更新日: 2023.05.08 年収
43歳で課長に抜擢されたけど、一般的に見て出世は早い方? 課長級の「平均年収」はいくら?
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
43歳で課長に抜擢されるのって早い出世といえる?
令和3年の厚生労働省の調査によれば、課長級の役職の平均年齢は48.7歳となっています。43歳で課長に抜擢されるというのは、世間的に見て早い出世といえるでしょう。
ただし、これは企業規模にもよります。例えば、ベンチャー企業や従業員数10名未満の零細企業など規模の小さい会社と、従業員が300人以上など規模の大きい会社とでは、同じ課長級の肩書を持っていてもその重みが異なります。
そのため、課長=出世と考えたり、何歳なら早い出世かと考えたりするよりは、「その役職にふさわしい仕事内容や責任、そして給与になっているか」といった観点から出世を判断する方が妥当でしょう。
課長級の平均年収は750万円程度と想定される
厚生労働省の調査では、課長級の平均賃金は男女計で47万6300円、年間賞与の合計については175万3900円となっています。ここから、一般的な課長職の平均年収は746万9500円となることが想定されます。
また、男女別に見た場合、課長級の男性は平均賃金が48万4600円、年間賞与の合計については181万1600円となっています。ここから、一般的な課長職男性の平均年収は762万6800円となり、かなり高い年収を得ているであろうことが想定されます。
一方、課長級の女性は平均賃金が42万2100円、年間賞与の合計については137万4600円となっています。ここから、一般的な課長職女性の平均年収は643万9800円と想定できます。
なお、この試算は統計上からの推定にすぎないため、実際は勤務先の規模や給与形態などによって異なることもある点にご注意ください。一般的な中小企業の場合、仮に課長となっても年収760万円までは及ばず、年収400万円から500万円程度となる可能性も十分にあり得ます。
課長になって年収が下がることがある?
場合によっては、昇進して役職がつくことによって年収が下がるということもあるようです。そうなる理由は残業代の存在にあります。例えば、昇進によって基本給が上がったものの、業務内容が減ったことで残業時間も減り、結果的に収入が下がってしまうといった場合です。このような場合は課長への昇進によって年収が下がることもあります。
しかし、管理職という肩書だけで待遇が不十分な、いわゆる「名ばかり管理職」になってしまい残業代が支給されない場合などは、法律に違反しているケースもあります。せっかく課長へ昇進したにもかかわらず年収が減ってしまった場合、「名ばかり管理職」になっていないか、その理由を確認してみてください。
まとめ
一般的な課長級の年齢が48.7歳ということを考えると、43歳で課長に抜擢されることは早めの出世だといえます。また、課長級の平均年収は750万円程度となっており、管理職になると高い年収を得ることも期待できるようです。
しかし、企業規模などによってはその限りではなく、課長という役職にこだわり過ぎるのもあまり良いこととはいえません。高い向上心を持ち、どんどん出世していきたいという方は、課長という役職にこだわらず、部長、取締役とさらに上の役職へと目を向けてみてください。
出典
厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況 「役職別」
e-Stat 令和3年賃金構造基本統計調査 「役職、学歴、年齢階級、勤続年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」
執筆者:柘植輝
行政書士