更新日: 2023.05.02 年収
平均年収は参考にならない?知っておきたい「給料分布」について解説
年収分布をみてみると、平均年収はあまり意味がないことが分かります。本記事では、年収分布などについて解説しますので、参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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平均年収はあまり意味がない理由とは?
日本人の平均年収は、正社員が508万円で、正社員以外が198万円であり、全体の平均年収をみると、443万円です。
そのため、年収が443万円を下回っていると、低年収だと感じるかもしれませんが、平均年収は、自分自身の年収を考える際の参考にはあまりなりません。理由としては、平均の計算方法にあり、年収が500万円と300万円の平均は400万円ですが、年収が700万円と100万円でも、平均は400万円です。
このように、一部の高収入の層によって、平均年収額は大きく上げられていますが、年収分布をみてみると、高収入層は少ないことが分かります。年収分布については、図表1にまとめましたので、みていきましょう。
図表1
年収区分 | 人数(千人) | 割合(%) |
---|---|---|
100万以下 | 4251 | 8.1 |
100万円超200万円以下 | 7011 | 13.3 |
200万円超300万円以下 | 7818 | 14.8 |
300万円超400万円以下 | 9145 | 17.4 |
400万円超500万円以下 | 7882 | 15.0 |
500万円超600万円以下 | 5527 | 10.5 |
600万円超700万円以下 | 3526 | 6.7 |
700万円超800万円以下 | 2432 | 4.6 |
800万円超900万円以下 | 1518 | 2.9 |
900万円超1000万円以下 | 1004 | 1.9 |
1000万円超1500万円以下 | 1850 | 3.5 |
1500万円超2000万円以下 | 432 | 0.8 |
2000万円超2500万円以下 | 136 | 0.3 |
2500万円超 | 166 | 0.3 |
合計 | 52699 | 100.0 |
※国税庁「令和3年分民間給与実態統計調査」を基に作成
図表1で年収分布をみた場合、平均年収が含まれる400万円超500万円以下の層までで、全体の7割近くを占めることになります。つまり、平均年収である443万円を稼げているならば、全体で考えた際には、中央よりも上の層にいるといえるでしょう。
世の中には、数億円の年収を稼いでいる層もいるため、平均年収が底上げされる要因の一つになっています。
また、年代によっても平均年収は異なっているため、同世代と比較した場合には、十分な年収を稼いでいる可能性もあります。図表2に、年代別の平均年収をまとめましたので、みてみましょう。
図表2
年代 | 全体の平均 | 男性の平均 | 女性の平均 |
---|---|---|---|
19歳以下 | 133万円 | 152万円 | 113万円 |
20代 | 320万円 | 345万円 | 288万円 |
30代 | 431万円 | 502万円 | 321万円 |
40代 | 492万円 | 607万円 | 326万円 |
50代 | 524万円 | 675万円 | 322万円 |
60代 | 380万円 | 480万円 | 239万円 |
70歳以上 | 300万円 | 369万円 | 210万円 |
※国税庁「令和3年分民間給与実態統計調査」を基に作成
年代によっても平均年収は大きく異なっており、全体の平均年収だけをみて、自分の年収が多いか少ないか判断することは、あまり意味がありません。
まとめ
平均年収は、高収入層によって底上げされているため、実際に年収分布をみてみると、平均年収である443万円でも、上位層になっていることが分かります。平均はあくまでも平均ですので、自分がいる層の年収分布をみてみると、十分に稼いでいるというケースは少なくありません。自分の年収について考えるならば、「平均年収」よりも「年収分布」を確認することをおすすめします。
出典
国税庁 令和3年分民間給与実態統計調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー