平均年収のまま65歳で定年を迎えたとして、生涯年収はいくらになる?
配信日: 2023.04.19
今回はずっと平均収入で65歳の定年を迎えたとき生涯年収がいくらになるのかシミュレーションしてみます。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
生涯年収も気にすべき理由
年収を考えるに当たっては平均年収だけでなく生涯年収についても気にするべきです。平均年収はあくまでも一過性のものです。一時期だけ年収が高かったり平均年収と同等であっても、それ以外で年収の低い時期が続いたりしてしまうと、生涯年収は思うほど高くなりません。
特に老後を考えてライフプランを設計する際は生涯年収がどれくらいになるのかも重要な要素になります。これから先、老後に向けてどれくらいの資産を形成できそうか、将来年金を毎月いくら受けられそうかといった金銭面においては、生涯収入の額が密接に関わってきます。
そのため、年収について考える際は今の年収が世間の平均年収と比べてどうかというだけではなく、生涯年収についても考えていくべきなのです。
平均年収のまま定年を迎えた場合の生涯年収は?
では、23歳で就労し、常にその世代の平均年収のまま65歳で定年を迎えたという場合、生涯年収がどのくらいになるのかを見てみましょう。すると生涯年収は1億9000万円程度となるようです。
図表1
年齢 | 年収 |
---|---|
23歳から24歳 | 538万円 |
25歳から29歳 | 1855万円 |
30歳から34歳 | 2065万円 |
35歳から39歳 | 2245万円 |
40歳から44歳 | 2400万円 |
45歳から49歳 | 2520万円 |
50歳から54歳 | 2600万円 |
55歳から59歳 | 2645万円 |
60歳から64歳 | 2115万円 |
生涯年収 | 1億8983万円 |
※筆者作成
男性だけに絞ってみると……?
男性だけに絞って見ていくとまた大きく変わります。なんと23歳から65歳の定年までの生涯年収は2億3129万円と、先ほどよりも4000万円ほど多くなっています。
図表2
年齢 | 年収 |
---|---|
23歳から24歳 | 574万円 |
25歳から29歳 | 2020万円 |
30歳から34歳 | 2360万円 |
35歳から39歳 | 2665万円 |
40歳から44歳 | 2920万円 |
45歳から49歳 | 3150万円 |
50歳から54歳 | 3320万円 |
55歳から59歳 | 3435万円 |
60歳から64歳 | 2685万円 |
生涯年収 | 2億3129万円 |
※筆者作成
女性だけに絞ってみると……?
続いて女性だけに絞ってみましょう。すると生涯年収は1億3143万円となります。
図表3
年齢 | 年収 |
---|---|
23歳から24歳 | 498万円 |
25歳から29歳 | 1640万円 |
30歳から34歳 | 1610万円 |
35歳から39歳 | 1605万円 |
40歳から44歳 | 1620万円 |
45歳から49歳 | 1640万円 |
50歳から54歳 | 1640万円 |
55歳から59歳 | 1580万円 |
60歳から64歳 | 1310万円 |
生涯年収 | 1億3143万円 |
※筆者作成
年齢を問わない平均年収での生涯年収は?
先ほどは年齢別に平均年収を算出した場合の生涯年収を見てきました。
続いて全年齢での平均年収の443万円で23歳から65歳の定年まで働き続けたと仮定すると生涯年収は1億8606万円となります。若干ですが、年齢に応じた平均年収で推移した方が生涯年収は多くなるようです。
誰でも平均的な生涯年収を得ることができるとは限らない
誰もがここまで見たような生涯年収を得られるかといえば、残念ながらそうではありません。業界や職種、勤務先の状況などによって平均年収を得るのが難しい方や、社会情勢や勤務先の景気動向などによって一時的に収入が落ち込むといった状況にある方も少なくないでしょう。
そういった状況においては転職を図る、資格取得や勤務先での業務に力を入れる、副業をしてみるなどで生涯年収アップを実現できる可能性があります。また、大きく収益を得ることは難しいですが、つみたてNISAなどで資産形成を図って労働以外の収入を増やすことも有効でしょう。
平均年収のまま65歳で定年すると生涯年収は1億9000万円ほど!
常に同世代の平均年収のまま定年を迎えたと仮定すると、生涯年収は1億9000万円ほどになります。
しかし、必要とするお金の額は人それぞれです。平均年収で計算した生涯年収はあくまでも参考程度にとどめ、それにとらわれすぎないようにするべきです。自身の老後にはどれくらいお金が必要なのか考え、必要に応じて転職や副業などで生涯年収を増やし、自身にとって理想的なライフプランを設計していくようにしてください。
執筆者:柘植輝
行政書士