更新日: 2023.04.28 年収

「年収600万円」で会社を退職。健康保険を「任意継続」する場合、保険料はどのくらい上がる?

「年収600万円」で会社を退職。健康保険を「任意継続」する場合、保険料はどのくらい上がる?
会社員の時に加入していた健康保険は、退職後2年間は任意継続として加入を続けることが可能です。任意継続中の健康保険料負担はどのくらいの金額になるのでしょうか? 本記事では、試算を交えて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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任意継続はどんな制度?

健康保険の「任意継続被保険者制度(任意継続)」は、退職後も最長2年間、在職時の健康保険に加入し続けることができる制度です。任意継続ができるのは、退職日までに2ヶ月以上継続して健康保険に加入していた人が対象で、退職日の翌日から20日以内に手続きすることが必要です(特別な理由がある場合を除きます)。
 
任意継続した場合の健康保険給付内容は、一般の被保険者とほぼ同じです。ただし、傷病手当金・出産手当金は出ないので注意が必要です。任意継続していた期間が終わったあとは、国民健康保険などに加入することになります。
 

健康保険料はどのように決められているの?

健康保険料は「標準報酬月額×保険料率」で計算されています。標準報酬月額とは、毎月の給与(各種手当を含む)を、加入している健康保険が定めている「標準報酬月額表」の金額に当てはめたものです。
 
標準月額報酬は第1級から第50級まで区分されていて、等級が高いほど保険料が高くなります。
 
健康保険の保険料は、ボーナス(賞与)からも支払っています。ボーナスの金額から1000円未満を切り捨てた金額「標準賞与額」に保険料率をかけた額が支払保険料となります(加入している健康保険・健康保険組合などによって、保険料率が違います)。
 

任意継続した場合、保険料はいくら?

任意継続での保険料は、在職時の2倍になるわけではありません。保険料が高額になるのを避けるため、原則として退職時の標準報酬月額と、任意継続したい健康保険の加入者全体の標準報酬月額の平均どちらか低い金額が任意継続保険料となります。
 

<試算例>

(1)在職時の年収約600万円(給与月額38万円+賞与あり)で、協会けんぽ(東京都)に加入しているCさん(45歳)の場合
 
在職時の月額保険料(本人負担分)は、介護保険料を含めて2万2458円
 

A:退職時の標準報酬月額による保険料(全額負担)
標準報酬月額38万円×東京都の保険料率11.82%=月4万4916円
B:任意継続の保険料
標準報酬月額(上限)30万円×東京都の保険料率11.82%=月3万5460円

 
令和5年度における任意継続の標準報酬月額の上限は30万円です。AかBのいずれか低い金額を採用するので、月3万5460円(介護保険料を含む)を支払うことになります。
 
(2)在職時の年収約600万円(給与月額38万円+賞与あり)で、協会けんぽ(福岡県)に加入しているFさん(50歳)の場合
 
在職時の月額保険料(本人負担分)は介護保険料を含めて2万3142円
 

D:退職時の標準報酬月額による保険料(全額負担)
標準報酬月額38万円×福岡県の保険料率12.18%=月4万6284円
E:任意継続の保険料
標準報酬月額(上限)30万円×福岡県の保険料率12.18%=月3万6540円

 
この場合、月3万6540円(介護保険料を含む)を支払うことになります。同じ年収と健康保険加入でも都道府県で保険料率が違うため、毎月の支払額に違いが出ます。
 

まとめ

会社に在職中は、健康保険料の半分を会社が負担しています。任意継続では個人加入となるため、保険料は増加します。加入している健康保険や都道府県によって任意継続の保険料が違うので、国民健康保険と比較して、保険料や利用できる制度などでメリットが多いほうを選ぶのが良いでしょう。
 

出典

全国健康保険協会 任意継続とは

全国健康保険協会 全国健康保険協会(協会けんぽ)の任意継続被保険者の方の保険料額(東京都)

全国健康保険協会 全国健康保険協会((協会けんぽ))の任意継続被保険者の方の保険料額((福岡県))

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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