はどうか」と個別に企業研究を重ねて就職や転職をする必要があります。
業種によって有利不利という差が生じる
生涯年収3億円を目指すのであればやはり業種についても考えなければなりません。電気・ガス・熱供給・水道業は平均年収766万円なのに対し、宿泊業・サービス業は半分以下の260万円です。
もちろん企業個別の事情や本人の昇給度合いによっても異なるので絶対ではありませんが、やはり業種も要素の一つとして考えるべきでしょう。
副業についても前向きに考える必要がある
ここまで見てきたとおり、普通に働いていては生涯年収3億円を達成するのは難しいことが分かりました。みんながみんな大企業で働けるわけでも平均年収の高い業種で働けるわけでもありません。
かといって安易な転職や脱サラしての起業はリスクが高いと感じる方も多いはず。今まさに年収に悩んでいるがリスクを考えると転職や起業ができないという方もいらっしゃるでしょう。
そこで考えるべきなのは副業です。本業以外から安定した収入が得られるとなれば生涯年収3億円の達成はより現実的になります。現職で安定して収入を得ながら副業に取り組むことで収入の下がるリスクを低く抑えながら収入を上げることが可能になるのです。
また、副業が軌道に乗れば現職を辞めざるを得なくなったときでも副業収入で生活を維持できるなどリスクヘッジにもつながります。生涯年収3億円を目指すのであれば無理に勤務先からの給与だけで実現しようとするのではなく、副業についても検討してみてください。
生涯年収3億円を達成するなら高収入でないと難しい
生涯年収3億円を達成するには平均年収714万円以上とすることが必要であり、高収入でなければなかなか達成できません。
しかし、一概に達成不可能な金額ともいえず、努力と運次第では達成できる可能性もあります。もし、生涯年収3億円を目指すのであれば、少しでも平均年収が高くなるであろう会社と業種を選びつつ、必要に応じて副業にも挑戦してみてください。
執筆者:柘植輝
行政書士